中国の国防費13兆円、前年比12%増加分の用途を解説―中国メディア

Record China    2014年3月8日(土) 6時0分

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7日、第12期全人代第2回会議に提出された予算案によると、2014年の中国の国防予算は前年比12.2%増の約8082億3000万元(13兆6000億円)となった。写真はアデン湾海域で商船を護送する中国海軍艦隊。

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2014年3月7日、第12期全人代第2回会議に提出された予算案によると、2014年の中国の国防予算は前年比12.2%増の約8082億3000万元(13兆6000億円)となった。中国の国防費は4年連続で二桁の伸びを続け、初めて8000億元を突破した。人民日報海外版が伝えた。

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■合理的な増加幅

「この増加幅の維持は合理的であり、国家の安全を維持するうえで正当な需要でもある」。全人代代表を務める軍事科学院の陳舟(チェン・ジョウ)研究員は5日の取材にこう述べた。

国際戦略問題を長年研究している軍事専門家である陳氏は「国防費の規模は国の経済・社会発展水準に適応したものであると同時に、国防上の必要性にも適応したものである必要がある」と指摘。「世界第2位の経済大国としては、中国の軍事費総量は低めだ。世界の主要国の軍事費は対GDP比で2〜4%が一般的だが、中国は約1.5%に過ぎず、米国の4%を大きく下回る。1991から2013年までの世界各国の軍事費の対GDP比は平均2.6%だったが、中国は1.28%に過ぎない。世界の主要国と比べ、中国の国防費は対GDP比においても、国民1人当たりでも、軍人1人当たりでも、比較的低い」と述べた。

また「現在中国の周辺環境は穏やかでなく、テロなど非伝統的な安全保障上の脅威も軽視できない。このことから、われわれは国防建設への資金投入を強化することを必然的に求められている。そうして初めて中国の特色ある軍事変革を持続的に推進し、国の安全を確実に保障することができる」と指摘した。

■全資金を戦力建設に

「中国の国防費の増加は適度なもので、規模は限られたものだ」。解放軍総後勤部の孫黄田(スン・ホアンティエン)副部長は「われわれは資金投入が比較的少なく、効果が比較的高い国防・軍近代化の道を揺るがず歩み続け、全ての資金を戦力建設の肝要な部分にしっかりと用いる」と表明した。

孫氏は今年の国防費の増加分の主な用途として次の3つを挙げた。

(1)世界の新たな軍事変革の趨勢に順応し、中国軍の武器・装備の近代化水準を着実に高め、武器・装備の全体規模の抑制を前提に、立ち後れた装備を淘汰・更新し、旧式装備をアップグレード・改造する。

(2)国の経済・社会発展に順応し、末端部隊の勤務、訓練、生活環境を重点的に改善する。

(3)軍の体制編制と政策制度の調整・改革を踏み込んで推進し、軍民融合の深い発展を推進し、軍管理システムの近代化を加速する。

孫氏は「中国は発展途上国で、人口が多く、基盤が弱く、経済発展と民生改善が最優先だ。国防費の増加は適度なものであり、規模は限られたものだ。世界の主要国と比べ、中国の国防費は対GDP比でも、国民1人当たりでも、軍人1人当たりでも、比較的低い水準にある」と指摘した。

■中国の国防費は透明で完全に公開している

近年、中国の引き受ける国際的義務は日増しに増加している。アデン湾、ソマリア沖での護送はすでに常態化し、国際救援活動にしばしば人道部隊を派遣している。中国は国際平和維持部隊を国連安保理で最も多く派遣している国でもある。

陳氏は「中国は責任ある発展途上の大国として、国際的な責任や義務を日増しに多く引き受けている。国際平和維持活動、合同対テロ活動、国際救援活動、護送活動は、いずれも資金力と物的保障をより多く必要とする。海外での任務遂行に必要な経費は、国内の通常の経費の数倍、任務によっては数十倍にも達する」と指摘。「中国の適度な国防費の増加、国防力の強化は、世界平和に対する重要な貢献でもある」と述べた。

中国にはいわゆる「隠れた軍事費」があるとの非難について、かつて『軍事透明論』を著した陳氏は「魂胆を抱いている者でさえなければ、中国の軍事的透明度が大幅に増加し、中国軍の開放度と透明度がかつてない水準にあることは誰もが認める」と指摘した。

中国政府は1998年以降、隔年で国防白書を発表し、国防費の投入規模と用途を詳細に説明。2007年には国連軍事費透明制度にも正式に参加し、毎年国連に軍事費報告を提出している。「中国の国防費は完全に公開されており、透明だ」と陳氏は指摘した。(提供/人民網日本語版・翻訳/NA・編集/武藤)

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