<コラム・莫邦富の情報潮干狩り>美談をでっち上げ、日本企業と行政を手玉にとる中国人ブロガー

莫邦富    2020年10月16日(金) 14時40分

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ギンザシックス最上階のTHE GRAND GINZA。モダンでスタイリッシュな雰囲気のフロア内にフレンチレストランなどが併設されており、ウエディング式場としても人気がある。写真は中国のSNSより。

ギンザシックス(GINZA SIX)の最上階にあるTHE GRAND GINZA(ザ・グラン銀座)。モダンでスタイリッシュな雰囲気のフロア内に、フレンチレストラン、バー、多目的ホールが併設されており、ウエディング式場としても人気がある。

■「小野醤在日本」の動画が物議

しばらく前、2人の中国人女性がこのTHE GRAND GINZAを訪れた。メインの女性は小野ちゃんを意味する小野醤(中国語本名は李暁歓)という。彼女は中国版TikTok(ティックトック)である抖音(ドウイン)のブロガーで、160万人余りのフォロワーを持っている。

やがて「小野醤在日本」というニックネームで抖音に2本の動画が投稿された。中身は大まかに言うとだいたい以下のような内容だ。

小野醤が女性友達とともにアフタヌーンティーを楽しもうとしてTHE GRAND GINZAを訪れた。しかし、席まで案内された後、まだ注文していない食事(アフタヌーンティーセット)が提供され、不思議に思い、周囲をよく観察してみたら、ようやく他人の結婚披露宴の会場に誤って入ってしまったことに気づき、どうしようと心配しながら、飲食をした。最後にはレストラン側に事情を知らないまま会場に入って飲食したことを認め、食事代を払おうとしたが、レストラン側は食事代を受け取らないばかりか、逆に小野醤たちに迷惑をかけたとして謝った。それでは申し訳ないと思った小野醤と友達はグリーティングカードを買ってきて、新郎新婦へのお祝いの手紙と3万円のお祝い金を添えて新婦に渡すようにレストラン側に頼んだという。

動画は礼儀正しい日本社会、その社会に負けないような中国人女性の振る舞いを描き出し、心温まる美しい話となった。その動画がアップされるやいなや多くのアクセスを受け、話題になった。

しかし、日本社会の事情を知る「陽子」という女性がすぐに疑問を出した。

「日本の結婚式の招待客はすべて名前が確認されなければならないのに、従業員はどうして確認せずに席を手配したのだろうか」

この疑問に対して、小野醤は非を認めるどころか、逆に「嫉妬を買ってしまった。絶対ああいうやつに点数を稼がせない」と言い放った。

そこへ「中日一博君」というニックネームの男性がTHE GRAND GINZAに電話をかけ、マネジャーに事実関係を確認した。そこで判明した事実は以下である。

まず、小野醤たちは2日に分けてレストランを利用した。レストラン側が案内したところは結婚披露宴が行われる会場とは無関係の普通の座席だった。出されたアフタヌーンティーセットはすべて小野醤たちが自分で注文したもので、もちろんその飲食代も払っている。動画に出てくる結婚披露宴のシーンは新婦がお色直しをして入場したとき小野醤たちが盗撮して勝手にネットにアップしたものだ。新婦に渡すようにと頼まれた封筒には、手紙は入っていたが、現金は一切なかった、という。

しかも、翌日にレストランにやってきた小野醤たちは、昨日座っていたのと同じ席を求めたが、たまたまその他のお客さんが利用していたので、すぐにその席は用意できなかった。そのため、小野醤たちがレストラン側とちょっと揉めてしまい、夜になるまで待っていても構わないから、どうしてもあの席を希望すると小野醤たちが喧嘩腰になったほどだ。行動におかしなことがあると判断したレストラン側は小野醤たちのことをはっきりと覚えていた。

つまり動画にある内容は自作自演したもので、2日目に前日と同じ席を求めたのも話作りに背景の一致を保つためだ。一生懸命かつ好意的に対応したレストラン側も新婚夫婦も、小野醤たちから見れば、動画に無料で出演したボランティア俳優に過ぎなった。

真相がネットで暴露され、狼狽した小野醤は自らの行動を反省するのではなく、まず、レストランを貸し切り、疑問を呈したブロガーたちを全員集めて口止めする作戦を考えた。「自分はあのレストランのVIPだ。あのレストランを貸し切りにすれば、レストラン側も文句はないだろう」と言い放った。このような懐柔作戦を考えると同時に、彼女の行動に批判的なコメントや動画アップを続けるブロガーたちに法的措置を取ると威嚇した。それでも批判の声を抑えることができなかったのを見て、「女の私にどうしてモラルのことばかり求めるのか?こんな動画を作っているブロガーはいくらでもいるのに、どうして私だけネット暴力を受けなければならないのか」と訳の分からない論理で自己弁解し始めた。

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