中国がデジタル人民元テスト、WeChatとアリペイより便利?―中国メディア

人民網日本語版    2020年10月19日(月) 5時20分

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ここ数日、デジタル人民元の紅包(ご祝儀)が「バズって」いる。深セン市では5万人に200元(約3000円)の紅包が当たり、デジタル人民元を一番最初に使える幸運に恵まれた。資料写真。

ここ数日、デジタル人民元の紅包(ご祝儀)が「バズって」いる。深セン市では5万人に200元(約3000円)の紅包が当たり、デジタル人民元を一番最初に使える幸運に恵まれた。中国新聞網が伝えた。

「デジタル人民元ってどんなもの?」、「どうやって使うの?」、「微信(WeChat)支付宝(アリペイ)よりも便利なの?」と、みんな好奇心でいっぱいだ。デジタル人民元がどんなものかみてみよう。

■5万人にデジタル人民元の紅包

深セン市ではこのほど、デジタル人民元の紅包のテストが行われ、市内在住の個人に総額1000万元(約1億5000万円)に上るデジタル人民元の紅包が配られた。金額は1件あたり200元、全部で5万件が配られた。

テストには最終的に191万人が申し込み、抽選により5万人が当選し、当選の確率は2.6%だった。この数字から、デジタル人民元に対する人々の熱い期待がうかがえる。

紅包の受け取り方は非常に簡単だ。当選した周さんによると、当選のショートメッセージとともに送られてきたリンク先に移動して、デジタル人民元のアプリケーションをインストールし、携帯電話番号を打ち込むと登録が完了し、個人用デジタルウォレットが作成される。このウォレットにデジタル人民元200元の紅包が振り込まれたという。

注意しなくてはならないのは、銀行によってデジタル人民元のベースカラーが異なることで、たとえば中国建設銀行は青、中国農業銀行は緑、中国工商銀行と中国銀行は赤がベースになっている。

デジタル人民元アプリをみると、上にスクロールすれば支払い、下にスクロールすれば受け取ることになっており、右上の角にはQRコード読み取りのアイコンがある。ユーザーが業者側の受け取りコードをスキャンするか、業者側がユーザーの支払いコードをスキャンすると支払いが完了する。

■微信や支付宝よりも便利なのはどの点?

多くの人が関心を寄せるのは、デジタル人民元が微信や支付宝に比べて、どのような点でより便利なのかということだ。

メディアが伝えたところによると、テストに参加した麺料理店の責任者はデジタル人民元の優位性として次の2点を挙げた。まず、店の通信環境がよくない時も、デジタル人民元が使える。「そもそも、支付宝や微信支付(WeChatペイメント)で支払いや受け取りをするときに、店の通信環境に問題があるため、顧客側の端末には『決済完了』と表示されているのに、業者側が受け取れていないということがよくあった」という。

次に、デジタル人民元には費用がかからない。支付法と微信支付を通じて受け取りをすると手数料を払わなければならないが、デジタル人民元は国の法定通貨であり、このルートで受け取れば費用は発生せず、業者側はその分の経費を節約できるという。

中国人民銀行(中央銀行)の范一飛(ファン・イーフェイ)副総裁はこのほど発表した文章「デジタル人民元のM0(マネタリーベース)における位置づけに関する政策の意味分析」の中で、「デジタル人民元には利息がつかず、非営利性があり、追求するのは社会的利益と社会福祉の最大化だ。そのため、人民銀行はデジタル人民元に対して現金と一致した費用免除措置を実施する。人民銀行はデジタル人民元の費用が免除された価値移転システムと金融インフラを構築し、発行段階では交換・流通サービスについて費用を徴収しないとし、商業銀行も個人の顧客からデジタル人民元の両替サービスについて費用を徴収しないとしている」と述べた。

招聯金融の董希●(ドン・シーシン、●は品の口が水)首席研究員は取材に答える中で、「デジタル人民元の使い方は非常に便利だ。微信と支付宝は相互に振り込みができず、さらに微信や支付宝に対応しない場所もあるが、デジタル人民元は法定通貨であり、だれでも受け取りを拒否できない」と述べた。

人民元の法定通貨としての規定に基づき、デジタル人民元による中国国内のすべての公債および個人負債の決済について、いかなる機関と個人も受け入れる条件が備わった状況においてその受け入れを拒否することはできない。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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