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日本の貨物船座礁による重油流出、環境汚染は数年続く恐れ―仏メディア

配信日時:2020年10月8日(木) 10時20分
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7日、仏国際放送局RFIは、モーリシャス沖で座礁した貨物船「わかしお」から流出した重油による環境汚染の影響が数年続く恐れがあるとの専門家の意見を紹介した。写真はインド洋の島国モーリシャス。

2020年10月7日、仏国際放送局ラジオ・フランス・アンテルナショナル(RFI)中国語版サイトは、7月25日に日本の商船三井が運航する貨物船「わかしお」がインド洋のモーリシャス沖で座礁した事故により、重油約1000トンが漏れ出したことについて、「環境汚染は数年続く恐れがある」という専門家の意見を紹介した。

記事によると、インド洋のモーリシャス沖で座礁した「わかしお」からは、1000トンを超える重油が、モーリシャス島の南東部10キロ余りの海岸線と周辺の海を中心に漏れ出し、サンゴ礁やマングローブ、絶滅危惧種の生息地を汚染しているという。国連の生物多様性条約によれば、島国であるモーリシャスの海は、魚800種、海洋哺乳類17種、カメ2種を含む1700種の生き物のすみかとなっており、サンゴ礁、海草、マングローブが、並外れて豊かな海をつくっているという。モーリシャス共和国政府は、座礁から2週間後の8月7日に「環境上の非常事態宣言」を発し、国際社会に緊急の支援を求め、フランス、英国や日本などの国から物資の援助や専門家の派遣を受けているほか、多くの地元住民が手作りのオイルフェンスを海に浮かべるなど、ボランティアとして重油の除去活動に参加しているという。

記事は、今回の事故について、複数の専門家が「過去の事例と比較して重油の流出量は少ないが、量よりも場所が問題」として、国際的に貴重な湿地帯である自然保護区「ブルー・ベイ・マリーン・パーク」の近くで事故が起きたことを懸念していると紹介。流出現場近くの島にいる環境保護団体グリーンピースの元戦略家であるスニル・モクシャナンダ氏は「風と海水が重要な海洋生態系のあるエリアに重油を運んでしまっている」と指摘した。また、米アラスカ州在住の海洋生物学者のリチャード・スタイナー教授は、サンゴ礁の汚染を懸念し、「海岸を嵐や浸食から守るサンゴ礁が、流出した油の毒性を持つ炭化水素により変色して死んでしまう」「昨年ソロモン諸島沖のサンゴ礁で起きた事故では、油の流出量は数百トン程度だったが、サンゴ礁はものすごい被害を受けた」と述べた。

ほかにも、根が複雑に入り組んでいたり、周辺が湿地帯で近づくのが困難なため、重油の除去作業が難航しているマングローブ林について、国際マングローブ生態系協会の理事長で、琉球大学名誉教授の馬場繁幸氏は「マングローブの根は栄養分を吸収し、呼吸をする役割があるが、油が付着すると、毒性の成分がしみ込み、細胞膜が壊れ、半年くらい続くと枯れてしまう」と一刻も早い除去作業の必要性を訴えた。

記事は最後に、過去に起きた油流出事故の中から、2010年にメキシコ湾で起きた「ディープウォーター・ホライズン」事故の影響で、ゴールデン・タイルフィッシュやハタ、ヘイクなどの経済的、環境的に重要な種の生物が現在も汚染に苦しんでいる事例を紹介し、「流出事故の後に除去できる油の量は、一般的に10%未満」「数多くのインド映画の舞台となり、昨年15.9億米ドル(約1687億円)もの経済収益を上げたモーリシャスの観光業は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で大打撃を受けた上に、柱となる鮮やかな青緑色の海は、今や黒と茶色に染まっている」「影響は何年も続くだろう」と述べた。(翻訳・編集/原邦之)

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