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〈一帯一路実践談37〉計画する 国際協力実践を左右

配信日時:2020年10月3日(土) 18時40分
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あらゆる活動の最初に計画があり、その一部として相手側合意をどう得るかを計画する必要がある。写真は日中共同ニヤ遺跡学術調査計画書〈1993年版・部分〉。

昨今の新疆・香港問題・米中対立激化などもあり、日本はアメリカと中国の間で、難しいかじ取りが求められている。一庶民にすぎない筆者へもお叱りのコメントもいただく。その中国新疆で国際協力実践の際に、心がけてきた実践10カ条を拙いながら紹介中。

その6は計画。長期・中期・短期計画を作成し臨んだ。計画づくりには情報入手が必須。BBC・CNN・Newsweek日本版・人民網日本語版・環球時報・新疆日報網などを常時チエックし幅広い情報入手に努めている。日本の各メディア同様、それぞれ「特色」がある。

(筆者が天津美術館で企業経営も文化財保護研究も計画が重要と講演したPPTを写す聴衆)

あらゆる活動の最初に計画があり、その一部として相手側合意をどう得るかを計画する必要がある。相手との合意が必要であるといった基本中の基本を理解しない人たちも少なくない。研究者やメディアなどが許可も得ず、調査研究や撮影している例を度々見聞きする。あるいは楼蘭やニヤ・ダンダンウイリク遺跡などへ無許可侵入する研究者や観光客もいる。

この「実践談」21に記した違法測量で拘束された国立大学・国立研究所の教授らの「相手側中国人が許可を取っていると思っていた」との釈明が報道されている。「思っていた」では言い訳にすぎず、当人のみならず所属機関そして日本の評判を落とすことになる。厳しい対日感情が残る中国では、個人活動も「日本」に結び付けられることもある。また研究成果や撮影資料を持ち出すだけの一方的行為では、20世紀初頭の文化財持ち出しと大差ない。

国際活動では契約を交わし、先方機関の許可を取得し、その確認が必須条件である。相手方研究者が許可証を取得したならば確認しコピーを保存すべきである。筆者ら日中双方はそれぞれの主権・法規・文化を相互尊重した。これまでに紹介したキジル千仏洞修復保存・日中共同ニヤ&ダンダンウイリク遺跡学術調査や奨学金など全ての活動で文書による正式許可を取得し覚書や協議書を交わし実施してきた。計画に契約もふくんだ結果である。

(日中共同隊がダンダンウイリク遺跡で発掘した壁画の保護研究協議書)

国家文物局の発掘許可書を取得した外国人は稀といわれている。調印などの写真も残した。レコチャ「一帯一路実践談」に毎回3点の写真を掲載できるのは、そのおかげである。蛇足ながら掲載写真の殆どは筆者撮影であるが、一部は新疆政府・新疆日報記者・日中調査隊員・友人らの撮影である。その撮影者名は紙幅の都合で略したことを記し感謝としたい。

付記:毎年9月に贈呈してきた「新疆大学奨学金」「新疆文化文物優秀賞」「シルクロード児童育英金」は、コロナ禍で活動もままならず、来年に延期で新疆側と合意した。「コロナ給付金10万と持続化給付金200万円もらった。国の親が驚いている」と新疆からの中国人。

■筆者プロフィール:小島康誉
1942年名古屋市生まれ。佛教大学卒。浄土宗僧侶、日中理解実践家。1982年より中国新疆を150回以上訪問し、世界的文化遺産保護研究・人材育成など国際協力を多数実践。
ブログ「国献男子ほんわか日記」
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