微信や支付宝は引き継げる?デジタル遺産は死後どうなる?―中国メディア

人民網日本語版    2020年9月28日(月) 17時50分

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ネットで流行しているジョークに、こんなものがある。「私を笑い死にさせて、それから私の絵文字とか花唄(フアベイ、クレジットサービス)を相続したいんでしょう…?」。写真は微信。

ネットで流行しているジョークに、こんなものがある。「私を笑い死にさせて、それから私の絵文字とか花唄(フアベイ、クレジットサービス)を相続したいんでしょう…?」。このジョークは以下のような一連の問題を映し出している。人が死ぬと、そのQQ、微信(WeChat)、微博(ウェイボー)、支付宝(アリペイ)のアカウントなどはどうなるのか、個人のアカウントや電子メールの情報など大量のデータ記録はどうなるのか、ネットワーク時代には、個人のデジタル遺産をどのように処理すればよいのか、という問題だ。

ここ数年、モバイルインターネットが広く普及するのに伴って、バーチャル空間にある自分のデータ・情報に注目する人がますます増え、個人のデジタル遺産のバックアップに関する議論もしばしば起きている。

昨年、90後(1990年代生まれ)のエレクトロニック・スポーツ(eスポーツ)選手が自分の支付宝やゲームアカウントなどのデジタル遺産を遺言書に書き込み、ネットで大きな話題になった。2018年には、ドイツの夫婦が亡くなった娘のSNS「フェイスブック」のアカウント継承権を合法的に獲得し、広く注目を集めた。09年に中国で起きたデジタル遺産の相続をめぐる裁判では、故人がネットゲームに残した5万元(約77万円)相当のアイテムの所有権について判断が示された。

実のところ、03年には、国連教育科学文化機関(ユネスコ)が「デジタル遺産の保護に関する憲章」の中で、デジタル遺産は人類が有する特有な知識と表現からなり、個人のネットワーク上の情報にはテキスト(本文)、データベース、静止・動画像、ソフトウェア、ウェブページなどが含まれ、どれもデジタル遺産であることを明確にしている。

上海正策弁護士事務所の董毅智(ドン・イージー)弁護士は、「デジタル遺産は大きく分けて3種類ある。1つ目は、SNSプラットフォームのアカウントとそこで発信した情報だ。2つ目は、銀行カードなど伝統的財産と紐付けされ、一定の決済機能を備えたアカウント。3つ目は、ビットコインなどのバーチャル資産だ。種類ごとにデジタル遺産の特徴は異なり、処理する場合には具体的な状況を踏まえて個別に対応する必要がある」と指摘する。

中南財経政法大学デジタル経済研究院の盤和林(パン・ホーリン)執行院長は、「デジタル遺産をどのように処理するか。これは実際には、ネットワーク上に残されたデジタル資産の所有権が一体誰のものになるかという問題だ。法律の概念で考えれば、データ資産には本質的に『人格権』と『財産権』の2つの権利がある。インターネット時代には、個人情報をはじめとする人格権がその主体に相当な経済的利益をもたらすことがあり、財産権はさらに直接的にデジタル資産と関連する。よってデジタル遺産に対応する権利をどのように引き継ぐかが、目の前に横たわる問題となっている」と述べた。

デジタル遺産の処理問題はこれほど注目を集めているが、それでは現在、一連の主要ネットワークプラットフォームはどのように処理しているのだろうか。

支付宝の関係責任者は、「お客様が支付宝に預けているお金はお客様のものであり、たとえお客様が亡くなっても、プラットフォームは関連規定を厳格に遵守して、お客様のためにこのお金とそこから発生する収益を、相続人が引き取りにくるまでずっと保管し続ける。支付宝で購入した余額宝(アリペイのオンライン金融商品)、ファンド、保険などの商品は、相続人が引き継ぐことができる。同じように、花唄や借唄(ジエベイ、キャッシングサービス)などで債務があれば、相続人がすべて引き受ける必要がある」と説明した。

同様に、各プラットフォームは物的財産であるデジタル遺産について、故人の親族が身分証明書、故人との関係を証明する書類、死亡証明書、承諾書などを提出すれば、顧客サービスに移管し、法律に基づいて相続人が引き継げるようにしている。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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