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徳川家康は「百姓は生かさぬように殺さぬように」と言ったが、両中央官庁は通訳案内士を抹殺するつもりなのであろうか?写真は2月18日厳冬の風が吹き雪の残る東京霞が関経済産業省と国土交通省(観光庁)。
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2014年2月18日雪の残る東京に寒さの中に暖かさを感じる風が吹きましたが、霞が関界隈の官庁街は、厳冬の暴風雪が吹いていたように思われました。なぜ都市を活性化する法案の改正に特例通訳案内士のような蛇足が付くのか?これにより、日本の既存の通訳案内士は近い将来的に消滅することになるのではないか?少なくとも日本を訪問した外国人VIPの大多数が接待した特例通訳案内士に不満や疑問を抱くようになるのではないのか?政府が気付いた時には通訳案内士は都市の限界集落で死に絶えてしまっていたということにならないのか?我々通訳案内士団体のメンバーは、時の政府や官僚に抹殺されるという危機感を共有して、国会請願に動いております。その数はすでに全国15団体2265名にのぼり、現役で働く通訳案内士の多くが、この法案に心配をし、憂いを感じております。
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通訳案内士以外の皆様、特に国会議員の皆様。一つの法案の改正により消滅に追いやられる産業の卵があるとすれば、それは許せることでしょうか?その産業が将来の訪日外国人関連産業の中心になるとすれば、それを保護せずに叩き潰すような政策は、間違っていないでしょうか?まさか経産省は業界の意見も聞かずに、法案を早急に作って通してしまうことが、通訳案内士という仕事をこの国から抹殺するとは考えてないのでしょうか?多くの通訳案内士はこの法案が、既存の通訳案内士の存在を抹殺するものと考えております。ここが官民の考え方の決定的違いです。
▼衆参両院議長へ提出する請願書(請願趣旨)
国際観光の振興を目的として通訳案内業務を考える場合、最も大事なのはお客様である訪日外国人の満足度の高さです。来日中の貴重な時間内で、通訳案内士を依頼するお客様の期待を裏切らないことです。その意味で、通訳案内士は国の知的財産であり、優秀な通訳案内士を持つことは、他の観光先進国同様、歴史や文化を守る国として必須のことであります。
我が国には、約60年にわたって実施されてきた全国を稼働範囲とする国家試験に合格した「通訳案内士」制度があります。既に、1万6000人を超える登録者がありながら、受入体制が不十分なため、定例的に活動しているものは、1割もありません。その結果、大半の者が試験合格時よりも、力量を低下させていると言われています。
その後、平成18年度には、都道府県単位の「地域限定通訳案内士」、平成23年には、総合特区通訳案内士制度が導入されました。これらの地域限定型制度については、活動機会がほとんどないといわれています。さらに、今日、すでに通訳案内士が過剰と言われる大都市圏にも適用可能な中心市街地活性化計画に基づく「通訳案内士の特例」を導入しようとしています。
「通訳案内士」が、訪日外国人に有償で語学サービスを提供する以上、通訳を含む語学能力、基本的な日本社会・文化に対する理解が不可欠です。しかし、総合特区通訳案内士や中心市街地活性化計画「通訳案内士」には、通訳などの語学能力が保障されるとは、到底思われません。
質的に全く異なる「通訳案内士」が同一の名称で呼ばれることとなれば、品質を信じて語学サービスを購入する訪日外国人に混乱をもたらし、国全体としてのサービスの低下をもたらしかねません。屋上屋の制度構築に走ることなく、既に過剰と言われる通訳案内士の能力を活用する方策を尽くして、真の観光立国の実現を目指していただきたいと思います。
▼請願事項として次の2項目をあげております。
1、仕組みやレベルの異なる制度で、同じ“通訳案内士”を名乗らせないでください。国家試験の合格を条件として、質の保障されている「通訳案内士」と、安易な認定制度のため、レベルの保障されない者に、同じ“通訳案内士”の名称を名乗らせることは混乱を招きます。むしろ、その内容を的確に表した「略称規定」の使用を法令で規定すること。
参考:新たなガイドの名称案
○○おもてなしガイド/○○市国際おもてなしガイド/ようこそ○○ガイド/○○外国語アドバイザー/○○外国語ガイド/○○街コンシェルジェ
2、国家試験による通訳案内士が過剰な地域での新たな通訳案内士制度の導入は、やめてください。既に、過剰な地域では、新制度導入ではなく、有効活用のための施策を推進してください。
以上が通訳案内士団体ネットワーク14団体と関連1団体(総メンバー数:2265名)が衆参両院議長へ提出する請願書(請願趣旨)です。
◆筆者プロフィール:水谷 浩(仁宣)
現役通訳案内士(中国語)の他、各種通訳と翻訳、講演と執筆、訪日外客コンサルとビジネスマッチング(日本と海外)を展開する。4代に渡る中国と台湾に関わりを持つ日本人の家系に生まれ育つ。北京大学留学後、第2次産業に長く勤務し、攻めの営業と企画で挑戦するという信条の基、新市場への新商品の開発・展開を得意としてきた。現在は訪日外客ビジネスを一大新成長産業に育成することに執念を燃やす。語学・旅行等の資格・スキルとIT技術の駆使で関連業界の垂直統合戦略による需要獲得を目指している。銀聯カード決済関連会社のサイトで、中国・中華市場向け中国語旅行ブログ“中日導游游日記”を長期連載している。
国家資格:通訳案内士(中国語)、国内・総合旅行業務取扱管理者、国内・総合旅程管理主任
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