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「言葉の魔法使い」である通訳案内士の世界はどうなっているのでしょうか?現状と問題、将来への展望について詳しく説明致します。写真は大阪キタのウォーキング研修。
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「言葉の魔法使い」である通訳案内士の世界はどうなっているのでしょうか?現状と問題、将来への展望について詳しく説明致します。通訳案内士は国家資格です。従って他の資格同様年1回のチャンスしかありません。8月の最終週に1次試験、11月から12月に2次試験、2月に合格発表と少なくとも受験票提出から半年の時間がかかります。合格率はかつて1桁でしたが、訪日外客増加に伴い20%位の合格率が平均して出て参りました。あの難しい語学試験の代わりに英検やTOEICも高点数を取れば、合格への1要件として認められます。敷居は昔に比べ低くなりました。試験の内容は、語学の他に1次試験の科目は、日本地理、日本歴史、一般常識と2次試験の面接試験です。
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国家資格としての通訳案内士の語学資格は9言語(英語、フランス語、スペイン語、ポルトガル語、ドイツ語、ロシア語、中国語、ハングル語、タイ語)に分かれております。英語が全体の約70%を占め、中国語が約10%、その他の言語は一桁となっております。韓国からのお客様が約200万人、中華圏からは350万人、英語圏からは227万人という昨年の統計ですが、通訳案内士の登録数は約1万6000人位ではないでしょうか。その内英語が1万1200人、中国語が1600人、韓国語が約600人となり、訪日客数と通訳案内士の数がアンバランスになっております。特にアンバランスになっている中国語と韓国語は、現地からの添乗員がガイドを兼ねて来日して、日本の通訳ガイド市場を業務独占しておりました。来日人数が増え、本国からネイティブが添乗で来日すると、特に日本人通訳案内士はネイティブと語学面で勝負しなければなりませんし、中国・台湾出身の通訳案内士は中国・台湾の基準で採用される傾向があります。つまり中国語や韓国語は、本国からのライセンスを持たないネイティブとの戦いを強いられているのです。
この世界は以前からグローバルなアンダーグラウンドの連中が闇ガイドをやってきましたので、彼らとの引合い受注競争も存在します。また、もう一つの問題は英語ガイドの供給過多問題なのです。苦労して通訳ガイド専門学校に何年も通って、いざ合格をしたけど、登録した旅行社から依頼が全く来ない通訳ガイドは少なくありません。英語市場は日本人のガイド同志熾烈な需要獲得競争をしているのが現状なのです。その反面フランスやスペイン語、タイ語等は希少価値でかなり多忙と聞いております。狙うならば希少言語、外大受験で難しくない学科(英語や中国語以外)が仕事受注の競争率が高いのです。
◆筆者プロフィール:水谷 浩(仁宣)
現役通訳案内士(中国語)の他、各種通訳と翻訳、講演と執筆、訪日外客コンサルとビジネスマッチング(日本と海外)を展開する。4代に渡る中国と台湾に関わりを持つ日本人の家系に生まれ育つ。北京大学留学後、第2次産業に長く勤務し、攻めの営業と企画で挑戦するという信条の基、新市場への新商品の開発・展開を得意としてきた。現在は訪日外客ビジネスを一大新成長産業に育成することに執念を燃やす。語学・旅行等の資格・スキルとIT技術の駆使で関連業界の垂直統合戦略による需要獲得を目指している。銀聯カード決済関連会社のサイトで、中国・中華市場向け中国語旅行ブログ“中日導游游日記”を長期連載している。
国家資格:通訳案内士(中国語)、国内・総合旅行業務取扱管理者、国内・総合旅程管理主任
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