中国のスターが火鍋店を次々オープンする理由は何?―中国メディア

人民網日本語版    2020年9月13日(日) 19時0分

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エンターテインメント界のスターが、優れた役者から制作サイドに移行するのは珍しいことではなくなった。そして今、業界の枠を超えてビジネスマンになり、実体あるビジネスの世界に足を踏み入れるスターが大勢いる。

エンターテインメント界のスターが、優れた役者から制作サイドに移行するのは珍しいことではなくなった。そして今、業界の枠を超えてビジネスマンになり、実体あるビジネスの世界に足を踏み入れるスターが大勢いる。その多くは外食産業を選択し、さらに具体的に言えば火鍋レストランの経営に乗り出すことだ。中国新聞網が伝えた。

スターが副業として火鍋店をオープンするのはなぜか。業界団体の中国飯店協会が発表した「2018年中国外食産業年次データ報告」によると、火鍋産業の場合、1平方メートルあたりの売上高は2万6300元(約40万7650円)に上り、ファストフード業の2万5000元(約38万7500円)、昼食・晩餐の1万200元(約15万8100円)を大幅に上回る。純利益率は11.8%で、これもファストフードと昼食・晩餐を大きく上回る。

同協会が発表した「2019年中国外食産業年次報告」では、18年度の外食産業の収入は4兆2716億元(約66兆2098億円)で前年同期比9.5%増加した。市場ニーズの増加と拡大の可能性のため、火鍋は高い標準化を達成した独自のビジネスモデルで、細分化する外食産業の中で重要な品目になった。統計をみると、18年の火鍋市場の総売上は8757億元(約13兆5733億5000万円)に上り、14年に比べて増加幅は52%を超えた。19年の売上高は9600億元(約14兆8800億円)に達する見込みという。

企業データを提供する天眼査のデータニュース実験室によると、「スターの手がける外食企業のうち、関連企業の登録資本金が100万元(約1550万円)以内のところが54%に上る。地域分布をみると、半数以上の企業の登録住所が北京になっている。登録した年をみると、15-17年がスターの外食企業開設が最も集中していた期間で、17年だけで約13社が登録された。

中国食品産業のアナリスト朱丹蓬(ジュウ・ダンフォン)氏は、「スターが相次いで外食産業に足を踏み入れるのは、その背後にあるファン経済と深い関係がある。株式市場や不動産などの投資ルートに比べ、火鍋店の開設は参入のハードルが低く、成功しやすいことが、スターがレストランへの投資に熱を上げる重要な原因だ。スターの輝きを背に受けて、スターが経営するレストランは確かにオープン当初はかなりのにぎわいを見せる」と述べた。

食品の全産業チェーンの発起人で、上海匠思企業管理有限公司の余知学(ユー・ジーシュエ)社長は、「スターが火鍋店に投資することの最大の優位性は経営コストの低さにあり、またファン心理を利用して来店者を呼び込めるところにある。他の特色あるレストランに比べ、火鍋店ではプロの料理人の人件費をカットすることができる。一般的に言って、レストランで中心になるのは『シェフ』であり、規模の大きなレストランには数人から時には10数人もの料理人がおり、店の評判は料理人の腕前による部分が大きく、料理人の人件費は往々にして相当の金額になる。一方、火鍋の調達プロセスは標準化された手順を踏めばよく、独自の調達にかかる費用というものはない。火鍋店の経営モデルは相対的にシンプルで、(ビジネスに不慣れな)スターの弱点をある程度補ってくれる」と述べた。

注目されるのは、スターがレストランを開設するのは簡単だが、続けるのは難しいということだ。天眼査のデータによると、現在、スターの外食企業約10社が登録を取り消したか取り消されている。また、天眼査専門版のリスクデータをみると、スターの外食企業の30%以上が正常でない経営を行っていたことがあり、関連企業が行政処分を受けたことがあるというところも10%を超えている。

朱氏は、「スターのレストラン経営は、通常は消費サイドにおいてであり、一部のスターは店舗を経営したり管理に力を入れたりした経験が皆無で、オーナーでありながら何もせず、プロのチームに任せきりにしている。すると(スターと)プロチームの利益関係がはっきりせず、トップレベルデザインに問題が生じやすくなる。スターの輝きが失われてくると、なんとかしてブランドを維持し発展を続けなければならず、そのためにはフロントエンドとバックエンドをどうやって次世代のニーズに合わせるかを考えなければならなくなる。品質はフロントエンドであり、ブランドはバックエンドであり、サービスシステムは総合力だ。品質、ブランドからサービスシステムまで、1つでも欠けてはならない」と述べた。

余氏も、「外食産業とエンターテインメント産業は全く違う2つの産業であり、火鍋店を開くにはやはり外食に関する管理の経験が必要だ」との見方を示した。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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