<驚くべきインバウンド後進国ニッポンの現状>中心市街地活性化法改正案の懸念と思われる点について

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中心市街地活性化法改正案は2月12日現在、一部マスコミや通訳案内士団体関係者より懸念が伝えられております。写真は奈良公園の桜。奈良公園では通訳案内士の数が足りているにもかかわらず、即席通訳案内士(総合特区通訳案内士)導入計画が進んでいる。

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中心市街地活性化法改正案は2月12日現在、その内容は経済産業省の担当部局以外解っておりませんが、一部マスコミや通訳案内士団体関係者より懸念が伝えられております。この法案の骨子は、空洞化する都市市街地を活性化する目的で改正され施行されると聞いております。その中に2020年の東京オリンピックまでに地域的偏重のある通訳案内士を満遍なく全国に配置するために、特例通訳案内士を新設するというものであり、各自治体が簡単な研修を行って特定地域限定で通訳案内業務をできるようにして「おもてなし効果を全国に広める」ことを目的とする法案と報道されておりました。

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この法案の報道を聞いて、一番最初に思い起こしたことは小泉内閣当時のタクシーの量的規制緩和策でした。バブル経済当時、タクシーの総量は制限されて東京・大阪等大都市やその近郊都市では、タクシーが極度に不足して深夜に何時間も長蛇の列を作っておりました。タクシーの不足対策は早急には実施されず、小泉内閣の時になって一気に大量の規制緩和となったのです。その結果、生活保護レベル以下に年収が落ちるドライバーが続出し、500円タクシー問題で業界内では対立が先鋭化しております。同じ事が今度は通訳案内士の業界で起きないでしょうか? 当然、法案が通ればボランティアや無資格外国人が大量に自治体の研修を受けて特例通訳案内士として登場し、市場のパイが拡大継続しなければ、既存の通訳案内士と血で血を洗う戦いになると予想されます。

しかし外国人訪問客が大幅増加して市場が増え1000万人が倍になるので、歯車もうまく回り、双方戦争にはならないという意見もあるでしょう。先のタクシー業界を例に取るまでもなく、市場予測はあくまで予測なのです。何事も事業計画時には最悪のケースも考慮するのが基本です。最近増加する天災、疾病(鳥インフルエンザ等)、原発の放射能事故や他国との軍事的バランスが崩れた時には、2011年を思い出すまでもなく極東から訪日旅行客は一目散にいなくなる可能性があります。事件の後何年間は通訳案内士と特例通訳案内士が限られたパイを巡って毎日地獄の戦いを繰り広げる。その結果、双方累々たる屍の山を築き、長い間根深い対立と役所への恨みが残る。市街地を活性化しなければならない法律で、通訳案内士の業界は疲弊市街地や限界農村集落と同様になる可能性があります。次の世代が育たない不毛地帯になるのです。

このような事を防ぐために通訳案内士の業界では、2つの提言をしております。

1.少なくとも国家資格の通訳案内士が不足していない自治体は許可しない。

2.すでに通訳案内士の名称が3種類の異なるレベル(国家資格・地域限定・総合特区)で使われているので、同じ名称を使用しない。

経済産業省の目玉政策が東京オリンピックの花火で終わらないように希望致します。



   

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