トランプ政権の関税も新型コロナも中国の輸出を止められない―米メディア

Record China    2020年9月6日(日) 17時10分

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米紙ニューヨーク・タイムズは8月31日付で、「トランプの関税?コロナウイルス?中国の輸出は急増している」とする記事を掲載した。写真は上海洋山港。

米紙ニューヨーク・タイムズは8月31日付で、「トランプの関税?コロナウイルス?中国の輸出は急増している」とする記事を掲載した。中国共産党系の環球時報(電子版)が9月2日、その内容を要約して次のように伝えている。

今年は中国の「輸出マシーン」が失速するとみられていた。米国による追加関税、日仏などの企業の撤退、コロナウイルスの感染拡大による工場の生産停止。だが中国企業は勢いを取り戻している。中国で工場の生産が再開されると、輸出の勢いは増している。中国は今夏、世界市場の大きなシェアを他の製造国から奪い、世界がパンデミックから回復しはじめた後も長く続く可能性のある貿易の支配を定着させている。

トランプ政権も新型コロナも中国の輸出マシーンの勢いを止めることはできない。その回復力は、低コストで熟練した労働力と効率的なインフラだけでなく国営の銀行システムにも依っている。パンデミックは、中国が他の輸出国よりも有利な立場にあることを浮き彫りにしている。防護用品から家電まで世界中の医療機関や家庭に今必要なものを製造している。一方で、ボーイングやエアバスのジェット機など、米国や欧州から輸出される多くの高額商品の需要は衰退している。世界中の人々が、コンピュータースクリーンやステレオシステム、電動工具、家庭用サウナなどを購入し、ステイホーム環境を作り上げている。その多くが中国製だ。

南部の広州市内にある家具メーカーの宏遠は、今年の家庭用サウナの輸出注文が2倍以上に増えたため、50人の労働者を追加雇用した。

中山市内にあるTrueanalog社は、ステレオスピーカーの生産を米国からコストがより低くなるベトナムに移す可能性を排除している。蛍光灯の下の長いテーブルに並んだ労働者が、米国のレコーディングスタジオ向けのオーディオスピーカーを細心の注意を払って組み立てている。米国人オーナーのPhilip Richardson氏によると、中国には、スピーカーを作るために必要な部品の最大のサプライチェーンがあり、中国には最も安定して手頃な労働力があるという。

中国は、数百都市を結ぶ高速鉄道網を構築している。労働力が豊富で、長時間労働の文化もある。

確かに、一部の国の政府が企業にサプライチェーンの一部を別の場所に移すよう求めるなど、中国の製造業の優位性は地政学的な変化によって損なわれる可能性がある。

しかし、パンデミックは多くの飛行を妨げ、物流を遅らせたため、工場を他の国に移動させる試みから中国を守ってきた。グローバルな需要が鈍化したため、多くの多国籍企業が投資を削減している。

広東省の靴の製造および輸出のスペシャリストであるRobert Gwynne氏は、「米国やその他の国で中国と競争するための力を復活させることは、手早く簡単なことではない」と指摘している。(翻訳・編集/柳川)

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