日韓GSOMIA、何事もなかったかのように延長、「対立の小康局面しばらく続く」と韓国紙

Record China    2020年8月28日(金) 9時40分

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昨年破棄の危機を迎えた日韓GSOMIAが24日、何事もなかったかのように延長された。韓国紙は「韓日対立の小康局面がしばらく続くのでは」と報じた。写真は韓国国防部FBより。

1年前、日本と韓国の対立が深刻化する中、破棄の危機を迎えた日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)が24日、何事もなかったかのように延長された。韓国の外交当局者は「GSOMIAと関連して特に立場を示すことはない」と言明。韓国紙は「韓日対立の小康局面がしばらく続くのでは」と報じた。

2016年11月23日に締結された日韓GSOMIAは1年ごとに自動更新されることになっており、終了させる場合は更新期限の90日前(8月24日)までに相手国へ通告する。日本政府による半導体材料などの輸出管理に反発した韓国政府は昨年8月23日、破棄を通告した。

これに強く反応したのが米国。「破棄は中国や北朝鮮を利するだけ」などと見直しを求め、エスパー国防長官のほか、米統合参謀本部のミリー議長、スティルウェル国務次官補(東アジア・太平洋担当)らが相次いで訪韓したほか、米上院もGSOMIAの重要性を訴える決議案を可決した。

米国の圧力の前に文在寅政権は方針転換。昨年11月23日午前0時の失効期限の6時間前に急転直下、継続となった。韓国の最大かつ唯一の同盟国が文政権をねじ伏せた形だった。

GSOMIAについて、東亜日報は「政府は昨年8月、日本に協定破棄を通告した後、11月に決定を『猶予』した状況なので、90日前に破棄の有無を明らかにする必要はないという立場だ」と解説。「韓国政府は協定破棄カードを最悪の場合に備えて残し、破棄猶予の状況を続けてひとまず協定を維持する方針だ」と伝えた。

今後の見通しに関して同紙は「(韓国政府は)協定破棄カードを当分収め、韓日対立の小康局面がしばらく続くという観測が流れている」と報道。外交当局者は「発射して飛んで行く矢(協定破棄通告)をつかんでいる状況」と説明したという。

中央日報は「GSOMIAが有効な外交的カードなのかについては韓国内部でも意見が分かれている」と指摘。「韓国政府が昨年、自信ありげに終了を宣言して『破棄する場合、米日韓3カ国の安保協力からの離脱と見なす』という米国の圧迫に勝てず撤回したカードだ。その時、すでにやたらに使うことのできないカードということが明らかになり、相手である日本もその事実をよく分かっている」と続けた。

さらに「政府がそれでもGSOMIAカードを手放せていない理由は、今後日本戦犯企業に対する大法院(最高裁)の財産差し押さえが現実化すれば、予想される日本の追加経済報復に対応する外交的カードとして残しておいたためという見方もある」と言及。その一方で「政府が今講じるべきなのは、世論から支持を得ると同時に米国も意識するGSOMIA外交術でなく、日本の経済報復に実効的に対応できる第三のカードを探ることだ」と訴えた。(編集/日向)

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