中国企業によるパイオニア・マイクロ・テクノロジーの買収が承認―中国メディア

人民網日本語版    2020年8月25日(火) 18時30分

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深セン市英唐智能控制股フン有限公司はインタラクティブプラットフォームにおいて、日本政府の承認を受けて、日本企業のパイオニア・マイクロ・テクノロジー株式会社を買収することが24日、分かった。資料写真。

深セン市英唐智能控制股フン有限公司(フンはにんべんに分)はインタラクティブプラットフォームにおいて、日本政府の承認を受けて、日本企業のパイオニア・マイクロ・テクノロジー株式会社を買収することが24日、分かった。マイクロ・テクノロジーの手がける生産設備には、自社生産の露光機が含まれる。北京日報が伝えた。

英唐智控は今年3月に公告を発表し、その持ち株会社が30億円で日本のパイオニアグループに所属するパイオニア・マイクロ・テクノロジーの株式を100%買収することを明らかにした。

公開された資料によると、日本のパイオニアグループは1938年に発足し、かつては世界のDVD、レーザーヘッド、光ディスクの製造分野の大手企業だった。傘下のマイクロ・テクノロジーの業務範囲にはチップの製造とテストなどが含まれる。

中国科学技術部中国科学技術情報研究所の新材料専門家は、「チップ産業には主にハイエンドのデジタルチップとミドル・ローエンドのアナログチップの2種類がある。現在最もハイレベルのデジタルチップには主に華為(ファーウェイ)やクアルコムなどが設計した回路線幅7ナノメートル(nm、1ナノは10億分の1メートル)の携帯電話用チップ、その他のコンピューター用チップなどがある。一方で、アナログチップは数百ナノメートルの範囲にとどまり、主に自動車、鉄道交通、電力、その他の工業分野などで応用されている」と述べた。

露光機はチップを量産するために欠かせない生産設備で、品利基金の半導体投資マネージャーの陳啓(チェン・チー)さんによると、「チップ分野の国際的な露光機大手には主にオランダのASML、日本のニコンとキヤノンがあり、中国国内では上海微電子装備有限公司、中国科学院、武漢光電国家研究センターなどが主な代表だ」という。

実際、台湾積体電路製造(TSMC)、サムスン、インテルなどのチップメーカーの露光機はすべてASML製で、世界で約90%のシェアを占め、日本のニコンとキヤノンのシェアは小さい。

現在、ASMLの露光機1セットの販売価格は約10億元(約150億円)にもなる。

業界での見方によると、露光機によるチップ製造はミクロの世界で家を建てるようなものだ。露光機には数万点の精密な部品、数百台のアクチュエータとセンサーからなり、千万本単位のコードがその極めて複雑な思考システムであり、さらには内部の運動誤差は髪の毛の千分の1以下だという。

2人の専門家がそろって、「一方で、日本のパイオニア自身、世界の露光機技術の先駆者ではないし、また一方で、英唐智控も中国国内の先端技術大手とはいえない。今回の買収では中国企業のチップ業務発展の努力すべき方向が示されはしたが、見通しについてはさらに様子を見る必要がある」との見方を示した。

現在、ASMLも1社だけで露光機を製造することはできない。露光機は世界最先端の技術が集結し、米国、日本、ドイツの数多くの関連技術を含み、「人類の知恵を結集した製品」などと呼ばれる。業界での見方によると、中国が露光機の国産化を本当に実現し、海外製品と肩を並べるようになるには、まだ10年以上かかるかもしれないという。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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