「光にふれる」台湾青春映画の佳作、盲目の音楽青年とダンサーの卵=音と光で広がる世界

Record China    2014年2月6日(木) 15時20分

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6日、盲目の青年ピアニストとダンサーを夢見る少女の交流を描いた「光にふれる」が8日公開される。作品写真:(C)2012 Block 2 Pictures Inc.All rights reserved.

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2014年2月6日、盲目の青年ピアニストとダンサーを夢見る少女の交流を描いた「光にふれる」が8日公開される。実在の台湾人ピアニスト、ホアン・ユィシアン(黄裕翔)が、自身の半生を自ら演じた青春映画だ。

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生まれつき目が見えないユィシアン。台湾中部・台中の田舎町で、花き栽培に携わる両親、幼い妹と暮らしていた。小さいころから耳が良く、ピアノの才能も抜群。台北の音楽大学進学が決まり、一人暮らしを始めることが決まった。

一方、台北ではシャオジエ(サンドリーナ・ピンナ=張榕容)が、バイトをしながらダンサーへの夢を膨らませていた。しかし、母からは反対され、恋人ともうまくいかない。いつしか踊りからも離れるようになってしまう。何もかもうまくいかず、不安につぶされそうな毎日だった。

大学の寮に入ったユィシアンは、ルームメイトら仲間たちに支えられ、新生活をスタートさせる。サークル活動も始め、人間関係も徐々に広がっていく。そんなある日。車の多い交差点を渡っていたユィシアンを、通りかかったシャオジエが助ける。

目の見えないユィシアンに「車は怖くない?」と聞くシャオジエ。「それでも自分を試したい」と答えるユィシアン。逆に「実現できない夢はある?」と問い返すと、シャオジエは思わず「ダンスがしたい。踊っている時は、生きている実感がある」と打ち明ける。

まったく共通点のなかった二人。その日を境に徐々に距離を縮めていく。音楽とダンス。目指す先は違っても、思い描く夢は同じだ。二人は自分と向き合い、未来へ新たな一歩を踏み出す──。

監督は今回が初長編のチャン・ロンジー(張栄吉)。本作のもとになった短編がウォン・カーウァイ(王家衛)監督の目に止まり、企画がスタートした。ユィシアンはプロのピアニスト。来日コンサートも開くなど幅広く活動している。

ユィシアンの母にベテラン女優リー・リエ(李烈)、ダンス講師役で台湾を代表するダンサーの一人、ファンイー・シュウ(許芳宜)が出演。シャオジエ役のピンナは4カ月のダンス・レッスンを受けて撮影に臨んだという。

若い二人が困難を乗り越え、芸術の夢へ歩き出す。ピアノの音色とダンスの躍動感が、若さをそのまま体現している。台湾の美しい風景、みずみずしい映像も手伝い、後味爽やかで心洗われる。台北映画祭釜山国際映画祭などで観客賞を受賞した。(文/遠海安)

「光にふれる」(2012年、台湾・香港・中国)

監督:チャン・ロンジー(張栄吉)

出演:ホアン・ユィシアン(黄裕翔)、サンドリーナ・ピンナ(張榕容)、リー・リエ(李烈)、ファンイー・シュウ(許芳宜)

2014年2月8日(土)、ヒューマントラストシネマ有楽町、シネマート新宿ほかで全国公開。

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