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尊敬すべき通訳ガイド職人の話をすると、我々の大先輩に最年長の英語ガイドで、ラスト・サムライと呼ばれるジョー岡田さんがおられます。
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尊敬すべき通訳ガイド職人の話をすると、我々の大先輩に最年長の英語ガイドで、ラスト・サムライと呼ばれるジョー岡田さんがおられます。御年85歳、現役の通訳案内士として京都市内を侍姿で帯刀してウォーキング・ツアーをしておられます。京都の観光おもてなし大使74名の1人です。「日本最強の後期高齢者ではないか」と申しましたところ、上には上がおられるようでした。
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お話を伺うと、高度成長末期時代の闇ガイド(ノーライセンスガイド)はすべて日本人だったそうです。今は外国人が席巻する闇ガイドの世界も昔は日本人がいたのです。その闇ガイド達が目指したのが通訳案内士、憧れの資格であったようです。バブル時代、低成長時代を経て21世紀になり、日本のインバウンドの中心は徐々には欧米客から中華圏を中心とするアジアの外客へ移ってゆきました。
今後訪日外国人市場は、アジアを筆頭に個人客が中心となり再び世界各国から大増加する可能性は十分あると思われます。その時、再びジョーさんのような特長のある通訳案内士がこの業界のキーマンになり、大いに脚光を浴びることを期待致します。それにしてもこの職業がなぜあまりテレビのドラマなどに採用されないのかが不思議です。通学の高校生の会話を電車で聞いているとドラマは医者か刑事や弁護士ばかりだなんて話をしておりました。時代のトレンドがその3つの職業に代表されているのではと思うのも無理ありません。そう言えば通訳ガイドの多くは各種通訳とよく兼業をしております。病院へ行って医療通訳業務をする、警察で取り調べの通訳をする、法廷で弁護士や検事、裁判官の通訳をする。3種類ともすべて経験しました。法廷で通訳する時は堺雅人さんの顔が浮かびました。病院では医者を代理、警察では刑事の代理、法廷では法曹人の代理をして通訳する、これは俳優がテレビの収録をするのでは無く、すべて本物を地で行っているのです。俳優が演じているのではありません。実際医者と患者がいて、取調官と容疑者がいて、裁判官と原告被告がいるのです。
これらの他にもこの仕事には、観光通訳という日本の事象を外国に伝える仕事があります。これこそ日本の良さを世界にアピールする仕事なのです。俳優出身の通訳ガイドもおられますよ。これはまさに時代の先端を行っているのではと思うこともあります。一見地味ですが、光るものがあるのです。これが通訳案内士とその関連業務なのです。すべての通訳案内士が見えない言葉の刀を持っております。それから言えばジョー岡田さんは2刀流でしょう。刀でリンゴを切って、言葉で客の心にある日本に対する興味を切り出しております。
◆筆者プロフィール:水谷 浩(仁宣)
現役通訳案内士(中国語)の他、各種通訳と翻訳、講演と執筆、訪日外客コンサルとビジネスマッチング(日本と海外)を展開する。4代に渡る中国と台湾に関わりを持つ日本人の家系に生まれ育つ。北京大学留学後、第2次産業に長く勤務し、攻めの営業と企画で挑戦するという信条の基、新市場への新商品の開発・展開を得意としてきた。現在は訪日外客ビジネスを一大新成長産業に育成することに執念を燃やす。語学・旅行等の資格・スキルとIT技術の駆使で関連業界の垂直統合戦略による需要獲得を目指している。銀聯カード決済関連会社のサイトで、中国・中華市場向け中国語旅行ブログ“中日導游游日記”を長期連載している。
国家資格:通訳案内士(中国語)、国内・総合旅行業務取扱管理者、国内・総合旅程管理主任
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