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2012年の訪日外客数を見ると訪日835万人の内638万人がアジアからのお客様で、実に76%がアジアからのお客様なのです。残りがいわゆる英語圏からのお客様です。写真は世界遺産熊野古道の桜を撮る訪日外国人客。
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2012年の訪日外客数を見ると訪日835万人の内638万人がアジアからのお客様で、実に76%がアジアからのお客様なのです。残りがいわゆる英語圏からのお客様です。アジアの中でもイスラエルとインド、マレーシアやシンガポールのイスラム圏は英語を使いますが、20-30万人程度です。つまり英語圏のお客様227万人、一方、中国語圏は350万人程にのぼります。現状は中国語の方が英語よりも多いのですね。つまり中国語はすでに国際語のひとつになっているのが現状でしょう。ハングル語についても200万人以上の訪問者があるので同様と思われます。私は時の政府間の対立は、グローバル化するアジアとは別と思います。インバウンドのキーマンを説明する前にこの数字の現状認識をお願い致します。
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インバウンドのキーマンは誰でしょうか?日本人と外国人の間に会話が自然にスムーズにでき、日本の事象を外国に紹介できる職業です。この言葉のプロを通訳案内士(通訳ガイド)と言います。江戸時代は通士と言って先祖代々武家の家柄で李氏朝鮮の通信使通信や中国の清朝、オランダとの外交、交易の通訳をやっておりました。どうやら私も先祖はその流れだったようです。現在、通訳案内士は国家資格であり、その難易度は国家資格の内でも難関の部類に入ります。医学部の目指す頂点の国家資格試験が医師試験、法学部が司法試験、経営学部が会計士試験と税理士試験、外国語学部が通訳案内士試験なのです。所謂、一応士業に所属します。また、多くのVIP客と接する為、民間外交官とも呼ばれます。
この職業は一体何なのでしょうか?通訳案内士のイメージを周囲の業界の方々に語って貰ったところ、多いのが魔法使い、ひどいのはX-MENなんてものもありました。俺たちはミュータントじゃないと言いたいのですが、外国語が解らない方には、現場で一瞬の間に両国間の緊張を解いてしまう匠の技を見て、魔法使いやミュータントに見えても仕方ありません。言葉の魔法を操ることは確かです。言葉の魔法を使う職人というべきでしょう。職人なので職人魂があり、仕事内容に関して頑固なのです。やさしい顔をされた女の方でも職人気質があり頑固ですよ。余談ですが、職人と言えば昔土木機械を売っていた時、下手な職人がいて、いくら指導しても新型機を使いこなせない。「下手ですね」と言ったら恨みを買いました。実際、下手な職人はどの世界にもいますが、職人は頑固で融通が利かない人もおります。通訳ガイドは職人であることを意識してほしいのです。通訳の中でも職人気質が強い部類に入ります。
◆筆者プロフィール:水谷 浩(仁宣)
現役通訳案内士(中国語)の他、各種通訳と翻訳、講演と執筆、訪日外客コンサルとビジネスマッチング(日本と海外)を展開する。4代に渡る中国と台湾に関わりを持つ日本人の家系に生まれ育つ。北京大学留学後、第2次産業に長く勤務し、攻めの営業と企画で挑戦するという信条の基、新市場への新商品の開発・展開を得意としてきた。現在は訪日外客ビジネスを一大新成長産業に育成することに執念を燃やす。語学・旅行等の資格・スキルとIT技術の駆使で関連業界の垂直統合戦略による需要獲得を目指している。銀聯カード決済関連会社のサイトで、中国・中華市場向け中国語旅行ブログ“中日導游游日記”を長期連載している。
国家資格:通訳案内士(中国語)、国内・総合旅行業務取扱管理者、国内・総合旅程管理主任
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