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旧正月、あけまして、おめでとうございます。この時期、台湾の街で、よく聞かれるのは、“たくさんお金がもらえるように”と近い意味の“恭喜發財(きょうきはつざい)”というお祝いの言葉です。
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旧正月、あけまして、おめでとうございます。
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この時期、台湾の街で、よく聞かれるのは、“たくさんお金がもらえるように”と近い意味の“恭喜發財(きょうきはつざい)”というお祝いの言葉です。西洋人や日本人の節句の言葉の中には、あまりこんなものはありませんね。
お金がそんなに好きじゃない人間はいないでしょ、と考えていた私。ずっと小さい時から教育ママにちゃんと勉強しなさいと言われて、それは何のためか、よく分かっていました。成績が良ければ、いい学校に入れて、社会的にレベルの高い役職にも就け、他の人より多くのお金がもらえます。なので、世界中、どこの人もお金については、同じ観念をもっているだろうと思っていました。
ただ、社会人になって10年経ったある日、4カ月間勉強していたフランス語教室のフランス人女性の先生は、学生の皆に今一番ほしいのはどんなものかと質問しました。一番目の学生がすぐにお金だと言ったところ、先生は嫌な顔をしました。先生はちょっと怒ったようで、「またお金ですか。お金以外のものを言ってください」と指摘しました。私も同じ答えを用意していたので、先生の不快な反応を見て驚き、急いで別の答えを探しましたが、見つかりませんでした。そのときに初めて、誰もが一番にお金が好きなわけではないということを知りました。
以前、社員旅行で日本に行きました。夕方ごろ、妹とお土産を売っている小さな店に入ろうとしましたが、日本人のお爺さんのオーナーは、両腕を十字にして、“Close,Close”と何回も私と妹に言いました。この世に、お客さんのお金をもらいたくないオーナーがいるのか、と私と妹は信じられなかったです。
確か、日本人が書いた本の中に、こういうメッセージがありました。どの地域のドラマも必ず、地元の一番重視されているものを語ります。著者は、台湾のドラマは財産や遺産を奪うこととか、それを争うことなどが語られているとその本に書いてありました。このコメントを読んだあと、好奇心のために、日本のドラマと台湾のドラマのテーマを観察して、比べ始めました。すると、日本のドラマがよく写していたのは、日本人の負けたくないという誇りと自らを励ます姿ですが、台湾のドラマでは確かに財産や遺産を巡っているシーンが必ず重要部分として含まれています。
神様へのお祈りも違います。キリスト教の教会へ行ったことがありますが、教会でのお祈りの時に“たくさんお金がほしい”といったお願いは絶対言いません。しかし地元の台湾のお寺へ行けば、“たくさんお金がもらえるように”との願いを、決して忘れずにしますね。
最近また日本語教室の授業をしている先生に、台湾人はお金が好きだと言われました。驚きました。台湾人の私たちは、どうしてこんなにお金を重視しているのでしょうか。あるいは、どうして私たちはこんなにお金好きのように見えるのでしょうか。お金が好きと言われたら、あまりいい印象ではないので、ちょっと気になりますね。
年を重ねるにつれて、お金は人生にとって不可欠なものですが、一番に重要なものではないと分かってきましたが、やはり旧正月のとき、台湾人が一番聞きたいのは相変わらず“恭喜發財”というお祝いです。このようにお祝いをされると、お金持ちになれるような気がします。特に現在、不況で落ち込んでいる台湾人にとって、“たくさんお金がもらえるように”といった願いを神様が許してくれれば、台湾人の皆は、ありがたく感じますね。
【プロフィール】
■筆者プロフィール:李敏恵
1964年生まれ、台湾台北市の出身。台湾大学法律学科を卒業後、アメリカへ留学。現在は、台湾で個人の総合法律事務所を構え、弁護士をしている。民法、商法、刑法案件など全般的に扱うが、個人的に一番興味があるのは、刑事弁護。
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