中国軍機、東シナ海で自衛隊機にスクランブル、解放軍報記事に「ウソ出撃」疑惑

Record China    2014年2月4日(火) 0時45分

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1日、中国人民解放軍機関紙・解放軍報が東海艦隊所属の戦闘機が1月31日の旧正月当日にスクランブルをかけたと報じた。

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2013年2月1日、中国人民解放軍機関紙・解放軍報が東海艦隊所属の戦闘機が1月31日の旧正月当日にスクランブルをかけたと報じた。

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スクランブルの対象について解放軍報記事は触れていない。日本の小野寺五典防衛相はこの問題について「特異的な事例として報告、発表する内容は特にない」とコメントしているが、中国のタカ派コラムニスト、羅刹援(ルゥオ・シャーユエン)退役少将がスクランブルの対象は「日本の戦闘機」だったと発言。旧正月に挑発してくるとは許しがたいと日本を批判している。

そもそもスクランブルなど毎回発表されていないだけでよくあることのはず。そんなに気にする話ではない。わざわざ解放軍報が記事にしたことがニュースバリューだろうか(一面とはいえ小さな囲み記事だが)。

もっともこの話には別の楽しみ方もある。香港アップルデイリーによると、中国ネット民は「たんなる仕事しているアピールのウソ出撃でしょ」と鋭く指摘しているのだ。

■鷹は二度舞い上がる

問題の記事は「雄鷹緊急出撃巡航海天」(雄鷹の緊急出撃、海上空を巡回)というなんとも勇ましいもの。

--爆竹の音が聞こえ旧正月気分漂う基地に突如なり出した警報。号令一下、走り出すパイロットたち。アフターバーナーをふかして離陸する戦闘機。不明機を発見し、雷のようにまっしぐらに突き進む戦闘機…。

なぜこのやたらカッコイイ記事がウソ出撃ではないかと疑惑がかかっているかというと、去年の旧正月にもほとんど似たような記事が出ているからだ。

それが「戦鷹展翅護海天」(戦鷹は翼を広げ海上空を守る、2013年2月11日)だ。

--寒気と霧の中、基地の電話が突然鳴り出す。出動要請だ。号令一下、走り出すパイロットたち。アフターバーナーをふかして離陸する戦闘機。不明機を発見した戦闘機。智慧と勇気の駆け引きの末、相手は引き返していった…。

とほとんど同じ内容。毎年旧正月に東海艦隊の管轄海域に新年のあいさつのためやってくる不明機がいるのか、それとも誰も仕事したくない旧正月向けのストック記事として毎年似たような記事を用意しているのか。2本の記事を並べると、定番の「旧正月休みでもがんばって働くおじさんたち」の一環のように見える。断言はできないものの、中国ネット民の疑いももっともというところか。

◆筆者プロフィール:高口康太(たかぐち・こうた)

翻訳家、ライター。豊富な中国経験を活かし、海外の視点ではなく中国の論理を理解した上でその問題点を浮き上がらせることに定評がある。独自の切り口で中国と新興国を読むニュースサイト「KINBRICKS NOW」を運営。

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