日本の抱える「新たな貧困」問題―中国メディア

人民網日本語版    2020年8月12日(水) 5時20分

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中国メディアが「日本の抱える『新たな貧困』問題」と題した記事を掲載した。写真は瓶のリサイクル。

東京都荒川区某所に、血縁関係のない貧しい一家が住んでいる。一家の収入源は「おばあちゃん」の亡き夫の年金、「夫婦」と「父子」の万引きによる所得だ。両親に虐待されている少女と出会うが、彼女をこっそりと引き取って育てることを選ぶ。これは2018年にカンヌ国際映画祭でパルム・ドールを獲得した日本映画『万引き家族』のプロットで、実際にあった事件を基にしている。監督の是枝裕和氏は日本の貧困層に何度もレンズを向けてきた。(半月談)

■世界3位の経済大国で「新たな貧困」が表面化

アジアで最も早く先進国入りした日本は現在世界3位の経済大国だが、近年新たな貧困という大きな問題を抱えている。

新たな貧困層は都市部在住の高齢者、女性、子供が中心だ。この貧困問題は少子化と高齢化の進行に伴い、社会の発展にとって足枷となる恐れがある。

貧困層の多くが未発展地域や末端の農村部に集中する中国と異なり、日本の新たな貧困層はほとんどが都市部、さらには首都圏に居住している。また、以前は物質的に余裕のある環境に暮らしていた人が少なくない。厚生労働省の統計では、1970年に7%だった65歳以上の高齢者貧困率は1994年には14%に上昇し、2018年には28%へとさらに倍増、2040年には35%に達する見通しだ。

日本経済新聞の編集委員を務めた山形健介氏は取材に対し、「年を取ることと貧困との間に必然的な関係はないが、高齢者は収入や貯蓄が減り、体力的にも弱まり、医療や介護面の支出が増えるため、貧困に陥る可能性が高まる。また、比較的特殊な社会背景もある。現在の日本の高齢者はほとんどが第1次ベビーブーム世代かそれよりも上の世代だ。彼らは日本の高度経済成長期に中核を担った人々で、現役時代には車の購入や買い替え、ゴルフをすることが習慣となっていた人々が少なくなく、定年退職後も高支出習慣を変えることが難しく、年金ではまかないきれなくなっている。不動産価格の高い時期にローンで住宅を購入した、あるいは定年退職近くになって住宅を購入した人々もおり、定年後もなおローンを背負っている。また、青壮年層の大都市集中に伴う老老介護(例えば70歳の高齢者が90歳の両親を介護するなど)の増加も、高齢者が貧困に陥る原因の一つとなっている」と指摘する。

厚生労働省と国際連合児童基金(ユニセフ)の統計によると、日本の子供の相対的貧困率は13.9%となっている。時間軸で見ると、日本の子供の貧困率は1985年の10.9%から2012年には16.3%に上昇した。平均して子供の6人に1人が貧困状態にある計算だ。日本政府は近年、育児支援策を少なからず打ち出しており、子供の貧困率は2015年から多少下がり始めたが、根本的問題はまだ効果的に解決されていない。

子供の貧困の問題には複合的要因もあり、「負の連鎖」が際立っている。例えば、離婚率の大幅な上昇と未婚の出産の増加がシングルペアレント、特にシングルマザーの増加を招いている。しかもシングルマザーは正社員ではなく低収入労働に就いていることが多いため、子供も貧困状態に陥り、教育や健康に影響が生じやすい。

すでに日本の子供の貧困問題は「我慢と努力をさせればなんとかなる」というレベルは超えて、社会の発展を脅かす重大な政治問題、社会問題となっている。子供の貧困は教育水準の低下、労働力の質の低下、犯罪の増加、違法薬物の使用や中毒の増加など社会的コストの増加を招くため、子供の貧困対策は喫緊の課題だ。

貧しい子供がいれば、貧しい母親がいる。日本の新たな貧困層だ。貧しい女性の中には、離婚した母や未婚の母が数多くいる。

■経済が上向く時には、なおさらに将来の社会問題の防止が必要

『調査:貧困女子』の作者は、日本の伝統的な家庭や親戚というセーフティーネットは実は女性が貧困に陥る重大な危険を秘めていることに気づいた。婚姻関係や家庭関係がひとたび破綻すれば、容易に貧困に陥ってしまうのだ。このため現代女性自身が十分に警戒する必要がある。週に最低3日はフルタイムで働き、残りの時間はアルバイト、育児、個人的関心を伸ばすことに柔軟にあて、自活能力を確保する。この提案は男性にも当てはまる。

「女性は育児や介護などの面で労働能力が男性よりも高い。企業が相応の業績・給与評価システムを確立して女性を適切に評価するよう政府は促すべきだ」と専門家は指摘。「企業は業務の種類や地域に基づき柔軟な労働形態を構築すべきでもある」とする。

新たな貧困の問題は、実はすでに20年前には視界に入っていた。日本の人口構成、出生率、平均寿命、年金制度・規模のいずれからも予測できたはずだが、日本は当時効果的な対策を速やかに講じなかった。

山形氏は「日本は1990年までの成功経験から、経済力によって高齢化問題に打ち勝つことができると考え続けてきた。だが実は問題の深刻性を認識しておらず、対策も余りにも遅きに失したと言わざるを得ない」と指摘。「中国も高齢化と離婚率が上昇している。全面的な第2子容認政策を実施しているが、理想的な効果が得られていない。経済が急速に発展している時こそ、経済が減速した時に生じうる様々な社会問題を重視し、研究する必要がある。中国は経済的に発展すると同時に、余力のある時期にこうした問題を真剣に検討してほしい。日本のように手をこまぬいて『貧しく老いた国』になってはならない」と語る。(提供/人民網日本語版・編集/NA)

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