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ファーウェイの孟晩舟CFOの身柄引き渡しは米中対立にどう影響する?

配信日時:2020年8月7日(金) 6時0分
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カナダのラメッティ法相がファーウェイの孟晩舟CFOの米国への身柄引き渡しの要件はすでに成立したと発言した。引き渡しが実施された場合、米中関係にどのような影響が生じるのだろうか。写真は孟晩舟氏。

カナダのラメッティ法相が7月31日になり、華為技術(ファーウェイ)の孟晩舟(モン・ワンジョウ)最高財務責任者(CFO)の米国への身柄引き渡しの要件がすでに成立したと発言したことで、同件を取り巻く状況が改めて緊張の様相を示している。

孟CFOは2018年12月1日、対イラン経済制裁に違反して金融機関を不正操作した容疑で、米国の要請によりカナダで逮捕された。GPS機器による居場所の監視や保釈金支払いなどを条件に身柄の厳格な拘束は比較的短期間で解除された。しかし、カナダのラメッティ法相は現在も同国内にいる孟CFOの容疑について「証拠から明らか」であり、本人も「身柄引き渡し請求に記載されている行為について起訴されるべき人物であることを認めている」として、「身柄引き渡しのための正式な要件は全て成立した」と述べた。

ラメッティ法相の発言により、孟CFOが再び身柄を拘束されて米国に移送される事態が現実味を帯びてきた。

中国と米国の対立はすでに多岐にわたっているが、ファーウェイをめぐる5G通信などの問題は、とりわけ重要だ。さらに、孟CFOの扱いはファーウェイをめぐる問題を「象徴」するとも言える。ファーウェイをめぐる問題については中国政府も厳しい米国批判を繰り返している。

例えば中国外交部の汪文斌(ワン・ウェンビン)報道官は7月30日の定例記者会見で、「米国の一部政治家はファーウェイを排斥するよう他の国々に再三圧力をかけている」と述べ、米国の動きを「露骨な覇権行為」「人種差別」と、厳しい言葉を使って非難した。

ファーウェイをめぐる問題で最も注目されているのは、同社の通信機器に、情報を中国側に流す「バックドア」の機能がつけられているという見方だ。ただし、米国当局は同社製品に「バックドア」が存在する明確な証拠を示していない。

相手が「不当な手法」を用いていると主張しながら、「どのような手法」とみなしているかを明らかにしないのは、不自然とも言える。この点については、「米国側が具体的な状況を明らかにしたのでは、自らの手の内を明らかにするからだ」との見方も出ている。

米国が孟CFOの身柄引き渡しを求め続けている理由としては、「対イラン経済制裁に違反して金融機関を不正操作した容疑」についてだけでなく、ファーウェイについてその他の各種情報を得ることを望んでいるからと考えて間違いないだろう。孟CFOが「米国が求める情報」を握っているかどうかは不明だが、米国は情報を得られると判断しているからこそ、身柄拘束から米国への移送の動きを進めていると考えられる。

中国にとっては、孟CFOの米国への移送は、何としてでも避けたいところだ。たとえ中国側に「やましいところ」がないとしても、中国政府には海外における自国民の安全や権利確保に熱心という特徴がある。例えば2011年にリビアのカダフィ政権が崩壊した際には、船舶、トラック、航空機という「陸海空の輸送手段」を総動員して自国民をリビアから救出した。

中国政府にとってすれば、孟CFOが米国に移送され裁判にかけられれば「自国民の権利が、さらに深刻に侵害された」ということになる。従って対抗手段を打ち出す可能性が高い。そうなれば、米国とその他の西側国家と中国との対立がさらに激化すると考えねばならない。

そうなれば、対中関係に関連して、日本が米国からこれまで以上の圧力を受ける可能性も出てくる。(如月隼人

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