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<直言!日本と世界の未来>ウイルス感染抑止と経済再生の両立への“狭き難路”―立石信雄オムロン元会長

配信日時:2020年7月19日(日) 6時30分
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7月22日から国内旅行の需要喚起策「Go Toトラベル」事業がスタート。東京発着分は除外される。感染の実態を正確に把握したうえで進める必要があろう。写真は石川県・金沢城。

7月22日から国内旅行の需要喚起策「GoToトラベル」事業がスタートする。東京発着分は除外されるが、最近の新型コロナウイルス感染拡大を考えればやむを得ないと思う。経済対策は大切だが、今後も感染の実態を正確に把握したうえで柔軟に進める必要があろう。

この事業は国内旅行費用の半額を、1泊一人2万円を限度に補助するというもの。長引くコロナ禍で訪日外国人や日本人の観光が激減、苦境に陥る旅行業界の支援が必要なのは言うまでもない。観光業界の期待は大きい。感染拡大の防止と社会経済活動の両立をめざすべきである。

都内の歓楽街で増えだした感染は周辺にも広がっている。もともと「GoToトラベル」事業は感染収束後の実施を想定しており、開始を遅らせるべきだとの声も多かった。このまま感染拡大が加速すれば、神奈川、埼玉、千葉など東京の近県も除外するなど再度の見直しが必要になろう。旅館やホテルを別の方法で支援することも検討課題となる。

感染を制御可能な水準に抑え、重症者や死者を極力出さないようにしなければならない。この事業に限らず、経済活動のアクセルとブレーキの上手な使い分けが求められる。

日本でもコロナウイルス感染の大きな波を経験した。この結果、検査の拡大、保健所の人員増強、感染者を病院やホテルに円滑に受け入れる体制の整備などが急務とされた。都内の保健所には、多くの相談が寄せられていると聞く。入院患者も増えだしたようだ。検査で陽性となっても隔離用の宿泊施設がすぐに決まらない人も多いという。

感染防止と経済回復を両立させる政策は重要だが“狭き難路”である。しかし、感染の収束が遅れれば、経済の回復はさらに遠のく。感染状況をきちんと分析し、得られた知見を政策に反映させていくべきである。

緊急経済対策の目玉だったはずの「GO TOキャンペーン」は、問題が発生しを迫られている。支援対象ごとに「トラベル(観光)」「イート(飲食店)」「イベント」「商店街」の4種類ある。「トラベル」は全国一律の実施が見送られ、「イート」も民間委託先選びが延期された。感染者が再び増え始めた中で直面した“苦難”と言えよう。

<直言篇124>

■筆者プロフィール:立石信雄
1959年立石電機販売に入社。1965年立石電機(現オムロン株式会社)取締役。1995年代表取締役会長。2003年相談役。 日本経団連・国際労働委員長、海外事業活動関連協議会(CBCC)会長など歴任。SAM「The Taylor Key Award」受賞。同志社大名誉文化博士。中国・北京大、南開大、上海交通大、復旦大などの顧問教授や顧問を務めている。SAM(日本経営近代化協会)名誉会長。エッセイスト。

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