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南シナ海、「中国の領有権主張は完全に不法」と米国務長官=米中対立は新たな段階に

配信日時:2020年7月18日(土) 11時20分
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ポンペオ米国務長官は中国が南シナ海のほぼ全域で領有権を主張していることについて、「完全に不法」と拒否する声明を発表。翌日に米海軍は南シナ海で「航行の自由」作戦を実施した。写真は南シナ海。

米国のポンペオ国務長官は13日、中国が南シナ海のほぼ全域で領有権を主張していることについて、「完全に不法」と拒否する声明を発表した。米政府が公式に中国の主張を否定するのは異例。翌14日には南シナ海のスプラトリー(中国名・南沙)諸島の周辺海域で「航行の自由」作戦を実施した。

ポンペオ長官は声明で、中国が領有権を争う周辺国に対して威圧したり武力を行使したりしていると指摘し、「南シナ海を自らの海洋帝国として扱うことを世界は許さない」と厳しく非難した。中国が人工島を造成し、滑走路を整備したスプラトリー諸島のミスチーフ礁について「完全にフィリピンの主権・管轄権下にある」と言明し、中国の領有権主張を否定した。ベトナムやマレーシア、インドネシアなどとの係争海域での中国の主張についても「拒否する」と強調した。  

南シナ海問題をめぐっては、オランダ・ハーグの仲裁裁判所は2016年年7月12日、南シナ海のほぼ全域を囲い込む「九段線」の内側に自らの主権が及ぶとする中国の主張に法的根拠がないとする判決を出した。ポンペオ長官はこの判決が「最終的かつ当事国を法的に拘束するものだ」として、中国に受け入れるよう迫った。

声明翌日の14日、米太平洋艦隊は第7艦隊(神奈川県横須賀市)所属のミサイル駆逐艦「ラルフ・ジョンソン」がスプラトリー諸島の周辺海域で「航行の自由」作戦を実施したことを明らかにした。米メディアによると、同艦は中国が人工島を造成し人民解放軍の部隊を常駐させるクアテロン(華陽)礁とファイアリークロス(永暑)礁から12カイリ(約22キロ)内を航行したという。

フィリピンのロレンザーナ国防相は14日、「南シナ海にはルールに基づいた秩序があるべきだという国際社会の認識に強く同意する」との声明を発表。「中国が国際法を順守し、既存の国際協定を尊重することは、地域の安定にとって最善の利益だ」と主張した。

ポンペオ長官委8日にも中国による沖縄県・尖閣諸島(中国名・釣魚島)周辺海域への領海侵入や南シナ海への進出を挙げ、「中国は領土紛争をあおっている。世界はこのいじめを許すべきではない」として、対決姿勢を強めていた。

ポンペオ長官の声明に対し、中国外交部の趙立堅報道官は14日の定例記者会見で「米国は南シナ海で騒ぎを引き起こし、中国と南シナ海の沿岸国を離間させようとしている」と述べ、「強烈な不満と断固とした反対」を表明した。南シナ海は習近平政権にとって台湾やチベットなどと並びどうしても譲れない「核心的利益」。米国が南シナ海問題で旗幟(きし)を鮮明にし、大きく一歩踏み込んだことにより米中対立は新たな段階を迎えた。(編集/日向)

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