中国の独身者2.4億人、お金はどこに使っているか―中国メディア

人民網日本語版    2020年7月18日(土) 0時0分

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中国民政部がこのほど発表した統計データによると、中国には現在、成年の独身者が2億4000万人おり、日本の総人口のほぼ2倍に相当する数字だ。

中国民政部がこのほど発表した統計データによると、中国には現在、成年の独身者が2億4000万人おり、日本の総人口のほぼ2倍に相当する数字だ。このうち7700万人が一人暮らしで、一人暮らしの人は2021年に9200万人に達する見込みという。

独身者が年々増加するのにともない、ますます多くの企業がおひとり様向け商品の革新・製造に注目するようになり、おひとり様経済も徐々に流行語になってきた。

■おひとり様経済の誕生発展

昼の12時、北京三里屯の麺料理レストランでは、1人で食事を楽しんでいる人が大勢いた。1人用のテーブルは、1平方メートル足らずの空間が周囲と関わらなくてもいいように仕切られ、まるで隔離されたような環境の中、多くのおひとり様は安心して気楽に食事を取ることができる。

こんな「1人ごはん」は珍しくない。1人コーヒー、1人午後のお茶、1人朝食、1人火鍋など、おひとり様向け商品が新たなトレンドになりつつある。

実際、新型レストランが登場しただけでなく、従来の外食産業企業や食品メーカーも1人ごはんをする消費者に向けて、よりよい商品やサービスを提供するようになった。1人前の半分の量のメニュー、1人用お重、ミニ火鍋、500グラム入り米、200ミリリットル入り赤ワイン…レストランでの食事から食品デリバリーまで、オフラインからオンラインまで、1人での消費に焦点を当てた外食産業の業態が次々に生まれている。

独身者層のニーズに注目するのは食品・外食業界だけでなく、家電業界も同じくおひとり様経済に焦点を合わせている。天猫(Tmall)の公式データによれば、ハンディ電気ケトル、ミニ炊飯器、1人用タンブラー、ハンディ扇風機、小型洗濯機、小型冷蔵庫など、さまざまなおひとり様向け商品が少しずつ消費者の視界に入るようになり、昨年はついに消費者に人気の新キッチンツールになったという。

■独身者は何にお金を使うか?

1985-95年生まれの未婚者を研究対象とした、「おひとり様経済の勃興、消費新勢力の台頭」がテーマの研究報告書によれば、独身者層には4つの共通した消費の方向性があるという。お金で便利さを買う、お金を自分の喜びのために使う、お金でよりどころを買う、お金で未来を買う、の4点だ。

(1)お金で便利さを買う

オンライン消費をみると、独身の消費者がオンラインショッピングを選択する際の重要な要因は便利さだ。同報告によると、独身の消費者の97%がネット通販を選択し、62%が食品デリバリーをよく注文するという。

(2)お金を自分の喜びのために使う

カップルになって相手に合わせるより、1人で満ち足りた生活をする方がよい。こうした傾向はビジネス界では、「自分を喜ばせるための消費」の流行を促進する。独身者層の多くの人は物質的に自立し、精神的にも自立し、消費力は高く、商品に対して単に「一人分」では満足しない高いニーズをもつ。

少額の消費ならペット、ゲーム、アイドル、フィットネスカード、高額の消費なら高級レストランでの1人ごはん、高級ホテルに1人で宿泊、レジャースポットを1人で旅行など。おひとり様の消費者はただ「分量が小さい」だけでよしとするのではなく、「小さくて洗練される」、「見た目がよく」、その上、それぞれの個性や特色のある商品・サービスを好むという点がより重要だ。また物質的に妥協せず、よりよい品質を求めてより高価な商品・サービスを購入することをいとわず、価格にはそれほど神経質ではなく、よいものはそれなりの値段がすると確信している点もより重要だ。

(3)お金でよりどころを買う

おひとり様は孤独をどうしているのか。お金を使う、が答えだ。おしゃべりにつきあう、ゲームにつきあう、お休みを言う、食事につきあうなどなど、さまざまなつきそいサービスが次々に生まれている。孤独が都市のBGMになった今、その脈動の中にビジネスチャンスをかぎつける人もいる。

精神的なよりどころとして、ますます多くの独身者が猫や犬を飼い、ペットに夢中な「ニャン星人」、「ワン星人」になる。特に一人暮らしの若者はペットを飼っている割合が高く、ペットブームは80後(1980年代生まれ)と90後(1990年代生まれ)の若い層に集中的に現れている。

(4)お金で未来を買う

このほか、独身者層は自分への投資を重視し、フィットネスやオンライン教育などで得られる向上感もコアニーズになっている。スポーツ施設を利用する人のうち、19-35歳の若いユーザーが約70%を占める。ニールセンがこのほど発表した「中国独身経済報告」によれば、独身者層は暮らしと自分への期待がとりわけ高く、「これからの1年間に空き時間を利用して本を読みたい」と考える人が22%に上り、「新しい技能を習得したい」は18%、「自分の興味や趣味を育てたい」は17%だった。

■おひとり様経済は次のビジネスチャンス?

同報告は、独身者が増え続けるのにともない、独身者層の消費力が軽視できなくなり、新たな消費トレンドが起きようとしているとの見方を示した。

データをみると、独身者で高齢者の世話や子どもの教育の圧力に直面している人は1%しかおらず、ここから独身者の消費意欲の強さがうかがえる。これからの1年間で、「できるだけ早くシングルから抜け出したい」とした独身者はわずか10%だった一方、「引き続きシングルでいたい」は31%に上った。言い換えれば、予見可能な未来の中で、「長らくシングルでいる」か「永久にシングルでいる」層が生まれる可能性が高いということで、この層は消費人口に占める割合は低いが、消費のポテンシャルは非常に高い。

独身者層全体の特徴は、安定した相当の収入がある、消費力が高い、質の高い教育を受けてきた、暮らしの質に対する要求が高い、「自分のために生きようとする意識」が高い、非常にはっきりした自分のための消費ニーズと消費意欲をもっていることなどだ。

また、「独身貴族」と言われる人の多くは一人っ子で、日々の暮らしの中で経済的プレッシャーを受けることはないばかりか、上の世代からの経済的支援があり、その消費意欲と消費力は往々にして収入のレベルを上回る。またこの層はより洗練さを求めることから、その消費の嗜好と傾向が新たなトレンドになり、他の消費層に影響を与える可能性が高いという点がより重要だ。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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