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2007年5月22日、江蘇省皋如市で、居住者の知らない間に持ち家が売却されるという事件が発生した。死んだ村民の名前を使うなど粗雑な手口で、居住者の同意書を偽造したという。写真は南京市のある住宅取り壊し現場。
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2007年5月22日、江蘇省皋如市で、居住者の知らない間に持ち家が売却されるという事件が発生した。
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2007年5月5日、「南通日報」に国有地払い下げの公告が掲載された。ある村民がその公告を見ていたところ、見慣れた住所に驚いたという。「GJ2005-19」という名称で掲載されていた土地の所在地は、まぎれもなく彼の住む村だったからだ。話を聞いた村民たちは即座に村役場へと赴いた。村長は自分が知らない間に村の土地が売りに出されるなんて、と相手にもしなかった。少し安心した村民だが、確認のためにと市の国土資源局に問い合わせたという。すると資源局は「その土地は2年も前に再開発が決定、今度売却される予定」と回答した。***
「居住者が全く知らないのになぜ売却されるのか?」と激怒した村民は市の国土資源局を訪問、再三にわたり問題を訴えた。資源局の担当者はのらりくらりと言を左右に逃げ続けたが、観念したのか、村民らの移住承諾書があると言ってきた。誰一人承諾した覚えがないと、驚きながら承諾書を見ると、130人にも及ぶ村民のサインが書類には書かれている。ただし130人の署名はみな同じ筆跡で、さらには数年前に死亡した村民の名前まで含まれていた。明らかに偽造された書類だが、市国土資源局はこの書類をもとに所有権は開発業者に移転されたと言明している。
村民およびこの事件を報道したマスコミが省の国土資源局を訪問したところ、市資源局の対応には確かに疑問が残るとして再調査を約束している。偽造同意書のあまりに粗雑な作りに、「普通ならば行政が見逃すはずはない。行政も詐欺に関与しているのでは」と指摘する声もある。(翻訳/編集・KT)