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〈一帯一路実践談25〉1999年児童育英金開始、幸あれ1600人余

配信日時:2020年7月11日(土) 16時40分
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1999年に新疆政府外事弁公室・ウルムチ市政府外事弁公室と「シルクロード児童育英金」を設立した。写真:ウルムチ市外弁主任と南山牧場で調印。

筆者は「一帯一路」の要衝である新疆ウイグル自治区で各種の国際協力を実践してきた。後に世界遺産となった「キジル千仏洞」修復保存・中国の国宝中の国宝「五星出東方利中国」錦などを発掘した日中共同ニヤ遺跡学術調査・法隆寺金堂壁画の源流資料といえる「屈鉄線」壁画を大量発掘し保護した日中共同ダンダンウイリク遺跡学術調査・各種寄付・奨学金・代表団派遣と招聘・各種仲介・小学校建設・文化文物賞などはすでに紹介した。

新疆大学奨学金は学生・院生・若手教師が対象、新疆文化文物優秀賞は研究保護関係者が対象。それらとは別に小学生を対象に、貧しい児童への育英金制度をつくりたいと新疆政府に提案したら大歓迎された。1999年に新疆政府外事弁公室・ウルムチ市政府外事弁公室と「シルクロード児童育英金」を設立した。国家の未来を担うのは子供だからである。

(2003年贈呈式、右側が児童代表、左側が「小島和尚を囲む会」の皆さん)

協議書はウルムチ郊外の南山牧場で調印。美しい観光地の草原に赤いカーペットが敷かれていた。筆者は多くの協議書にサインしているが、牧場での調印は珍しく強く印象に残っている。筆者の“新疆での兄”鉄木尓・達瓦買提新疆政府主席(故人)が偶然視察に訪れていて、調印後にパオで昼食を馳走になった。

現在では豊かになった中国ではあるが、当時の辺境には学校へ通えない子供たち、学用品も買えない子供たちがいた。ウルムチ市政府が学校を選定し、学校が児童を選び、筆者が育英金を提供。当初はウルムチ中心部の学校が主であったが、急速に豊かになっているので、最近は郊外の小さな学校も選ばれている。田舎には今も貧しい家庭がある。合わせて1600人を超えた。育英金のほか寄宿生用フトン・温水器・学用品なども贈呈した。

(2019年贈呈式後に喜びの児童たちと)

ある時、こんなことがあった。コルラのホテルで新疆日報記者と食事していると、隣席の人が「小島老師では?」と話しかけてきた。記者が「そうだ」と答えると、「小学生の時に育英金と鞄などをもらった。父親が早く亡くなり、貧しく、本当に助かった。ありがとうございました。私の気持ちです」とビールを差し出した。聞けば、ウルムチ職業大学で建築関係を学び、内装業を営んでいるとのことであった。激励の乾杯をした。

「小島おじさんの愛の援助は僕を励まし、勇気づける。恩に報いるため、社会に役立つ人になる」(拙訳)といった児童たち手づくりの礼状は宝物、大切に保管している。一時は友人の拠出もえた。ささやかな活動だが、これからも「大愛無疆」精神で継続したいと考えている。今年も9月に贈呈予定である。

■筆者プロフィール:小島康誉
1942年名古屋市生まれ。佛教大学卒。浄土宗僧侶、日中理解実践家。1982年より中国新疆を150回以上訪問し、世界的文化遺産保護研究・人材育成など国際協力を多数実践。
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