中国の若者が職探しで重視するのは「見た目」か「中身」か

人民網日本語版    2020年7月4日(土) 14時50分

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この特別な卒業シーズンが終わりに近づき、多くの今年度の卒業生が「クラウド契約調印」によって就職を決めている。

この特別な卒業シーズンが終わりに近づき、多くの今年度の卒業生が「クラウド契約調印」によって就職を決めている。雇用市場の変化に応じて、若者の職業選択も新たな特徴をみせるようになった。一部の仕事は見た目は華やかだが発展の可能性はそれほど大きくないのに対して、一部の仕事はそれほどハイグレードには見えないが、自分を鍛えることができ、発展の可能性は大きく、こうした仕事が若者にますます注目されている。「中国青年報」が伝えた。

このほど18-35歳の若者1920人を対象に行われた調査によると、回答した若者の71.0%が、「職探しでは中身を重視する」と答えた。この中身重視派のうち64.0%が、「中身のある仕事には将来性がある」と考えていた。

若者の71.0% 職探しでは見た目より中身を重視

上海市の某大学の卒業生である劉念さん(仮名)は、取材に対し「職探しでは自分の興味、給与、発展の見通しを重視し、単純な同じ事を繰り返す仕事はしたくない。自分が好きなのはチャレンジができる仕事で、のんびりした環境で自分の意欲を低下させるようなことはしない。最終的に選んだ仕事は、いろいろなことを学べる仕事で、3年以内に昇進できるチャンスがある」と話した。

北京の卒業生である曽嵐嵐さん(仮名)は、オンライン面接を経てニューメディア企業に就職した。「好きでもない業界や仕事なら、ものすごく抵抗を感じただろう。自分がより重視するのはその職業の発展の可能性と発展する余地の大きさだ」と話した。

調査によると、回答者の71.0%が「自分の職探しでは中身を重視する」と答えた。分析を重ねてわかったのは、働いている若者は75.0%で、これから働く今年の卒業生の49.7%と比べると、明らかにより中身を重視している。

職探しで、人は何を重視するか。トップは給与と福利厚生(67.0%)で、以下、その職業の発展する余地がどれくらいあるか(46.0%)、企業・機関の性質(45.0%)、自分が好きかどうか(43.0%)、自分が鍛えられ成長できるかどうか(40.0%)、仕事の安定性(37.0%)、企業文化が自分の価値観と合うかどうか(36.0%)が並んだ。

劉さんは、「職業に貴賎はない。人は仕事を探すのに見た目を重視しなくなることにより、自己実現できるかどうかにより注目するようになった」と話した。

江蘇省の某大学の社会学院で補助指導員を務める袁■(品の口が金、仮名)さんの説明によると、「自分が指導する人文社会科学専攻の学生は、ここ2年ほどは仕事探しで仕事がもたらす実際的なものをよりはっきり重視するようになり、見た目がどうかは重視しなくなった。見た目のよい企業・機関が大学に求人に来ても、退屈で単純な同じ事を繰り返すような仕事なら、学生は集まらない。学生は自分の専門的技能を発揮できるかどうか、将来的に大きく発展できるかどうかなどを重視する」という。

若者の職探しは中身重視 64.0%が「中身のある仕事はより将来性がある」

調査の結果、回答者の89.0%が、「現在の若者の職探しは例年よりもずっと中身を重視するようになった」と感じていることがわかった。さらに分析すると、今年の卒業生はこのように感じる人が91.9%に達した。

曽さんは、「仕事は自分がするもので、誰かに見せるものではない。今年の感染症を経験して、自分の心が感じることをより大切にしようと思った。大学の同級生の多くも自分の興味やキャリアをより重視するようになり、ハイグレードで聞こえがいいからという理由で仕事を選ぶ人はあまりいなかった」と話した。

劉さんは、「仕事の見た目や中身に対する若者の考え方は以前とは違っている。今の若者は自分の価値観の達成や自分の好みを非常に重視し、他人の見方に左右されない」と感じるという。

中国政法大学人的資源開発管理研究センター長を務める王霆商学院教授は、「今の若者の職探しはより着実で、それは自分の未来に大きな期待を寄せ、自分のことをよくわかっているからだ。よい企業は、若い人の能力を育てることを非常に重視しており、このことも若者が自身の成長と向上を重視することにつながる。たとえば華為(ファーウェイ)は大卒の新入社員に2人の指導教員をつける。仕事のやり方を教える教員と思想の問題を解決する教員で、新人が実践力を高め、学生から一人前の社会人へと早く成長できるよう支援する」と述べた。

若者は職探しで中身を重視しており、調査回答者の64.0%が「自分の将来に対してより明確な位置づけがある」と答えた。また57.0%が「その仕事に就いた時に実際に感じることを重視する」と答え、54.0%が「自己実現できるかどうかを重視する」とし、51.0%が「仕事について自分の考え方があり、より独立している」と答え、46.0%が「より着実で、個人の成長を重視する」との見方を示した。

陝西省の事業機関の職員である鄭鈴さん(仮名)は、「中身のある仕事の多くは個々人に対する要求もより高いのが普通だ。プレッシャーに耐え仕事に敬意を払う精神、自分でリーダーシップを取り成長を目指す精神、時代と共に前進する学びの精神が求められる。若者は往々にして自分の挑戦や飛躍をより重視し、居心地のよい場所にずっといようとはせず、自分の殻を打ち破り、より多くのポテンシャルと可能性を発掘し、自己価値と成長を実現する」と述べた。

袁さんからみると、「卒業生は最初の仕事を探す時に外見がいいかどうかを考えなくなり、より理性的で、その仕事のポジションと自分とのマッチング度を高めれば、仕事から喜びを得られるのはより容易になる。あふれる情熱を仕事に注いで、良好な循環を形成し、専門的な人材へと成長しやすくなる」という。

職探しで中身を重視する理由として、回答者の64.0%が「早く自分にふさわしい『一生』の仕事を見つけることができるから」と答え、56.0%が「職探しの期間が短くなるから」、55.0%が「仕事の安定性が高まるから」、55.0%が「意欲と向上心をよりかき立てることができるから」と答えた。

今回の調査の回答者は今年度の卒業生が16.0%、社会人が82.0%だった。(編集KS)

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