中国でタニシが二級保護動物に、タニシ麺が食べられなくなる!?―中国メディア

人民網日本語版    2020年7月3日(金) 0時20分

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広西チワン族自治区柳州市の名物グルメ・タニシ麺は、その独特の臭みが特徴で、中国のネット上で人気のグルメとなっている。

広西チワン族自治区柳州市の名物グルメ・タニシ麺は、その独特の臭みが特徴で、中国のネット上で人気のグルメとなっている。ところが最近発表された「国家重点保護野生動物リスト(意見公募用)」の国家二級保護動物リストに「タニシ」の名前が新たに加わっていたため、タニシ麺の熱狂的なファンらは、「今後もちゃんとタニシ麺を食べられるのだろうか?」、「今後、塩漬けタケノコしか入っていないタニシ麺になってしまうのだろうか」と不安を募らせている。

■タニシ麺に使われるタニシと保護されるタニシは別物

南昌大学生物技術学部の呉小平(ウー・シャオピン)教授によると、広西チワン族自治区、ひいてはその他の地域のタニシと、今回保護リストに入れられたタニシは全く別の種類という。

呉教授によると、今回の保護リストに入ったタニシの学名は「Margaryamelanioides(コブタニシ)」で、タニシ科、タニシ属。コブのある殻が特徴的で、繁殖が難しく、主に、雲南省の高原にある▼池(▼はさんずいに真)や▲海(▲はさんずいに耳)、◆碧湖(◆は草かんむりに此)などの湖に生息している。分布範囲は狭く、その他の地域には生息していない。「人間の活動や汚染などが原因で、コブタニシは絶滅の危機に瀕しており、生産量は極めて少ないため、保護が必要」という。

広西チワン族自治区のタニシ麺に使われているタニシや、中国の一部の地域で食用となっているタニシについて、呉教授は、「タニシというのは俗称で、実際にはBellamya属、中国名は『環●螺(●は木へんに凌のつくり)』だ。この種のタニシは広く分布し、個体数も多く、一般的な湖や河川、池、用水路、田んぼなどに生息している」と説明する。

中国で広く食用にされているタニシが将来「国家重点保護野生動物リスト」入りするかについて、呉教授は、「環●螺は広く分布しており、個体数も非常に多いため、主要な河川が極度に汚染しない限り、絶滅の危機に瀕することはない。そのため、保護リスト入りする可能性はほとんどないだろう」との見方を示す。

■養殖タニシが主流へ

ただ、中国人が普段食用にしている「環●螺」は広く分布し、個体数が多いものの、呉教授が「その資源利用は、持続可能な利用の原則を堅持しなければならない」と注意を呼び掛けていることは注目に値する。

公開されている資料によると、柳州市のタニシ麺で使われている環●螺は主に、現地、またはその他の省の天然水域で捕獲されたもので、タニシの捕獲産業チェーンには、大きいものも小さいものも全て捕獲するという乱獲行為が存在している。加えて、近年は捕獲を禁止する地域も増えているため、タニシの供給に問題が発生している。近年、タニシ麺の産業が少しずつ拡大するにつれて、タニシの需要も一層高まっている。公開されている資料によると、2022年には、柳州市のタニシ料理に必要なタニシの原料は4万トンに達すると予測されており、タニシの需給は今後も日に日に逼迫すると予想されている。

これにより、柳州市のタニシ養殖産業が台頭している。19年1月から、柳州市は、4年かけて、タニシ養殖をめぐる一連のカギとなる技術を研究するプロジェクトを実施しており、同市のタニシ麺産業において、養殖のタニシが野生のタニシに取って代わるようになることが期待されている。

ある農業専門家は、「野生のタニシの生長環境は不確実性が存在しており、病原菌や基準値を超える重金属含量などの潜在リスクがある。食品の安全という観点から見ると、養殖のタニシのほうが、野生のタニシより安全だ」との見方を示す。(提供/人民網日本語版・編集/KN)

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