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スペインで昨年3月採取の廃水から新型コロナ検出、何を意味するか?―中国メディア

配信日時:2020年6月29日(月) 11時50分
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スペインのバルセロナ大学は26日に公告を発表し、同大が率いる研究チームが昨年3月に採取したバルセロナ地域の廃水サンプルから新型コロナウイルスが検出されたことを明らかにした。

スペインのバルセロナ大学は26日に公告を発表し、同大が率いる研究チームが昨年3月に採取したバルセロナ地域の廃水サンプルから新型コロナウイルスが検出されたことを明らかにした。誤りがなかったことが確認されれば、この結果は新型コロナウイルスの発生時期がこれまで報告されていたよりも早いことを意味することになるのではないだろうか?廃水の検査を通じて、新型コロナウイルスが伝播を開始した時期と潜伏・波及の範囲をより正確に理解できることになるのだろうか?新華社が伝えた。

同公告によると、同大の腸ウイルスチームの研究者が現地の廃水サンプルを検査した結果、昨年3月12日採取の廃水から新型コロナウイルスの痕跡が確認された。これ以前にも同チームの研究者が今年1月15日採取の廃水サンプルから新型コロナウイルスを検出しているが、スペインで最初の感染者が報告されたのは今年2月25日のことだった。

同チームを率いるアルベルト・ ボッシュ教授(生物学)は、「研究チームはその後、2018年と2019年の廃水サンプルを検査したが、現時点では2019年3月12日のサンプルのみPCR検査が陽性となっており、しかもそのウイルスのレベルは低く、他のサンプルの検査結果はすべて陰性だった。バルセロナは観光産業が発達しており、非常に多くの観光客が訪れる。今回の研究結果から世界の他の地域でも似たような状況が起きたが、多くの症例がインフルエンザと誤って診断され隠れてしまった可能性がある」と述べた。

■感染時期を判断するのは時期尚早

人類が新型コロナウイルスを発見する前に、ウイルスは人々の間に広まっていたのだろうか。同大の研究結果は現在、査読の段階に入っているが、多くの専門家からこの結果が指し示す方向に疑問の声が上がっている。

スペイン公衆衛生・衛生管理学会のファン・ビジャルビ博士は、「この研究結果に基づいて新型コロナウイルスの大規模発生の時期を判断するのは時期尚早だ。研究結果は1つしかないため、より多くのデータ、研究、サンプルによって結果を実証しなくてはならず、実験でのミスや実験方法に存在する問題といった要素も排除しなければならない。また結果には偽陽性の可能性もある。ただこの研究が大いに示唆に富むものであることは否定しない」と述べた。

オランダの水循環研究所(KWR)の微生物専門家であるヘルティアン・メドマー氏は、「バルセロナ大研究チームは保管するサンプルを再検査し、新型コロナウイルスが確実に存在することを立証するよう提案する」と述べた。別の専門家は、「バルセロナ大の今回の研究サンプル作成で行われた濃縮処理は十分に規範に則っていない」との見方を示した。

総合的にみると、今回の研究では2回目の実験による実証は難しい。米紙「ニューヨーク・タイムズ」はボッシュ氏の話を引用して、「うちのチームで2019年3月の陽性のサンプルの再検査を行うことは難しい。1回目の検査で排水のサンプルすべてを消耗してしまったからだ。私たちはこのサンプルについて陽性であるという1点は証明できるが、再検査はできない。サンプルが汚染された可能性は低い。私たちの作業スタイル(を踏まえる)なら、汚染された時に、そのことに気づくはずだ」と伝えた。

■廃水の研究がモニタリングの新たなツールに

複数の研究からすでに明らかになっているように、新型コロナウイルス感染者の排泄物には大量のウイルス遺伝子が存在し、ウイルスは最終的には廃水に混入することになる。これが廃水の研究に基づく新型コロナウイルス感染症学の理論的根拠だ。

今年2月、鍾南山院士と李蘭娟院士のチームがそれぞれ新型肺炎患者の排泄物から新型コロナウイルスを分離させ、これにより新型肺炎患者の排泄物には生きたウイルスが確実に存在することが判明した。これは、ウイルスが病気を起こすメカニズムを認識し、社会全体で感染症の伝播ルートを遮断して的を絞った予防管理を着実に行うことをサポートする上で重要な意義をもつ。

新型コロナが世界の複数の地域で爆発的に拡大し、蔓延を続けるに従って、複数の国の科学研究者は廃水サンプルによる感染症学の研究を新型コロナウイルスの伝播をモニタリングするツールとして利用し始めた。

フィンランド国立健康福祉研究所が今月2日に発表した報告では、初期段階の研究結果によると、廃水に含まれていた新型コロナウイルスのリボ核酸(RNA)含有量は特定地域におけるウイルスの伝播状況を基本的に反映している。この研究方法はウイルスの遺伝子型の鑑定にも利用でき、研究者は、「起源の異なる新型コロナウイルスは感染力も異なるのではないか」と推測している。

シンガポール国家開発省の黄循財大臣は今月9日、「従来からある検査方法以外に、シンガポールは目下廃水に新型コロナウイルスが含まれるかどうか検査するなどの方法を採用して特定の人の集団における新型コロナ患者の有無を調べている。たとえば専用の宿舎で生活する外国人労働者などだ」と述べた。

オーストラリア連邦科学産業研究機構が今月19日に発表した報告では、感染症状が出た人がいるかどうかにかかわらず、廃水サンプルの分析によりコミュニティ内の新型コロナウイルス感染状況を把握することができるとしている。同機構が参加するチームが低コスト、迅速、高効率の方法を探り当てており、廃水を通じた新型コロナウイルスのコミュニティでの伝播状況をモニタリングすることが可能となり、これは感染症の第2波の予防に役立つという。

またイタリア、米国、オランダなどでも同様の研究が行われている。研究者は、「関連研究は、科学者が自覚症状が出ていない感染症の初期における人々の中でのウイルス伝播状況の早期検査を後押しするだろう。とりわけ無症状の人の感染状況をカバーでき、ここから方向を絞った予防・管理がよりよく行えるようになる」との見方を示した。(提供/人民網日本語版・編集KS)

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