<コラム>韓国の革新派歌手が文政権批判の曲を発表

木口 政樹    2020年7月14日(火) 21時0分

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韓国の歌手アン・チファンが7日に新曲「アイロニー」を発表した。最近の文政権(進歩政界)の偽善に対して、歯に衣着せぬ批判と風刺を盛り込んでいる。写真はソウル。

韓国の歌手でアン・チファン(安致煥)という男性がいる。韓流に少し興味のある方はご存じかもしれない。かなり有名な歌手だ。もともと革新派(進歩派)性向を持つ歌手で、民主を叫ぶような歌が多い。

このアン・チファンが、7月7日に新曲「アイロニー」を発表した。最近の文政権(進歩政界)の偽善に対して、歯に衣着せぬ批判と風刺を盛り込んでいる。アン・チファンが自ら作詞作曲している。

アン・チファンは曲の紹介でも「歳月は流れ私たちの顔は厚くなった。あの日の純粋さは年を取り、老いてしまった」とし、「純粋さは鈍くなり陰険になった。メシのタネという崇高さに押されて羞恥心が麻痺した」と語った。さらに、「権力はむさぼる者のものだがあまりにも図々しい。今も昔も日和見主義者の生命力は実に驚くばかりだ」とし、「市民の力、進歩の力は誰のためのものか。アイロニー」と締めくくった。

正義連の尹美香(ユン・ミヒャン)元代表が数えきれないほどの悪事(お金を搾取し、日本との関係を悪化させた)をはたらきながらも何の「おしおき」もしない現政権。さらに検察改革だといって、正義を貫こうとする尹錫悦(ユン・ソンヨル)検事総長を辞職に追いやろうとする現政権に対する炎のような叫びの声だと筆者は思った。

進歩性向のアン・チファンがこんな歌を歌わざるを得ないような事態になっている韓国。でも韓国はまだ息はある。進歩性向の中からこういう進歩批判・非難の叫び声が上がってくるのだから。ぼーっとしているどこかの国とはこのへんは違うかなと思わざるを得ない。

アン・チファンは86世代(60年代に生まれ、80年代に大学時代を過ごした民主化運動世代)を代弁する代表的な民衆歌手で、「ソラ ソラ 青い松よ」「若葉よよみがえれ」「人生は私に酒一杯おごってくれなかった」「人は花より美しい」などの代表曲がある。

■筆者プロフィール:木口 政樹

イザベラ・バードが理想郷と呼んだ山形県・米沢市出身。1988年渡韓し慶州の女性と結婚。元三星(サムスン)人力開発院日本語科教授、元白石大学校教授。趣味はサッカーボールのリフティング、クラシックギター、山歩きなど。著書に『おしょうしな韓国』、『アンニョンお隣さん』など。まぐまぐ大賞2016でコラム部門4位に選ばれた。

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