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文大統領を批判して有罪に?韓国で出された判決が物議醸す

配信日時:2020年6月30日(火) 6時20分
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26日、韓国メディアによると、大学内の建物に文大統領を批判する内容のポスターを掲示した市民に対し有罪判決が下りた。写真は韓国国旗(Image by manseok Kim from Pixabay)。

2020年6月26日、韓国・中央日報は、大学構内の建物に文在寅(ムン・ジェイン)大統領を批判する内容のポスターを掲示した市民に対し有罪判決が下りたことで、「国家元首冒涜(ぼうとく)罪の復活ではないか」と懸念の声が上がっていると伝えた。

記事によると、韓国に「国家元首冒涜罪」という名称の法は存在しないが、朴正煕(パク・チョンヒ)元大統領による独裁政権下に制定され、1988年の民主化を経て廃止された「国家冒涜罪」をこのように称することが多い。当時、海外に居住する韓国人が政権を批判できないようにする目的で制定されたもので、7年以下の懲役または禁固刑が可能だったという。

大田(テジョン)地裁天安(チョナン)支院は今月23日、キムさん(25歳)に対し建造物侵入罪で罰金50万ウォン(約4万5000円)を言い渡した。キムさんは昨年11月、檀国(タングク)大学・天安キャンパス内に、習近平(シー・ジンピン)中国国家主席を引き合いに出し文大統領を批判する内容のポスターを貼り出していた。キムさんの弁護士は「2020年の大韓民国の現実がこれだ。政治的自由の基本である表現の自由が、無残に踏みにじられた」と話している。

同弁護士によると、檀国大学は進んでポスターの件を警察に通報したのではない。チョ・グク前法相の任命当時、学生保守団体がこれを批判するポスターをキャンパス内に掲示したことで警察の捜査が入る騒ぎがあり、警察から学生処課長に対し、「今後このような掲示物があれば警察に伝えるように」と要請があった。そのため、課長が今回の件を警察に伝えたのだという。

一方、判事は裁判で「キムさんはこの大学の職員や学生ではなく、キャンパスと建物は24時間全ての人に開放されている場所ではない」と指摘。「キムさんが政治的ポスターを掲示するためにキャンパスと建物に入ることを知っていれば、これを許可することはなかった」というのが被害者側の意思であるとして、有罪の原因として説明した。

ただ、「被害者」とされた学生処課長は証人として法廷に出ており、「被害はなかった。被害者だと思っていなかった。表現の自由がある国で学生が裁かれることは理解できない」と証言したという。前出の弁護士は「被害者は大学ではなく、ポスターを見て気分を害した文大統領だ」「大学を出たばかりの青年を前科者にすれば、公務員にはなれないし就業にも制約が出る。二度とこのようなポスターを貼るなという脅迫だ」と主張している。

また、記事によると「政権の問題ではなく、権力に有効的な司法機関の問題だ」との指摘も上がっている。ある弁護士は、過去の政権でも、政権批判の表現行為が「建造物侵入罪」「軽犯罪処罰法」「屋外広告物など管理法」で処罰された例は多く、「量刑は大したことがなくとも、刑事処罰の対象になるというだけで、一般人には十分な警告のメッセージとなる」と説明。「大統領が誰かや政府の基調の問題というより、司法機関の形式的な法解釈が生み出した悲劇だ」と指摘している。

この記事に、韓国のネットユーザーからは「文大統領を批判したから有罪になったのではないでしょ。建造物に侵入している」「単なる不法侵入じゃないか」「ちゃんと真実を書こう。国家元首冒涜罪ではなく、建造物侵入罪で起訴されたというだけ」「罰を受けるだけのことをしてるじゃん」など、記事への反論と批判のコメントが殺到している。

その他、「表現の自由とはいえ、他人を誹謗(ひぼう)してはいけない」「自分の学校でもないのにポスターを貼ったのが謎」「国家元首?。韓国は共産主義国だったか?。大統領は国民が選んだ臨時の代表、契約公務員だぞ」などのコメントも見られた。(翻訳・編集/麻江)

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