背筋も凍るサスペンスドラマ「隠秘的角落」の人気のワケは?

人民網日本語版    2020年6月24日(水) 22時30分

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中国のサスペンスドラマ「隠秘的角落(The Bad Kids)」は評価サイトにおけるレビューが9.0ポイントと、高評価となり、その後も評価は下がることなく、9.2ポイントまで上昇。

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中国のサスペンスドラマ「隠秘的角落(The Bad Kids)」は今月16日に配信がスタートしてから、評価サイトにおけるレビューが9.0ポイントと、高評価となり、その後も評価は下がることなく、9.2ポイントまで上昇。現時点で、今年最も高評価の中国国産ドラマとなっている。そして、ネットドラマのクオリティもどんどん上がる流れの中で、頭一つとび抜けた存在になっている。人民網が各社の報道をまとめて報じた。

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同ドラマで主演を務める秦昊(チン・ハオ)は、王小帥(ワン・シャオシュアイ)監督や婁[火華](ロウ・イエ)監督もお気に入りの俳優。また王景春(ワン・ジンチュン)は東京国際映画祭とベルリン国際映画祭で最優秀男優賞を受賞している俳優だ。その他、張頌文(チャン・ソンウェン)、劉琳(リュウ・リン)、蘆芳生(ルー・ファンシェン)、李夢(リー・ムン)などの一流実力派役者が顔を揃えている。また、00後(2000年以降生まれ)の10代の役者2人や10後(2010年以降生まれ)の子役1人の演技も抜群で、同ドラマのクオリティを押し上げている。

汗をかいている子供たち、青々と茂る観葉植物、薄暗く蒸し暑そうな部屋、節々に出てくる広東語や広東省島北部で話される方言など生活感あふれるシーンが、中国南方エリアの厳しい暑さの夏のムードを漂わせ、その文芸的な作風が見る人を夢中にさせ、親しみを感じさせてくれる。

「隠秘的角落」の原作となった社会派サスペンス推理小説を得意とする作家・紫金陳の「壊小孩」は、3人の子供が夏休みに、たまたまある連続殺人事件に巻き込まれていくストーリーを通して、複雑な人間性を描き出し、未成年者の身心の健康に注目する社会的話題にスポットを当てている。 第一話では、秦昊が演じる張東昇が妻の両親と共に、登山に行き、とても仲の良い一家に見えるものの、見ている人はなにかスッキリとしない気分になる。そして、崖まで登った時、背筋が凍るような劇伴が流れたかと思うと、彼が突然妻の両親を突き落とす。そして、暗く低い声で歌う歌が流れ始め、ホラー映画を見ているようなシーンとなり、「登山に行こうか」が、血の気が引くセリフとなった。

秦昊が演じている張東昇は婿入りする形で結婚し、この街にやって来てからの8年間、子供向けの課外活動施設である少年宮の教員としてずっと働き、出世もできず、身体的欠陥もあるため、家庭でも妻や妻の両親と対等の立場を得ることはできずにいた。そして、外では家庭を大切にし、妻を愛する良い男性として知られているものの、妻やその両親の前では、肩身が狭い思いをしていた。妻から無情にも離婚を突き付けられ、妻の両親も自分を応援してくれないのを見た彼は、「殺人」という残酷な手段に走ってしまう。

同ドラマは全12話で、回によって約30分から50分と長さが違う点は注目に値する。一話一話どれを取って見ても、複雑に絡み合った一つのサスペンス作品となっており、いつも肝心なところで謎が深まり、それが完全には明かされないままその回が終わってしまう。そんなストーリー展開も、見ている人をおもしろいと感じさせる一因となっている。

同ドラマのムード作りの面で大きな役割を果たしているのが各回のエンディングで流れる曲だ。辛爽監督は、「脚本製作の段階で、各回のエンディングで使う曲を決めていた。各回ごとに、自分なりに感じるものがあったので、その回で視聴者に感じてもらいたいムードの曲をそのエンディング曲にした。視聴者はそれをじっと聞いてその回を振り返り、じっくりと余韻に浸ることができる」と説明する。

大人の役者らが迫真の演技で下支えする中、子役3人も期待通りの演技を見せ、貢献している。クランクイン前、製作チームは子役探しに1年かけ、監督たちもいろんな学校の前に足を運んで、人選を行ったという。辛爽監督は、子役を選ぶ基準について、役にもともと合っていること、そして才能があり、本当の演技とは何かを理解できることという3つを設定していたと説明する。

朱朝陽を演じている栄梓杉(ロン・ズーシャン)は、賈樟柯(ジャ・ジャンクー)監督の「山河ノスタルジア(原題:山河故人)」に出演した経験を持つ。また、普普を演じている王聖迪(ワン・シュンディ)も、他の多くの作品に出演した経験を持ち、辛爽監督は、「彼女はパーフェクト。演技もうまいし、とても親しみやすいイメージで、とても聡明」と絶賛する。その二人と比べて、最も頭を悩ませたのが厳良を演じる子役選びだという。辛爽監督は当初、選出に頭を悩ませていたものの、ある時、史彭元(シー・プンユエン)の姿が目に留まり、ドラマの衣装を着てもらい、その時に「これで決まり」と直感したという。

「子役選びを真剣に行った。そして、最後まで見ると、大人の役者たちが子役たちを本当に下支えしていることが分かる」と辛爽監督。そして、秦昊や王景春、張頌文、劉琳は、いずれも中国で人気の役者で、「彼らが進んで脇役に回ることで、子供たちを前に出している。本当に感謝している」と語る。(編集KN)

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