<驚くべきインバウンド後進国ニッポン(2)>中華圏旅行ブローカーが蠢く世界

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海外旅行(我が国から外国への旅行)はアウトバウンド、その反対の外国から日本への旅行はインバウンドと申します。つまりインバウンドは訪日旅行のことなのです。写真は鳥取青山剛昌故郷館で館長と記念撮影。コナンは海外でも人気です。

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海外旅行(我が国から外国への旅行)はアウトバウンド、その反対の外国から日本への旅行はインバウンドと申します。つまりインバウンドは訪日旅行のことなのです。

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旅行業界は、国内旅行、海外旅行と訪日旅行の3種類より成り立っております。国内での業界シェア統計によれば、JTBグループがシェア50%を超えて、衆参両院の自民党状態になっており、2位以下の日本旅行やKNT(近畿日本ツーリスト)の野党を引き離しております。海外旅行ではJTB、HISと関西私鉄系2社(阪急とKNT)が3強となっております。しかしながら訪日観光分野を見ると全体の過半数以上を占める中華圏市場ではJTBグループでも団体10%強、個人15%強となり、大手3社でも団体で20%弱と圧倒的に弱者なのです。

ではこの市場のチャンピオンはどこか?民族系と言われる中華系ランドオペレーターの群れです。中華系は商売数の多い会社でも雑居ビルで少数の運営でしのいでおります。悪い言い方をすれば中華圏旅行ブローカーがうごめく世界なのです。こんなことを書けば、知り合いの中国出身のランドオペレーターからすぐ電話があり「僕、いかがわしいマフィアのように書かないでよ!」と怒られるのは目に見えておりますが、さすが個人プレーもこれだけ集まれば、中華系の五輪チームプレーのように見えてきます。

日本の旅行業界は、斜陽産業と呼ばれて久しく、成長を感じられない業界です。業界NO.1の企業JTBグループも総売り上げがやっと1兆円という比較的小さなマーケットです。若者が海外旅行に行かなくなった、長らく陳腐化し停滞していた国内旅行が少し回復した、そんな中で訪日旅行が平成の時代になってから、徐々に伸びてきました。しかしながら伸び方は非常に低く、山あり谷あり、ここ数年は時の政府の外交、観光政策、流行性伝染病や震災放射能対策の遅れなどの迷走が、そのまま訪日客の突然キャンセルを増大させて、市場は意気消沈、多くの雇用の機会を奪い、観光関連業の倒産や廃業を多発させて業界の体力を消耗させました。そのため、わずか訪日1000万人を突破するのに必要以上に非常に多くの時間がかかったわけです。

なぜこのように時間だけがかかったのでしょうか?本当に政府の政策が悪いからだけでしょうか?私はそうでないと思っております。簡単に言えば、この極東の島国に多くのお客様を呼ぶことは非常に難しいのです。これは今まで日本人が経験してこなかった道なのです。日本人が苦手な部類である異民族との友好的交流(ハダカの付き合いのような交流)が基本的要素であり、島国の障害をなんとしても克服しなければなりません。JNTOの外国人訪問国順位表を見てもらえば、必ずしも欧米アングロサクソン型の国が、勝っているとは思えません。中国・ラテン系血液型B型タイプが多いのが目に付きます。この業界で勝ち残る要素は何でしょうか?この辺の多様性を次回以降で述べたいと思います。

◆筆者プロフィール:水谷 浩(仁宣)

現役通訳案内士(中国語)の他、各種通訳と翻訳、講演と執筆、訪日外客コンサルとビジネスマッチング(日本と海外)を展開する。4代に渡る中国と台湾に関わりを持つ日本人の家系に生まれ育つ。北京大学留学後、第2次産業に長く勤務し、攻めの営業と企画で挑戦するという信条の基、新市場への新商品の開発・展開を得意としてきた。現在は訪日外客ビジネスを一大新成長産業に育成することに執念を燃やす。語学・旅行等の資格・スキルとIT技術の駆使で関連業界の垂直統合戦略による需要獲得を目指している。銀聯カード決済関連会社のサイトで、中国・中華市場向け中国語旅行ブログ“中日導游游日記”を長期連載している。

国家資格:通訳案内士(中国語)、国内・総合旅行業務取扱管理者、国内・総合旅程管理主任



   

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