「ドラッグ・ウォー 毒戦」ジョニー・トー、初の中国アクション大作=大規模麻薬取引の裏

Record China    2014年1月10日(金) 17時5分

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中国大規模麻薬取引の闇を描く「ドラッグ・ウォー 毒戦」が間もなく公開される。(C)2012 Beijing Hairun Pictures Co.,Ltd.All Rights Reserved

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2014年1月9日、中国大規模麻薬取引の闇を描く「ドラッグ・ウォー 毒戦」が11日に公開されることが分かった。“香港ノワール”の顔、ジョニー・トー(杜[王其]峰)監督が、中国本土で初めて撮った犯罪アクション大作だ。

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中国・津海。コカイン製造工場で爆発事故が起き、香港人のテンミン(ルイス・クー、古天楽)が車で逃亡。途中で衝突事故を起こし、病院に運ばれる。公安警察の麻薬捜査官・ジャン(スン・ホンレイ、孫紅雷)は、テンミンが麻薬取引にかかわっていると判断。テンミンを利用し、犯罪組織に大規模な架空取引を仕掛ける。

主な舞台は原料供給地の●江(●=奥の上部と号の下部)と、完成した麻薬の積み出し港となる津海。2カ所の警察は合同捜査チームを組み、潜入捜査で組織壊滅を試みる。ジャンは捜査の過程で、組織が韓国、日本の裏社会と連携していると知る。

さらに、テンミンの部下の麻薬工場に踏み込んだ際、警察側は予想外の反撃を受け、多くの死傷者が出る。いぶかしんだジャンが追求すると、テンミンは「本当の黒幕は“香港の七人衆”だ」と話し始める──。

「ザ・ミッション 非情の掟」(99)、「エレクション」(05)、「エグザイル 絆」(06)など、香港を舞台に数々の傑作犯罪映画を生んだトー監督。今回は常連俳優ルイス・クーに加え、中国を代表する演技派の1人、スン・ホンレイを起用した。

●江から津海へ。いずれも架空の都市だが、●江は中国南部の珠海、津海は北東部の天津を思わせる。文字通り中国を縦断する大規模摘発作戦だ。

しかし、舞台は広がったものの、監督の持ち味が発揮されたとは言いがたい。超高層ビルが林立する香港は「縦」の空間。中国大陸はどこまでも広い「横」だ。湿った香港に乾いた大陸。狭い路地や人ごみでは切れ味鋭い監督の演出が、大陸では空を切るようだ。香港と中国の違いを改めて感じさせられる。

中国当局の検閲も少なからぬ影響を与えた。監督は語っている。「香港とは異なる手法をとらざるを得なかった。公安は言う。『あまり人を死なせるな。銃を撃つな』と。要求に応えているうち、私の考えていたものとは全然違う作品になってしまった。“大陸で撮ったジョニー・トー映画”だと思ってほしい。申し訳ない」

とはいえ、警察と組織の息詰まる取引、銃撃戦など見ごたえ十分。スン・ホンレイの演技にも凄味と味わいがある。名監督が迷いつつ撮った、珍品といえるかもしれない。(文/遠海安)

「ドラッグ・ウォー 毒戦」(2013年、香港・中国)

監督:ジョニー・トー

出演:ルイス・クー、スン・ホンレイ、クリスタル・ホアン、ウォレス・チョン、ラム・シュー

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