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世界一かわいそうな日本人留学生の壮絶体験!香港で催涙弾浴び、コロナ疑いで強制隔離

配信日時:2020年6月4日(木) 22時20分
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今年2月から「世界一かわいそうな留学生」としてYouTubeで活動している香港在住の日本人留学生・リンモクさんに激動の留学生活を聞いた。写真はデモの開催地となった大学(リンモクさん提供)。

わずか10カ月の間に、香港の「逃亡犯条例」改正案をめぐるデモ、新型コロナウイルスの流行、中国政府による「香港国家安全法」制定方針の採択という歴史的な出来事に相次いで直面した日本人留学生がいる。留学計画が大いに狂ったことから「世界一かわいそうな留学生」を自称し、YouTubeで活動中のリンモクさんだ。レコードチャイナはリンモクさんに激動の留学生活を聞いた。

◇香港に留学しようと思ったのはなぜですか?

2015年に深セン大学に留学し、香港にもよく出掛けていました。出会った香港人と交流していくうちに、外向きな思考や逆境にめげない姿勢など、私にはないものを香港人が持っていると感じるようになり、魅了されました。そのため香港に根を張って長く生活したいと思い、留学を決めました。

◇香港のデモは留学生活にどのような影響を与えましたか?

香港には昨年の8月中旬に来ました。当初からデモは生活の一部で、授業初日は学校も抗議活動の開催地でした。前期課程はデモの影響で入学から2カ月で休校になってしまいました。それからは教授が録画した内容を元に家で勉強したり、家で黙々と課題をこなしたりしました。個人的には学校で英語でのプレゼンテーションやディスカッションなどを練習したかったのですが、仕方ないと考えています。

◇デモに鉢合わせたそうですが、どのような状況でしたか?

繁華街で買い物をしていた時、デモ現場の中心に居合わせてしまい、催涙弾を浴びました。浴びた直後はワサビのような辛さを感じて涙が止まらなくなり、すぐに露店で水を購入して目を洗い流しました。もう二度と浴びたくないです。

◇新型コロナウイルスに感染した疑いで強制隔離されたそうですが、直前はどのように過ごしていましたか?

河南省信陽市近郊の農村にある友人の実家に行っていました。河南省は湖北省の隣で、武漢市から高速鉄道で約1時間(約200キロ・東京都から静岡県中部ほどの距離)ですが、当時友人からは新型コロナウイルスの影響は出ていないと聞いていました。1月23日に往路で封鎖された直後の武漢市を通りましたが、翌日無事に農村に到着し、友人や地元の人々から熱烈な歓迎を受けました。

(河南省農村:筆者提供)

◇当時は新型コロナウイルスの流行が加速していたと思います。帰り道はいかがでしたか?

滞在先が封鎖される恐れがあったため、予定よりも早く帰ることにしました。ところが、普段は1~2万円の航空チケットが8万円程に高騰していました。お金がなかったので、ルートを大幅に変更してなんとか帰りました。

(鄭州から深セン移動時の機内:筆者提供)

◇なぜ強制隔離されたのですか?

帰宅後、熱っぽくなったので病院に行きました。直前に武漢市を通過していたことも決め手となり、新型コロナウイルスに感染した疑いで医師から強制隔離を言い渡されました。病棟に案内されるまでに時間がかかった上、翌朝5時にPCR検査を受けるまで眠れず、精神的にも身体的にも疲れました。

さらに入院中、香港の日本領事館から私の感染が確定したら香港で初の日本人感染者になると説明を受け、不安になりました。しかしその日のうちに看護師さんがうれしそうに検査結果が陰性だったと教えてくれ、退院が決まりました。かなりホッとしましたね。

(香港の病室:筆者提供)

◇退院後の生活はいかがでしたか?

新型コロナウイルスの感染予防のため、後期課程の授業はオンラインになりました。結局、学校で授業を受けられたのは始めの2カ月だけです。就職活動にも影響が出ており、厳しい状況です。

◇中国政府が「香港国家安全法」の制定方針を採択して以来、香港はどのような状況ですか?

再びデモの動きが高まっています。私は一度催涙弾を浴びた経験から、デモがある日は基本的に家にいるか、近づかないようにしています。デモの規模や過激さは昨年11月以前ほどではありません。ただ、警察とデモ隊が衝突したり、逮捕者が出たりしており、徐々に勢いが増していっている印象です。今後も引き続き様子を見ていく必要があると考えています。

◇香港では今、どのように新型コロナウイルスの感染予防をしていますか?

暑くなってきましたが、今もみんなマスクを着けています。暑くても徹底している姿に、香港人の感染予防意識の高さを感じます。私自身も外出の際はどんなに暑くてもマスクを着用しています。

◇「かわいそうな留学生活」を振り返って、得たものはありますか?

いろいろな出来事に直面しましたが、客観的に中国社会を考えるきっかけになったと前向きに考えています。情報が錯綜(さくそう)する中、メディアリテラシーを意識するようにもなり、成長できました。強制隔離中は看護師さんと広東語の練習をすることもでき、貴重な体験になったと思います。今後も長く香港で生活して人々とのつながりを築き、日本人視点で香港の魅力を伝え続けたいです。(取材/毛利)

リンモクさんのYouTubeチャンネルはこちら
リンモク Lingmuk【世界一可哀想な留学生Youtuber】

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