中国でマスク材料と製造機の価格が暴落、機械は「ただの鉄くず」に―中国メディア

Record China    2020年6月8日(月) 10時50分

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5日、中国メディアの第一財経は、中国でマスクの材料となるメルトブロー不織布やマスク製造機の価格が暴落していると伝えた。写真は中国のマスク用不織布。

2020年6月5日、中国メディアの第一財経は、中国でマスクの材料となるメルトブロー不織布やマスク製造機の価格が暴落していると伝えた。

記事は、安徽省安慶市のマスク工場の例を紹介。新型コロナウイルスの流行期間中は「マスクを製造しなければ安慶人ではない」との言葉が流行し、多くの人がマスク製造業に参入したという。そのうちの1人である林(リン)さんは、もともと寝具類を製造していたが、2月に医療機器会社として登録し、従業員の8割以上を医療用マスクとKN95マスクの製造に回したという。

林さんによると、2~3月に生産したマスクは確かにもうかったといい、工場では設備を購入し続け生産量を増加させ、4月初めには新たなマスク製造機を導入した。購入契約では25日後に納品予定だったが、そのころには思いがけないことに市場の需要が「ジェットコースターのように急激に減少した」という。

記事によると、4月からマスクの材料であるメルトブロー不織布の価格が高騰したため、マスク工場では利益があまり出ない状態となり、5月に入ると帳簿上は赤字ではないものの、在庫が増加していったという。そして、現在ではメルトブロー不織布の価格も暴落し、マスク製造機の価格も半分以下に下落した。このため、林さんはマスク製造機を返品しようとしたがメーカーに拒否され、転売するにも転売先がなく、「ただの鉄くず」になったという。

浙江省常州市の衣服の生地製造工場の責任者である王(ワン)さんも、2月にビジネスチャンスと見てマスク製造業に参入。50万元(約750万円)を投入して医療設備会社として登録し、KN95マスクの製造を開始した。現在、1日1万枚近くの生産能力があるが、需要の減少で5月末の時点で100万枚以上の在庫を抱えているという。

しかし、王さんは「工場を止めることはできない」と述べている。操業停止は倒産を意味するからだ。衣服の生地工場の従業員たちはマスク製造によって困難を乗り切ったが、今では衣服の生地の注文も散々な状況で、「マスクの製造を停止したら従業員たちの行き場がなくなる」としている。当面の急務は、マスクの在庫をいかにして素早く処理するかになっている。

調査会社・天眼査のデータによると、中国国内には現在16万社のマスク関連企業があり、今年1月1日から5月31日までだけで新たに7万802社増加した。これは昨年同期比で1255.84%増となるそうだ。4月までは登録社数が前年同期比で増加し続けていたが、5月に入って減少に転じた。また、メルトブロー不織布関連企業も同様で、1月1日から5月31日までに新たに登録した関連企業は7296社、前年同期比2276.55%の増加となったが、同じく5月に入ってからは前年同期比で減少に転じたという。(翻訳・編集/山中)

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