市民の健康状態を点数化しスマホにコード表示、中国・杭州市がシステム導入を検討

Record China    2020年5月31日(日) 19時20分

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中国浙江省の杭州市で、市民の病歴や生活習慣を点数化し、「健康スコア」としてスマホ上のQRコードで表示するシステムの導入が検討されている。米CNNが報じた。写真は健康コード。

中国浙江省の杭州市で、市民の病歴や生活習慣を点数化し、「健康スコア」としてスマートフォン上のQRコードで表示するシステムの導入が検討されている、と米CNNが報じた。個人情報の管理が進む中国だが、この案についてはSNS上でプライバシーの侵害だと批判が相次いでいるという。

コード表示は新型コロナウイルスの感染拡大防止対策として2月に杭州市で始まり、中国各地に拡大した「健康コード」の進化形。健康コードは利用者が「アリペイ(支付宝)」や「ウィーチャット(微信)」といったスマホのアプリに身分証番号などの個人情報を登録すると、その人が感染しているリスクが緑、黄、赤の3段階で示される。

細かい定義は地域によって異なる部分があるが、緑は基本的に健康に問題がないこと、黄はコロナ感染者との濃厚接触や入国直後といった理由による隔離期間中など、赤は感染者であることなどを示している。判断の基準は明確に説明されていないが、家族関係や移動履歴などのデータから、感染者との濃厚接触の可能性や感染地域への出入などをはじき出す仕組みとみられる。中国各地のさまざまな施設や公共交通機関で健康コードを確認することが当たり前になり、「デジタル通行手形」として機能している。

CNNによると、健康スコアは健康コードをヒントにした恒久的なシステム。個人の病歴や健康診断結果、生活習慣のデータに基づいて算出される。杭州市保健委員会の公式サイトに掲載された案によると、0から100までのスコアが赤から緑のグラデーションで色付けされる。

1日に歩いた距離が1万5000歩に達したら5点、睡眠時間が7.5時間あれば1点が追加される。減点の例としては、蒸留酒の「白酒」200ミリリットルを飲んだらマイナス1.5点、たばこ5本を吸えばマイナス3点などがある。

さらに企業や町内会にも、メンバーの運動や睡眠、健診などの状況に応じてグループ単位のスコアを付ける案も検討中。市保健委員会はデータの収集方法や、スコア取得を義務化する可能性、市民生活や企業活動への具体的な影響には現段階で特に触れていないという。

杭州市の案に対して中国のSNSには、プライバシーの侵害だと問題視する書き込みが多く寄せられている。データが保険会社やマーケティング会社の手に渡ったり、雇用差別につながったりする可能性も懸念される。CNNは「技術面の問題として健康状態を点数化すること自体の難しさを指摘する声も上がっている」とも伝えた。(編集/日向)

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