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<コラム>太極拳とラジオ体操 2

配信日時:2020年6月5日(金) 22時50分
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太極拳、と聞いただけで、たいていの人は、運動している姿が、ゆっくりした動きが、頭の中に浮かぶだろうか。東洋哲学に太極思想というのがあるが、それを取り入れた拳法が「太極拳」である。

太極拳、と聞いただけで、たいていの人は、運動している姿が、ゆっくりした動きが、頭の中に浮かぶだろうか。東洋哲学に太極思想というのがあるが、それを取り入れた拳法が「太極拳」である。

「太極」は万物の根源だ。総ての存在を陰・陽と五行(水・火・木・金・土)であらわそうとする宇宙論である。秦の始皇帝が中国を統一(紀元前221年)する前の春秋戦国時代に生まれたらしい。

この考えは、儒教などに取り入れられる。だから、中国・朝鮮・日本に広がる。現代、中国は唯物論の共産党国家だ。日本は神道があり、仏教思想が入り、その上で儒教である。「仁」や「忠孝」は取り入れられたが、「万物の根源」が「太極」という考えは普及していない。

これが色濃く残り、受け入れられているのは朝鮮(大韓民国)である。例えば、よく私たちが見る、韓国の太極旗は朝鮮王朝末期の1883年公布されたものだ。中央の円は太極と陰・陽を、回りの四つの卦は易から来たものだ。

さて、その太極思想が「拳」になったのが中国の「太極拳」である。広辞苑第7版には「陰陽変化の理に則ったもの。ゆるやかに円を描く動作が主。陳式・楊式などの派がある。現代でも身体鍛錬・精神修養のため盛行」とある。

元々は武術だから、戦闘では素早くなる。ただ基本的に身体をつくり技の基礎を学ぶに際してはゆっくりしていて、これが健康にもいいと言う。日本でも太極拳で街造りをする市があり、アメリカなどでも用いられている。

この太極拳、ゆっくりしているが、動作をゆっくりするのは、素早い動きよりもキツイ。本格的に完全にやるのは、ラジオ体操より比較にならぬほどキツイ。ただ、少しずつやると「老人」向きだと思う。

私のような高齢者の身体は、カチンコチンだ。腕を回したら肩の付け根がバキン、バキンと壊れた音を出す(笑)(悲)。歩幅は狭く、背中は曲がっている。前屈は、手は地上から30センチも離れる。スクワットも膝が曲がらない。首は小さくしか回らず、ギシギシバキンと音がする。側屈は、まっすぐなままの或いはほんの少し傾いただけの頭の上で腕が曲がっているだけだ。腕自体が、頭の真上から少し後に跳ね上がらず、バンザイは顔の横に手がある。

だから、無理しない。ゆっくり出来る範囲で腕を差し出し、ねじる。これならば、ついて行ける。しばらく、自分の体力の範囲で、ゆっくり、ほぐせば良いのである。教えてくれるところもある。が、幸い、ネットやユーチューブでも見ることが出来るので、「太極拳」を高齢者はやってみたらどうだろうか。NHKなどでは、高齢者向けに、椅子に座っての体操なども放映してくれている。

ただ、「太極」という文字の中には、宇宙の根源の陰・陽の流れのようなものがあり、大陸の大きな感じがある。それを取り入れて、日本式に換骨奪胎し、精神的にもゆったりした「新ラジオ体操」みたいなものが、出てくればありがたい。

「え、もうあるって? まさか…」(真偽不明(笑))

おしまい

■筆者プロフィール:石川希理
1947年神戸市生まれ。団塊世代の高齢者。板宿小学校・飛松中学校・星陵高校・神戸学院大学・仏教大学卒。同窓生いるかな?小説・童話の創作と、仏教の勉強と瞑想を10年ほど。明石市と西脇市の文芸祭り選者。児童文学のアンソロジー単行本、小説の自家版文庫本など。

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石川希理
2020年1月12日 15時10分
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