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<コラム>健康保険にみる日本 そして中国 1

配信日時:2020年5月25日(月) 23時20分
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この図は厚生労働省のHPのものである。H28年(2016年)のデータ。50歳くらいから「高血圧」「糖尿病」「高コレステロール」「腰痛」「目の病」が上位を占めだす。

この図は厚生労働省のHPのものである。H28年(2016年)のデータ。50歳くらいから「高血圧」「糖尿病」「高コレステロール」「腰痛」「目の病」が上位を占めだす。

若い方々に知ってもらいたいのは、1965年に高度成長が始まるまで、寿命は50歳前後だったということだ。江戸時代から比べてもさほど伸びてはいない。人類の動物的な寿命は50歳くらいということでもある。なぜか、平均寿命は確かに最近、80歳を超えだしている。人間は120歳近くまで生きられるという報告もある。

しかし、人類は総て、50歳くらいで、子育てを終え、女性は閉経期を迎え、男性も顕著な老化が始まる。白髪・シミしわ・視力の衰え…。前述した「高血圧」「糖尿病」「高コレステロール」「腰痛」「目の病」の増加である。

高齢者の体水分量は50%以下、児童期の7〜80%と比較すると、枯れていきつつあることが判る。つまり50歳くらいで「もう、動物としては用は無い」ということだ。もし森の中の木の上に住んでいるとしたら、目や耳が衰えたら、敵に襲われても生きられない。エサもとれない。死ぬのだ。

だが、私のように72歳になっても生きている。第二次大戦後の栄養状態の劇的な改善、公衆衛生の改善、医療水準の向上が寄与している。こういったものも含め、科学的・経済的・社会的制度の発達は凄い。これは高齢者のみでなく、乳幼児、若者、中年も含めた全国民がその利益に預かっている。

この健康の維持、長寿化に役立っているのは、言うまでもなく、たぶん世界トップクラスに近い、医療保険制度であろう。これは大助かりなのだ。若い頃ならば、給料は年功序列で増加していく。

が、老人の年金は、ほぼ増えないし、むしろ減額される。そして疾患は、身体の老朽化で増えていく。散歩、ストレッチ、運動と、これ以上、急に老化が進むことに注意している。医療費も増えるし、若者に迷惑もかける。それよりなにより、自分自身が辛い。朝起きるのさえ、「うんこらしょ、どっこいしょ!」である。打ち身も切り傷も、捻挫も、疲れも、治るのが遅い。「これは誰もが辿る道」だ。

私の場合72歳になったが幸い元気だ。「週に2コマ、3コマ、数コマなら十分教えられるが」と考えているが、70歳定年ということで大学の非常勤講師のアルバイトもなくなった。

元気を保ち、仕事を続けられたら、人間の場合、社会に貢献できる。仕事は元気のもとともなる。だが、ほとんどの人が、仕事はなくなる。収入は年金のみになり、守りの生活に入る。なんとか元気に生きようと、高齢者大学、陶芸、散歩や、ジムや、ゴルフや、旅行、趣味に頑張る。だが、社会参加はしていても「社会貢献」がない。

「社会貢献」=「自尊感情」でもある。社会に役立っていると思うから前向きに生きられる。「人間は社会的動物」というのは至言だが、それが無くなっているから「虚しい社会参加」=「自慰的活動」に陥る。「いきがいもなく」生きている。

「哀れな話だなあ…」

「あ、わたしのことか」

つづく

■筆者プロフィール:石川希理
1947年神戸市生まれ。団塊世代の高齢者。板宿小学校・飛松中学校・星陵高校・神戸学院大学・仏教大学卒。同窓生いるかな?小説・童話の創作と、仏教の勉強と瞑想を10年ほど。明石市と西脇市の文芸祭り選者。児童文学のアンソロジー単行本、小説の自家版文庫本など。

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石川希理
2020年5月10日 14時50分
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