なぜ?中国がGDP成長率の目標値設定を放棄した理由―米紙

Record China    2020年5月26日(火) 13時20分

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25日、米華字メディア・多維新聞は、中国が全国人民代表大会の政府工作報告で恒例となっているGDP成長目標値の発表を見送った理由について、米メディアの分析を紹介する記事を掲載した。写真は上海の外灘。

2020年5月25日、米華字メディア・多維新聞は、中国が全国人民代表大会の政府工作報告で恒例となっている国内総生産(GDP)成長目標値の発表を見送った理由について、米メディアの分析を紹介する記事を掲載した。

記事は、李克強(リー・カーチアン)首相が全人代の政府工作報告で今年のGDP目標値を発表しなかったことを紹介。「これは、中国経済が厳しい状況にあることを認め、人々に喚起するものだ」とした上で、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルの25日の報道を紹介している。

同紙は、GDP目標値を発表しなかったことについて中国政府が、六つの安定(雇用、金融、貿易、外資、投資、見通しの安定)、六つの確保(雇用、基本的民生、市場の主体、食糧とエネルギーの安全、産業チェーンとサプライチェーンの安定化、末端部の機能)に精力を集中する上でメリットがあると説明したことについて「一定の道理がある」と評価。急成長期が一段落して安定成長期に入りつつある中国の指導層は、すでに明確な成長目標を強調することがデメリットになるとみなすようになったとした。

そして、李首相が3月に「今年は雇用安定がしっかりできれば、経済成長率が多少上下しても大した問題ではない」とし、経済成長ではなく雇用の安定、そして社会の安定を最需要課題として示していたことを伝えている。

一方で「GDP目標値の放棄は、今後数カ月において中国経済が実に多くのリスクに直面する可能性も提起している」とし、伝染病の専門家が新型コロナウイルスについて秋ごろの再流行を警告する中で「中国をはじめとする各国政府のロックダウン措置が、予想よりも長引く恐れがある」と説明。この状況では中国の政策決定者たちも今年の経済成長目標の予測ができず、さらには経済刺激措置においても慎重にならざるを得ないため、過去に経済の冷え込みが生じた際に講じた大規模な措置が取れていないとした。(翻訳・編集/川尻

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