34歳以下の8割、「南京大虐殺の発生時期を知らない」―中国

Record China    2013年12月21日(土) 10時13分

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20日、河南商報と河南百度が共同で実施した「記憶に関する調査」の結果、「南京大虐殺が発生した時期をはっきりと覚えていない」と答えた人が8割を上回った。写真は南京大虐殺記念館。

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2013年12月20日、「80歳老人から寄せられた『南京大虐殺』報道をめぐる手紙」に関する記事が19日付河南商報で報じられると、多くの人が南京大虐殺に関して自分が覚えていることを思い出そうとした。河南商報と河南百度が共同で実施した「記憶に関する調査」の結果、「南京大虐殺が発生した時期をはっきりと覚えていない」と答えた人が8割を上回った。大河網が伝えた。

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▼8割以上が「正確な南京大虐殺の発生時期を覚えていない」

19日付河南商報に、ある南京大虐殺の証言者が新聞社に手紙を送り、「私はこの歴史を決して忘れることはできない!」と訴えたことに関する記事が掲載された。だが、1980年代以降生まれ(34歳以下)の若者に対する調査の結果、回答者の8割は、「南京大虐殺が発生した時期をはっきりと覚えていない」と答えた。

大学職員の王(ワン)氏は、「たしか冬だったと記憶しているが、何年に起こったのか分からない」と答えた。さらに、「歴史的事件は中国人にとって極めて大切な出来事だが、発生した時期までは正確に覚えていない。南京大虐殺の詳細については、それをテーマとした映画を観て、多くのことを知った」と続けた。

▼過半数は「映画やテレビドラマで情報を知った」

「我々は、この事件が全中華民族にとっての災難であると認識し、心に刻みつけなければならない」という王氏のコメントと調査結果は一致しており、回答者のほぼ全員が、「南京大虐殺は全民族が受けた深い傷であり、決して忘れてはならない」と考えていた。

とはいえ、王氏と同様、歴史の詳細まで了解している人は少ない。歴史補助教材の編さんに携わる孟(モン)氏は、「この仕事についていなければ、中国近代史に対してこれほど多く理解していなかっただろう。現行教科書では、南京大虐殺についてそれほどページを割いて記述されていない」と話した。

「記憶に関する調査」の結果も、孟氏の言い分が正しいことを裏づけている。「『南京、南京』や『金陵十三釵』の映画で南京大虐殺のことを知った」と答えた人の割合が52.6%だったのに対し、「教科書で知った」とした人は39.2%、「『拉貝日記』や「南京暴行:忘れられた大虐殺』などの歴史書を自発的に読んで知った」はわずか8.2%だった。

▼分析:根本的原因は「歴史に対する姿勢」

河南省実験高校で2年歴史を担当する劉向峰(リウ・シアンフォン)先生は、「高校の歴史教科書では、南京大虐殺について記述されたページは確かに多くはなく、教科書全体に占める割合はあまりにも少ない。これでは、学生たちの記憶に残らない。さらに、現代の生活はペースが速すぎるため、ほとんどの人が、過去の歴史に対する認識を疎かにしてしまう」との見方を示した。

▼河南大学歴史文化学院の趙金康(ジャオ・ジンカン)教授は、次の通り指摘した。

歴史を専攻している大学生でも、そのほとんどが南京大虐殺の歴史についてあまり多くを知らないが現状だ。その直接原因は、歴史教育を疎かにしていることだが、根本的な原因は、歴史に対する我々の姿勢にある。

たとえば、ユダヤ人の受難の歴史について例をあげると、彼らは第二次世界大戦中にナチスドイツに殺害された仲間の個人情報、行方、死亡した場所などに関する完璧な統計データを持っている。このような正確で信頼に足る証拠を突きつけられると、ドイツ人は一切反論などできない。ところが、我々中国人は、「大体30万人」という言い方しかできず、一体どこの誰が犠牲になったのかを知るための正確な統計資料は存在しない。歴史に対峙する姿勢がいい加減であれば、歴史問題において受け身的な態度になり、記憶も曖昧になる。正確で客観的な事実と統計データ・資料との間に大きな隔たりが生じると、多くの人が「はっきりと、しっかりと頭に刻みつける」という選択を放棄してしまう。(提供/人民網日本語版・翻訳/KM・編集/武藤)

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