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日本企業は新型コロナで中国から移転する?―中国メディア

配信日時:2020年5月22日(金) 9時30分
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新型コロナウイルスの感染拡大にともなって、多くの国で特定の商品が不足する事態が起こり、企業の自国への回帰を望むようになった。写真はトヨタ車。

新型コロナウイルスの感染拡大にともなって、多くの国で特定の商品が不足する事態が起こり、企業の自国への回帰を望むようになった。日本政府はこのほど、サプライチェーンの海外依存度が高い企業に支援を提供し、生産拠点の国内回帰を推進し、企業のサプライチェーンを多様化し、単一の国による供給のリスクを回避することを約束した。するとすぐに、日本企業の「脱中国化」や、グローバル産業チェーンの「反グローバリズム」といった声が盛んに聞こえてきた。

■華東地域の日系企業90%「回帰の計画ない」

愛知県に本社があるトヨタは声明で、「現在の情勢から考えて、トヨタには中国やアジアでの戦略を変更する計画はない。自動車業界は多くのサプライヤーを擁し、サプライチェーンが非常に複雑であるため、ただちに変更するわけにはいかない」と述べた。

グローバル経済が衰退し、反グローバリズムの潮流が台頭する背景の中、関連する日本企業が産業チェーンを中国から移転させるかどうかが、各方面の注目するポイントになっている。5月13日、香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストが日本企業5社を取材したところ、いずれも「中国にとどまるつもり」と答えたという。中国は引き続き極めて重要な市場であり、このタイミングで業務の大部分を他の場所に移すとすれば、巨額の費用がかかる上、「余計な面倒ごと」を抱えることになるからだ。

新潟経営大学のイワン・ツェリッシェフ教授は、「日本政府の財政的支援があったとしても、企業が生産ラインを新たな工場や別の国に移転させるなら、大量の資金が必要になることは避けられず、特に中国を離れる選択をした場合は、従業員と業務提携パートナーに対する補償コストを考えなければならない」と述べた。

トヨタは、「政府の状況は理解しているが、当社には生産計画の変更はない」とした。

日本のインテリア製品と建築材料のサプライヤーのリクシルも類似の声明を発表し、「生産ラインを中国以外の国に移転する計画はない」とした。

リクシルは声明では、「当社には柔軟なグローバルサプライチェーンがあり、世界に100カ所を超える製造拠点がある。このような柔軟で十分に整った構造により、当社は感染症がもたらした一部の影響を回避することができた」と述べた。

匿名の日本のメーカーは、「当社は引き続き中国で製品を製造する。製品を『中国向けに設計する』からであり、販売先も中国だ。よって他の国への移転には何のビジネス的意義もない」と述べた。

調査によれば、こうした企業のほかにも多数の日本企業が、「中国での発展戦略は変わらない。中国を輸出・加工拠点と考えているだけでなく、より重要なことは、中国が今やこうした企業の生産する製品の消費市場であることで、とりわけ『地産地消』モデルを取る日系企業はサプライチェーン移転の可能性がより低い」と答えた。

上海対外経済貿易大学日本経済研究センターの陳子雷(チェン・ズーレイ)センター長は、「企業は実は自分たちの資金を使ってよりよいグローバル展開を行うことにより関心を払っている。現在の企業の産業展開は各社の国際情勢、各国の市場、グローバル市場、人的資源、法律制度、ビジネス環境、物流、コストなど各方面の考察に基づくものだ。そのため私たちはこうした国際化した企業や多国籍企業が自身の能力によって現在の問題を解決できること、誰かが干渉する必要はないことを信じるべきだ」と述べた。

華東地域に進出した日系企業を例にすると、日本貿易振興機構(ジェトロ)上海事務所の小栗道明所長は、「華東地域にある日系企業710社に対する最新の調査によると、約90%の企業がサプライチェーンや拠点を変更する計画はないと答えた。変更があるとすれば、その多くは日本国内または中国国内での変更だ」と述べた。

経済活性化のためにせよ、産業チェーンの多様化・安定を追求するためにせよ、日本が大規模な企業の回帰を奨励するのは短期間では現実的でない。日本政府はこうした企業の投資行動を直接左右する権力をもたないし、中国にとどまるか、日本に戻るか、あるいは別の国に行くかどうかは、すべて企業がコストと収益の角度から考えて決めることだ。

小栗氏は、「まず、日本政府がこうした政策を打ち出した背景には、今年の2-3月、中国国内での生産停止が日本国内の生産や供給に影響を与えたことがある。しかしその後、感染症は世界に拡大し、こうした背景や環境はすっかり変わってしまった」と指摘した。

実際、最も早く感染症の影響を受けた中国は経済活動を最も早く回復させた国でもある。共同通信社の報道によると、トヨタの最近の販売量は大幅に減少したが、中国などでは回復の兆しがみえる。4月の中国販売量は減少から増加に転じ、前年同期比0.2%増加したという。

小栗氏は、「今は先に述べたような懸念はなくなったが、政府が国民の健康と暮らしに必要な生産ラインの回帰を検討することは合理的だ。客観的にみて、全ての企業が政府の呼びかけに応じるわけではない。企業にとって最も重要なのは市場であり、顧客がいるところに発展チャンスもあるからだ。こうした角度から考えて、中国市場の重要性に変わりはなく、より重要になった可能性もある」と述べた。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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