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<コラム>中国のライブコマース大激戦、淘宝直播、快手、抖音の三国志に微信も参戦?

配信日時:2020年5月16日(土) 23時30分
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現在、中国のネットメディアは、直播電商(ライブコマース)の話題一色である。

現在、中国のネットメディアは、直播電商(ライブコマース)の話題一色である。ニュース、解説、データ分析、網紅(KOL)分析、いずれも花盛りだ。分析だけでなく、データにもいろいろバラつきがある。直播電商の2019年GMV(契約総額)について、光大証券は4400億元(6兆6400億元)、招商証券は3000億元(4兆5300億円)と見積もっている。

淘宝(アリババ)VSその他、という見方もあれば、淘宝VS快手VS抖音(海外名TikToK)の三国志という見方もある。ここでは、三国志プラス1(微信WeChat)の視点から、直播電商の行方を探ってみよう。日本企業にとっても、中国への広告出稿の参考になるはずだ。

■淘宝直播、快手、抖音のデータ

現在の主力プラットフォーム、淘宝直播、快手、抖音の特徴をデータから見ていこう。

淘宝 直播快手 抖音

DAU 1200万 1.7億 2.6億

MAU 7500万 3.6億 4.8億

日均GMV 2.2億 1億 1億

年間GMV 1800億 400~500億 400~500億

網紅(KOL)構成

トップ 12~22人 50~60人 200人

ミドル 1000~2000人 3000~4000人 2000~3000人

ロー 1万5000人 5万人 5~10万人

関係性

淘宝直播 KOL>ファン>商品>購買

快手 KOL>ファン>打賞(報奨金)>購買

抖音 KOL>コンテンツ>ファン>ブランド

■淘宝直播、快手、抖音のビジネスモデル解説

淘宝直播-最初からショッピング目的の訪問者が多いため、滞留時間が長く、コンバージョン(サイト上の成果)率も高い。コストのかかるトップKOLも少なくて済む。ライブ配信=ショッピング、というイメージが定着するほど有利になる。

抖音-現在は広告収入頼り。ライブ配信の実力は、淘宝、快手に対し劣勢のため、有名人やトップKOLを積極起用して、大攻勢をかけ始めた。自社通販・抖音小店の他に、小米商城、唯品会、網易孝垃、等の他社通販サイトもサポートしている。

快手-プライベート領域を大切にするため、固定ファンが多く、ユーザーの信頼が大きい。そのため潜在力は高い。自社通販・快手小店に力を入れている他、ミニプログラム(微信小程序=ダウンロード不要のミニOS)内のネット通販や、拼多多、有賛、魔筷星選などの通販サイトをサポートしている。

淘宝は、ネット通販の始めたライブ配信、抖音と快手は、ライブ配信の始めたネット通販と言える。国民的SNSの微信は、ここへどのように挑むのだろうか。

■WeChatミニプログラムからの参戦

微信は2020年1月、注目すべき2つの機能を付け加えた。1つは動画にナンバーを付ける機能、もう1つは直播コンポーネンツへのアクセスサポート機能を持つミニプログラムだ。これは微信がライブコマースの当事者となったことを意味する。これまで通り、オンライン商店にとっての優れたツールボックスであるとともに、独自の直播エコシステムを建設するつもりだ。

WeChatのMAUは10億、DAUは3億、2019年には、8000のミニプログラム参加者がライブコマース売上1億元を達成した。トップKOLも活躍している。

現状、ミニプログラム直播電商の評価については、

1.アクセスが簡単。

2.スムーズな動作で視聴率向上が可能。

3.双方向性に難あり、クーポンなどが使えない。

4.今後多くの効能にアクセスできる可能性高い。

の4つにまとめられるようだ。機能の点からは、改善の余地はたくさんあるが、直播電商を展開するブランドや小売業者の注目には十分値する。特に4の強みを生かして、特色ある直播電商システムが構築できるかどうか、今年は正念場だろう。

■まとめ

中国ネット界の映像化はすさまじい。ライブコマースの分野では、淘宝直播と快手が先行した。現在バイトダンスが有名人を起用して、猛攻をしかけている。ここへWeChatミニプログラムが、開発コストの安さ、ユーザーの多さを武器に追い上げている。最近流行の直播帯貨(有名人によるライブコマース)は、資金力の勝負になるが、4社とも潤沢で不安はない。この勝負の行方は、簡単ではなさそうだ。

■筆者プロフィール:高野悠介
1956年生まれ、早稲田大学教育学部卒。ユニー株(現パンパシフィック)青島事務所長、上海事務所長を歴任、中国貿易の経験は四半世紀以上。現在は中国人妻と愛知県駐在。最先端のOMO、共同購入、ライブEコマースなど、中国最新のB2Cビジネスと中国人家族について、ディ-プな情報を提供。

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