不動産会社が養豚で酒造会社が車、上場企業の相次ぐ業界の枠越え―中国

人民網日本語版    2020年5月13日(水) 19時10分

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上場企業が「副業」を始めて業界の枠を越えるのはそれほど珍しいことではなく、かなり大々的に行われている。

酒を売る会社が自動車作りに注目し、レストランを経営する会社が投資に乗り出し、家を売る会社が豚を飼い始める…。上場企業が「副業」を始めて業界の枠を越えるのはそれほど珍しいことではなく、かなり大々的に行われている。一時の熱が冷めた時、踏み出した足は引っ込められるのか、それともさらに前に向かって進むのか。中新経緯が伝えた。

■豚がクロスオーバーの寵児に

猪年(日本ではイノシシだが、中国ではブタ)の2019年は「ブタの特別なシーズン」になった。豚肉価格が高騰して、養豚企業は大きな収益を上げたのを見た多くの企業が養豚業に参入した。

少し前には、不動産の万科集団が鳴り物入りで養豚業界に進出して大いに注目された。 7日夜、万科の求人ミニプログラム「万招君」は、養豚場の事業拡大担当マネージャー、集落型養豚場のゼネラルマネージャー、養豚場の予算管理担当マネージャー、養豚場の開発・申請・報告担当者、養豚場の獣医の5つの職種の求人情報を発表した。

その前には同じく不動産の碧桂園集団が養豚事業部の責任者を募集しており、今度は万科が養豚場のゼネラルマネージャーを募集したが、豚が最近になって人気が高まったわけではない。2009年にはポータルサイトである網易公司の丁磊(ディン・レイ)最高経営責任者(CEO)が養豚計画を打ち出し、14年には不動産の万達集団の王健林(ワン・ジエンリン)会長が貴州省で養豚を始めると発表し、その後、ショッピングセンターの万達広場を通じて全国で豚肉を販売している。同じく不動産の恒大集団の創業者である許家印(シュー・ジアイン)氏は 3億元(約45億円)の投資を行い、貴州省で110以上の養豚をメインとする農牧基地の建設を支援した。ただ万達も恒大も養豚事業は「貧困者支援」が目的だった。

18年2月には、ECの阿里巴巴(アリババ)が人工知能(AI)プログラム「ET大脳」(ETブレーン)での養豚計画を発表し、同年11月には、同じくECの京東も養豚業への進出を発表し、中国農業大学、中国農業科学院と協力して、AIを活用した養豚プランを打ち出した。

国際資本もこの「うまみのある肉」を放ってはおかず、米ゴールドマン・サックスは約3億ドル(約320億円)の資金を投入し、湖南省、福建省一帯で全額出資して養豚場を買収した。ドイツ銀行グループも6000万ドル(約64億2000万円)を投じて上海宏博集団の養豚場の30%の株式を取得した。

■踏み出した足はどうなったか?

投資会社の東方集団の張宏偉(ジャン・ホンウェイ)会長は、「中国はまだ急速な都市化の過程にあり、今後10-15年間で都市化率が70%から80%に達することは確実だ。農村ではこれから必然的流れとして村の合併や鎮の合併が進む。その過程で大量の農地や集団の土地が放棄されることになる。不動産開発業者(デベロッパー)の養豚は豚そのものが目的ではなく、養豚というチャンスを利用して未来の都市化に向けた『土地の囲い込み』の チャンスをものにすることが本当の目的だ。

指摘しておかなければならないのは、今年はマスクが全国民の必需品になり、中国石化、格力、上汽通用五菱、富士康、紅豆服飾などの大手企業が相次いで「兼業」でマスク生産を始めたことだ。これは「至急型」クロスオーバーの例だといえる。

これだけではない。企業が業界の枠を越えて自動車を製造するケースも多い。さきに酒造の五糧液集団が24億9100万元(約373億6500万円)で買収した凱翼汽車の新車「●界」(●は火へんに玄)が発表され、ソニー、創維、格力などの家電企業もこの分野に乗り出した。業界関係者は、「『業界の枠越え』の自動車製造には普遍的な問題がつきまとう。掛け声倒れに終わることが多く、量産型車種を打ち出せる企業は少数だという問題だ」と分析する。

有名な経済学者の宋清輝(ソン・チンフイ)氏は、「自動車製造は技術、人材、スケールメリットが重要な伝統産業で、資金は一部を担うに過ぎない。数十年や100年にも及ぶ蓄積がある伝統的大手ブランドメーカーとは違い、中国の一部の新勢力はこれからじっくり蓄積し定着することが必要だ」と言う。

企業の業界の枠を越えた動きは重点投資分野を見いだすためであり、生き残りのためという企業もある。19年には海馬汽車や力帆汽車など多くの中国ブランド自動車メーカーがこぞって不動産を売却するようになった。業界では、「自動車メーカーの頻繁な不動産売却は各社が直面する困難な状況と関係がある」との見方を示す。

シンクタンクの盤古智庫の盤和林(パン・ホーリン)シニア研究員は、「不動産を売却した大きな理由は、2019年に独自ブランド車の売り上げが大幅に減少し、一定のキャッシュフローと資金を手にして上場を維持したり会社の土台となる運営を維持したりしなければならないからだった。不動産は資源の一部に過ぎず、主業務ではない。不動産を売っても自動車メーカーにとってはその場しのぎに過ぎず、長期的にみれば現実的な対策とはいえない。独自ブランドの生存能力を高めることこそ、自動車メーカーが長期的に発展するためのカギだ」との見方を示す。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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