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巣ごもり生活で睡眠不足が深刻な大学生が増えている。
登校再開が何度も延期になり、「巣ごもり」する時間が長くなるにつれて、張媛(ジャン・ユエン)さんの目の下のクマもどんどん深刻になってきている。それというのも、毎日夜中の3時までスマホをいじり、朝は7時50分に起きて、オンライン授業を受けるという生活を送っているからだ。3月に自宅でオンライン授業を受けるようになってから、広西チワン族自治区南寧市の大学に通う張さんの睡眠時間は1日5時間未満だという。中国青年報が伝えた。
張媛さんのように、新型コロナウイルス感染拡大防止対策実施期間中、まるで「リベンジ」とばかり徹夜を続ける悪循環に陥ってしまっている大学生が少なくないことが取材から分かった。
韓閔閔(ハン・ミンミン)さんは広西大学に通う大学3年生で、「冬休みになり湖北省武漢市にある実家に戻ってからというもの、ベッドに寝転がっている時間がこれまでになく長くなっているにもかかわらず、睡眠時間はいつもより大分少ない」と話す。日中はオンライン授業や宿題に追われ、夜になってベッドに寝転ぶと、やっと「自分の時間ができた」と感じ、スマホをいじったり、音楽を聞いたりと自分の好きなことをしているうちに、いつの間にか夜中の2-3時になっているという。韓さんの友達の中にも、彼女のように、「リベンジ」と言わんばかりに、徹夜をする癖がついてしまった人が少なくないという。
中国睡眠研究会がこのほど、関連機関と共同で発表した「2020巣ごもり期間中の中国人の睡眠に関する白書」は、発表されると同時に、微博(ウェイボー)の話題をさらった。中でも、「中国人の就寝時間が全体的に2-3時間遅くなっている」、「新型コロナ流行期間中、徹夜組が23%に増加」、「新型コロナ流行期間中、過度な徹夜を控える」などの投稿の閲覧回数がいずれも100万回を超えている。
華米科技と関連機関が発表した「2019年中国人睡眠白書」によると、徹夜組のうち、43%が90後(1990年代生まれ)、27%が00後(2000年以降生まれ)となっている。90後の徹夜が最も深刻で、就寝時間は平均で午前0時以降。
中国人の睡眠問題に注目していたある専門家は過去に、「時間を睡眠の必要な人に返すように」と呼びかけていたものの、巣ごもり期間中の中国人の睡眠に関する白書によると、「新型コロナ流行で巣ごもりしている期間中、若者は時間があるのに、寝ていない」という新たな問題が発覚している。
南京理工大学に通う張明楷(ジャン・ミンカイ)さんは新型コロナ流行期間中、「時間がもったいない」と毎日のように徹夜している。そんな彼は、オンラインゲーマーで、大学の寮で過ごしている時は、ルームメイトに迷惑をかけないために、徹夜で思う存分ゲームをすることはなかった。しかし、今年の冬休みは、思いっきり羽を伸ばしてゲームに打ち込むことができるようになった。毎晩10時になり、周りが少しずつ静かになると、張明楷さんは、ドアを閉めてゲームを始める。その自分の小さな世界で、全ての感覚器官を高揚させ、ゲームにあけくれ、夜中の3-4時になると、しぶしぶスイッチを切って眠りにつく。そして、朝のオンライン授業が始まると、目をこすりながら点呼を終え、その後はベッドで再び寝る。そんな彼は、「勉強はまたどこかで時間を見つけてする」と話す。
「徹夜できた時も楽しいが、毎日徹夜できると毎日楽しい」とする若者も少なくないが、徹夜をして「快感」が得られる一方で、体や生活のリズムは崩れてしまう。
重慶理工大学に通う馬佳慧(マー・ジアフイ)さんは、日記の中で、「毎日のように夜中の3-4時になって就寝し、朝の8時に起きるという生活をしていると、この素晴らしい世界から遠ざかってしまいそう」と綴っている。2カ月前、彼女は長期にわたって徹夜をして、睡眠不足になると健康が蝕まれるということなど考えもしなかった。しかし、最近、ある朝いつものように起きて、ご飯を食べている時に、目の前が真っ暗になりテーブルの横に倒れてしまった。病院に搬送され、医師からは、長期間徹夜したことが原因で不整脈になり、失神したという診断を下された。馬さんはその時から「徹夜組」を引退し、「健康的な女性になりたい」と決意したという。
上海市松江区精神衛生センター・カウンセリング科の常向東(チャン・シアンドン)主任は、「新型コロナ流行期間中、若者が『リベンジ』とばかりに徹夜するというのは、実際には、心理的な統合失調が問題。新型コロナが突然流行し、自由が制限され、若者は自分の生活のリズムを崩された。長期間、部屋に閉じこもっていると、暇でイライラし、落ち込んだりしやすくなる。そして、若者は生活のリズムがなくなり、昼間は寝て、夜になると目がさえるという現象に陥る」と指摘する。
そのため、「今の特殊な期間中、若者は自分をある程度律し、必要な時には家族にも管理してもらうのもいいかもしれない。そして、自分の行動を医学的な健康の基準に合わせなければならず、そのような規則をむやみに破れば、害を被るのは自分自身だと言い聞かせなければならない」とアドバイスする。
もうしばらく巣ごもりしなければならないものの、張明楷さんは、夜にゲームをするという悪い習慣を改め、規則正しい生活を送り、期末テストや大学院試験に備えると決意した。課金していたオンラインゲームの会員カードの期限もちょうど切れたので、課金はやめ、「もうしばらくはゲームはしない」とした。(提供/人民網日本語版・編集/KN)
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