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<コラム>親分・子分の中国と朝鮮、そして日本

配信日時:2020年5月7日(木) 21時0分
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韓国で新型コロナ検査キットを「独島?」と名付けて世界へ広げようとネットで20万とも30万の賛成があったという。写真は韓国に展示されている竹島の模型。

韓国で新型コロナ検査キットを「独島?」と名付けて世界へ広げようとネットで20万とも30万の賛成があったという。「独島」とは島根県沖の「竹島」のことで、我が国の領土である。戦後、日本が廃墟のなか、韓国で成立した李承晩政権は、一方的に「李承晩ライン」を海の上に引いて、「竹島」を取り込んでしまった。これが、韓国側の島名「独島」である。向こうではドクトと読む。

李承晩ラインの話は、私も微かに記憶がある。引かれたのは私が5歳の時だ。日本は敗戦の廃墟の中にいた。この勝手に引かれたラインによって、私が18歳になったとき、1965年に日韓基本条約や請求権・経済協力協定、日韓漁業協定が締結されるまで、日本の漁民は漁に出るのが恐怖だった。韓国の不法拿捕により抑留された日本漁民は3929人、拿捕時の攻撃による死傷者は44人だという。

今回の新型コロナウイルスで、韓国は前回のSARSの時の経験が生きて検査も対応も早かった。その検査キットを世界に提供すると言ったのは喜ばしいことだ。ところが、検査キットを「独島」と名付けて、日本の領土を不法に取り込んでいるのを強引に「自分のものだ」と宣伝しようとした。もちろん島に関しては、両国間に争いがある。しかし、その帰属は歴史・学術的な調査によって客観的・公正に決定すべきものである。さすがに、韓国の大多数人々の良識からしても、領土紛争を新型コロナウイルス対策に便乗してPRとは「なさけない」話である、となったらしい。

人類が他の種に対して「ホモ・サピエンス」と名乗るのは「英知・理性」があるからであって、悲惨な疫病検査を利用するとしたら、自ら悟性・理性を放棄したに等しくなるではないか。当然のこととして、一部の韓国のネットユーザーの暴走は、突っ走ることが出来なかった。韓国にとって「恥ずかしい話」である。

また「東海」運動がある。この話を聞いたとき、「はて、何のことだ?」と思ったが、私は老眼の目を剥いてしまった。上図を見ての通り、日本と韓国の間には「日本海」がある。英語では「Japan Sea」だ。国際水路機関も日本の海上保安庁海洋情報部も「Japan Sea」で外務省は「Sea of Japan」である。韓国ではこれを「東海」にしろという。

この手の主張は世界に多い。ベトナムは南シナ海が東海である。また中国でも東シナ海が東海である。この国々の主張通りになると、アジアは上図のように、海は全部「東海」になる。(笑)

中華思想のことはこのコラムでも触れたが、それは、節度をもって主張されねばならない。まして、国連など、世界的に認証されているものをひっくり返そうというのだ。アメリカも国連も、その判断には踏み込まず、「東海」への変更は拒否。また「日本海と東海」を併記する案にも賛成していない。まあ難儀な主張である。中国やベトナムでも、東シナ海や南シナ海を「東海」としろとは、過度にそのことの主張はしない。

韓国ではこの主張も、ここ30年ほど前から始まった。そして韓国が、もし「東海」をいうなら、黄海や東シナ海についても同様に韓国の主張を言わねばならない。韓国国内では黄海は西海「West Sea」、東シナ海は南海「South Sea」だ。前図のように、黄海が「西海」などになったら、中国は目を剥くだろう。中国から見て黄海は東にあって「西海」ではない。余りの主張に、泡を吹いてひっくり返るかも知れない。

韓国は中国に対して物言えない。まあ我が国でもアメリカに対しては難しい面がある。超大国に対する立場は同情する。ただし、動物的感情に支配されて、歴史を無視した学校教育の成果? によって度が過ぎて来つつある。

図の中に、ネパールの「エベレスト」が見えるだろう。インドの北の黄色の三角だ。世界一高い山だが、「エベレスト」はインド測量局で長官を務めたジョージ・エベレストにちなんで命名された。イギリス人である。本人は望んでいなかったともいわれる。ともあれ、世界的に「エベレスト」が定着した。が、一時これを地元の山の名前「チョモランマ」と変更しようという動きがあった。これは、結局、世界的に定着している「エベレスト」に落ち着いた。

「日本海」の場合は、イギリス人がやって来てイギリス人の名前をつけたのではない。もともと日本と韓国の間の海であって「日本海」が世界的に定着している。それを戦後30年以上も放置しておいて、急に変更しろ、併記しろ、というのだから、国連もアメリカもヨーロッパも「はてな?」ということになった。

韓国が日本に対して理不尽な要求をするというのは、先にも述べたが、2000年以上にわたる中国冊封体制下で、手下第1位だった韓国の日本に対する「妬み」と「恨み」が、その底にあるのだ。中国と韓国の2000年の長い確執。特に韓国の「反発しつつも中国に従わざるを得なかった」屈辱的な歴史は、現代においても更に強くなり継続しそうなのである。

韓国は、日本の賠償・援助の力もあり「漢江の奇跡」と言われる急成長を成し遂げた。とくに、ここ20年ほどは目を見張るほどである。都市部の建物はどれもピカピカで、韓国は力をつけた。だが、中国も巨大な昇竜となって、韓国を呑み込みつつある。

韓国は転換点にある。このコラムでも前に述べたように、少子高齢化が目前に迫り、財閥主体、輸出中心の経済は脆い。都市はきらびやかだが、地方の農村部の発展は先進国の水準には達していない。

その焦りは、迫り来る中国には向かない。積年の親分ー子分の関係は、卑屈な心理感を生んでいる。経済も完全な中国依存となり、これを断ちきることは出来ない。可能なのは同胞たる北朝鮮の資源や潜在的なパワーを引き出すことである。

とはいえ、北朝鮮は我が国が国交を断っているように、完全な「独裁国家」、有り体に言えば「暴力国家」である。この国家と結ぶことは、韓国の発展より、崩壊を意味すると思われる。危険極まりない賭けだ。

一方、中国にとっては、当面のライバルは米国であり、それを超えるために味方に引きつけたいのは日本だ。一帯一路といいつつ、足下の東アジアで日本を引き入れれば、一挙にアメリカを抜き去ることが出来る。一人っ子政策、そして回復しない出生率を考えると、現在、その必要性がもっとも高い。

この中国の姿勢から韓国が焦るのはよくわかる。なんとか日本を足蹴にして、表舞台に出たい。だが中国はつれない。そこで、政治の失策も、国の発展の鈍化も、なにもかも日本のせいにするという考えが生まれる。

『反日種族主義』[文藝春秋社刊]には、歴史を曲げ、恐るべきフェイク政策を実行に移す韓国の姿が見られる。教育まで中立を放棄しては「歴史を忘れた韓国」になってしまう。「韓国に未来がない」ことになる。

新型コロナウイルスの蔓延でミソをつけたが、グローバル化は、基本的に止められない。近視眼的一国主義は長く持たない。閉塞感と発展の遅延が起こるだけである。グローバル化と情報化社会の中で、PR、相手に判らせるという力は大切だ。しかし、韓国の「歴史を無視して総てを日本のせいにする」宣伝はいただけない。

「歴史を忘れた国民には未来はない」というのは、実は正しい歴史を認識しない、教えない「韓国民」のことだろうか。その焦りと虚偽はいずれ自らの首を絞めてしまいそうである。中国という大国の下で喘ぐ彼の国に同情と、そして起こりつつある「うんざり感」を感じてしまうのは、私だけではない気がする。

■筆者プロフィール:石川希理
1947年神戸市生まれ。団塊世代の高齢者。板宿小学校・飛松中学校・星陵高校・神戸学院大学・仏教大学卒。同窓生いるかな?小説・童話の創作と、仏教の勉強と瞑想を10年ほど。明石市と西脇市の文芸祭り選者。児童文学のアンソロジー単行本、小説の自家版文庫本など。

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