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<コラム>中国パソコンの躍進と日本

配信日時:2020年5月12日(火) 23時0分
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パソコンの2019年第4四半期の世界シェア1位は中国。2、3、4位はアメリカ。5位は台湾。残念ながら日本は入っていない。

京都の佛教大学の学舎内に自由使用の出来るパソコンコーナーがあった。もう数年以上前だが、そのディスプレイが韓国サムスン製であった。「へーえ!」と驚いた。サムスンの躍進と日本製の凋落。嫉妬心と残念な気持ち。と、複雑であった。私も日本民族の一員という集団意識は強いらしい。恐らくアメリカ製であったならば、大して気にもとめなかったのだろう。このあたりは分析してみるとおもしろいと思う。

さて、そのパソコンの2019年第4四半期の世界シェアは、だいたい次のようだと思われる。

1位 レノボ 18%

2位 ヒューレットパッカード[HP] 17%

3位 デル 12%

4位 アップル 5%

5位 エイスース[アスース] 4%

1位は中国 2、3、4位はアメリカ 5位は台湾。残念ながら日本は入っていない。アメリカ国内で販売されているモノには日本の製品もある。ソニーはアメリカの映画会社を傘下に収めているので、映画の中にバイオが出たりする。

日本製でないとセキュリティや品質面で信頼できないという方もおられる。たしかに、高価だが「安心」は出来る気がする。周りの若者の中にも、ソフトも多いし、故障時も安心だしと、日本製のファンも多い。

またマックというアップル製のものは、私の中年時代には、ユニークな設計思想、マニア向けということで買っている方もいた。なにせOS(オペレーティングシステム)が、ウィンドゥズでなくてマックOSである。

私の場合は、当初はNECであった。富士通も使ったし、ゲートウェイも利用した。(なんでも手を出しているなあ…)

現在は、デルである。理由は簡単、「安い」そして「何もソフトが入っていない」ことだ。ウィンドゥズだけである。ワープロソフトも、表計算も、描画も、エディタも、何もない。そこに、使っているワープロの一太郎などを別に買ってインストールする。かといって世界標準になっているワードやエクセルが必要なときもある。これは仕方ないので、読み込めるようにワードやエクセルを購入した。いまはワード2010だ。

え、10年前。

そうである。これで最新のワードなどのファイルも読める。

「新しいものにしないと…」と思うが、新しいものは月ごととか年ごとの課金システムになった。ごくたまにしか使わないので、これは痛い! 買い取り制度はあるのだろうか。まあそれにしても、必要な場合もあるが「あまりひつようではない」ので費用対効果はよくない。まあ、互換が可能なうちは大切に使うつもりだ。死ぬのが先か、ワードが機能しなくなるのが先か…。ぐすん!

元に戻って、レノボの躍進は凄い。中国は人口も多いから、販売も利益も改良、そして技術進歩も進むだろう。中国自体がITを国家の力の源泉と考えているから、核心的な産業として進歩するに違いない。

日本などは、触れたことがあるが、CPUはアメリカのインテル、OSはアメリカのマイクロソフトのウィンドウズ。つまり中核部分は国産化できていない。

[昔話]私が1980年代に、日本のNECのパソコンを購入していた時代、表計算は「国産ソフト」だった。ワープロも「国産ソフト」である。まだCPUの性能が低く、ソフトの容量は1MB未満。5インチのペラペラの紙のようなフロッピーディスクが記憶媒体だった。3.5インチのプラケースに入ったフロッピーディスクに変わっていくが、現在はそれも無い。ハードディスクも、もちろんUSB、SDカード、SSD、DVDドライブもネットもない。

この時代のCPUの性能では、日本の漢字などは自在に扱えない。アルファベツト1文字が1バイトという容量なのだが、漢字は2~3バイトになるという。それで、わざわざ日本の文字のためにアメリカはソフトを作ることもなく、NECや富士通のパソコンの独壇場であった。NECの場合V30という日本独自のCPUの名前だった気がする。

まだ、ウィンドウズはなく、何種類かのソフトの使用はフロッピー。ようやく12MBのハードディスクが販売された。でかい横長の弁当箱二つ分くらいで、な、なんと7万円した。それでも手に入れたときは革命が起こったと。自分でごく簡単なメニュープログラムを組み、BIOSの上で作動させた。

やがて、アメリカの世界標準機が進歩し、インテルのCPUも向上し、OSのウィンドウズが開発され、日本のパソコンやソフトは駆逐されていく。例えば「マルチプラン」という便利な表計算ソフトがあった。これは後に「エクセル」へと進化する。ココまでの説明でやっと次のソフトに移る。(笑)

「エクセル」はマイクロソフトの超有名なソフト。この会社は「ワード」というワープロソフトも作っていた。日本の場合、「一太郎」「オーロラエース」「松」といった国産ソフトが有名だった。一太郎は現在もあり、私は使っているが、オーロラエースや松はなくなっている。なぜこの二つだけ名前を覚えているのか(笑)。お恥ずかしいがこの時代、日本でもまだ著作権の意識は低く、パソコンを買うと、ワープロのソフトがコピーされてついてきたりした。

さて、日本語は英語と違い、タテ書き、漢字、ひらかな、カタカナ、文法と複雑である。それでマイクロソフトの「エクセル」は売れるが、ワードはいまいちだった。「マイクロソフトは、どうしたか?」簡単である。「エクセルを使いたければワードも買え」と、した。さらに、パソコンの中に初めから組み込み販売もしだす。バンドルする。

「ワード」は、業務用としてすぐれたソフトだ。ドンドン進化していくから、それこそ「アッ」という間に、日本の国産ソフトは駆逐されることになった。老人の私の使っている「一太郎」は生き残っているが、見る影もない。もともと、行政・役所や学校で使われていたので、しばらくは頑張ったが、バンドルされた「ワード」も使い勝手がよくなり、組織相互に使われ出すと「一太郎」は利用されなくなる。因みに一太郎の変換主体は「ATOK」という変換エンジンだが、面白いことに、これは優秀と見えてアンドロイドなどのスマホのワープロに利用されている。

さて、もちろん「ワード+エクセル」の組み合わせ販売は、独占禁止法に触れかねないので、いまはその強制はなくなっている。ただ、一旦広まったワードとエクセルは、組織としても、使っている個人にも手放せないものになっている。実にウマイやり方をしたものである。

恐らく革新的なワープロ技術、或いは音声入力とかが普及しないと、マイクロソフト戦略は破綻しないと思う。ただ、中国は、独自のOSソフト、CPUなどを作り出している。2022年くらいまでに、中国製のソフト、ハードに、つまり、OSのウィンドウズや、インテルなどのCPUを、中国開発のものに置き換える計画があるとされている。今後どうなるか、みどころである。

ネットでこの記事を読む方は、若い方で、パソコンやネットが得意な方も多いと思う。ご存じかも知れないが、もう一つソフトのお話を(笑)。読み飛ばされても結構。

PDF、アドビシステムズという会社の製品だ。賢い会社だ。人々は様々なソフトを使う。字体も違う。ワープロの文書中に絵を入れたり、表計算の結果も組み込む。写真などもやり取りする。さらに、それぞれの人や組織が使っているパソコンの性能・環境も様々である。その文書をやり取りすると、文字が上手く出てこなかったり、ファィルが開かなかったりと不都合が起きる。そこで、一応、どのようなパソコン環境でも見ることの出来るファイルにすることにした。これがPDFだ。

さらに賢いのは、PDFを見ることだけ出来るソフトを、「無料」で配ったのである。便利だから、これもまた「アッ」という間に普及した。しかし送られて来たPDFを開いても、編集は出来ない。つまり、やり取りして便利だが、それに更に手を加えて交換し、印刷し、と言ったことをするなら、アドビのソフトを買わねばならない。もちろんPDFにしたい場合もアドビのソフトが必要である。見るだけタダ戦略だ。企業ならば、世界中とやり取りする業務ソフトとして便利だから、コストの中に組み入れて購入できる。アドビの戦略は図に当たった。

しかし、私のような個人はどうだろうか。平均して一週間に一度位、ファイルをPDFに変換する程度、受け取るのも年に何回、十数回か、である。容量も小さいので、あっという間の作業である。見るのは無料だが、PDFに変換することも、もちろん編集も出来ない。PDFにしたり、編集するには、ナント毎月、千数百円かかるアドビのソフトが必要だ。買い取って長く使える方式でなく、最近流行の毎月支払いのレンタルである。年にすると2万円近くなる。各週くらいに1つ短いファイルを変換するのに、400円ほどかかる計算になる。

でまあ、仕方ないので、サードパーティ社製の数千円もしない、PDF作成ソフトを買った。編集機能は、どのソフトも、ほとんど使いものにならない気がする。でもまあ、個人で使うなら、変換できればなんとか間に合う。

企業は利用者の囲い込みを図る。抱き合わせなどは無理にしてもギリギリのところで、取り込んでいく。まあ当たり前の経済行為である。

恐らく中国が20年から30年後、国の仕組みをより自由度の高いものに変え、アメリカを乗り越えていくときには、これに近い戦略になるだろう。その時に備えて、日本企業も技術の開発をしてもらいたい。我が国に民族の独自性、文化をたもって欲しいと望んでいるが…。

■筆者プロフィール:石川希理
1947年神戸市生まれ。団塊世代の高齢者。板宿小学校・飛松中学校・星陵高校・神戸学院大学・仏教大学卒。同窓生いるかな?小説・童話の創作と、仏教の勉強と瞑想を10年ほど。明石市と西脇市の文芸祭り選者。児童文学のアンソロジー単行本、小説の自家版文庫本など。

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