【国際観察】米国の政治家たちは新型コロナウイルスの常識を学ぶべき―中国メディア

人民網日本語版    2020年5月5日(火) 8時0分

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新型コロナウイルス肺炎が米国で蔓延し続けている。4月28日、米国の新型コロナウイルス感染者数は累計100万人を超えた。

新型コロナウイルス肺炎が米国で蔓延し続けている。4月28日、米国の新型コロナウイルス感染者数は累計100万人を超えた。しかし、米国の一部の政治家は医学の常識を無視し、全く根据のない無責任な発言を頻繁に行っている。米国で猛威を振るう新型コロナウイルスを前にして、米国の政治家たちは今こそ新型コロナウイルスに関する常識を普及させるべきだ。(文・羨江南、人民網掲載)

マイク・ペンス米副大統領は先ごろ、マスクを着用せずに病院を視察したため、広く論議を呼んだ。現地時間4月28日、ペンス副大統領はミネソタ州ロチェスター市のメイヨー・クリニックを訪問し、医療従事者と新型コロナウイルス患者を見舞った。その際、連邦政府の勧告とクリニック側が訪問者にマスク着用を求める規定を公然と無視し、視察中ずっとマスクを着用しなかった。ペンス副大統領のこの行為に対し、メディアや人々は、責任感のない公衆衛生情報を広めたとして次々と非難した。

ペンス副大統領は後に、マスクを着用しなかったのは自身と周囲の人が全員検査を受けていたからだと釈明した。ペンス副大統領は、「私は新型コロナウイルスに感染していないからだ。今回の訪問は私にとって、素晴らしい研究者や医療従事者と話し、目と目を合わせてお礼を言う良い機会だった」としている。これに対し米紙「ワシントン・ポスト」は、「マスクを着けていたからといって、なぜ目を合わせる妨げになるのか理解できない」と皮肉った。

しかし、ペンス副大統領は、新型コロナウイルスのPCR検査結果には誤差がある可能性があり、自身が知らずにウイルスを持ち込んでしまうかもしれないということを知らなかった。ミネソタ民主農民労働党のケン・マーティン党首は、「ペンス副大統領の行為は危険であり、利己的かつ無責任で、周囲の人の健康に危害を及ぼすだけでなく、他の人が真似をする可能性もある」と非難した。

ペンス副大統領のマスク着用拒否は1度だけではない。米ニュースサイト「ポリティコ」によると、ペンス副大統領がこれまで公の場に姿を見せた際、1週間前に空軍士官学校と人工呼吸器を生産しているゼネラル・エレクトリック(GE)の医療部門を訪問した際にも、マスクを着用していなかった。

ペンス副大統領のほかにも、多くの共和党員がマスク着用の必要性に気づいていない。トランプ米大統領もそのうちの1人だ。米国で感染が爆発的に拡大しているのを目にしても、トランプ大統領は公の場で、自分はマスクを着けないと発言していた。

トランプ大統領は、マスクを着用するべきだと知る必要があるだけでなく、消毒剤を飲んではいけないことも知る必要がある。先週、トランプ大統領はホワイトハウスでの記者会見で、「体内に消毒剤を注射するか、紫外線やその他の強い光を身体に照射すれば新型コロナウイルスを治療できるのではないか」という発言をして人々を唖然とさせた。この発言はすぐに専門の関係者や人々からの非難と嘲笑を浴び、医学専門家や議員、ひいては消毒剤メーカーも急遽、「どのような状況であっても絶対に消毒剤を服用したり体内に注射したりしてはいけない」という注意を喚起した。

トランプ大統領は後に、「消毒剤を注射したらどうか」というのは単なる「皮肉」だったと言い換えたが、その常識を顧みない発言はすでに一部の米国人の健康に危害を及ぼしている。米メディアの報道によると、米国で少なくとも100人がトランプ大統領の発言に従い、その後入院して治療を受けているという。しかし、人々がウイルス感染を避けようと消毒剤を濫用した件に関して、トランプ大統領はいかなる責任も負わないと述べた。

トランプ大統領は以前にも、抗マラリア薬のヒドロキシクロロキンを新型コロナウイルス治療の「特効薬」だとして強く勧め、ヒドロキシクロロキンとアジスロマイシンを併せて投与すると新型コロナウイルスを有効に抑制できると発言していた。しかし、AP通信の報道によると、米国の退役軍人病院が患者に対し行った大量の分析によると、この薬は新型コロナウイルス肺炎の治療には何のメリットもなく、むしろヒドロキシクロロキンを服用した患者の死亡率は通常の治療を受けた患者より高くなっているという。

米国の一部政治家の常識に欠けた発言は、米国人の生命の健康を脅かしている。それと同時に、彼らはこうした発言をすることで、連邦政府が防疫に十分に努力を払っていないことに対する人々の注意をそらそうとしている。米国の致死率は上がり続けており、一部の米国の政治家は依然として世論を惑わし、全く根据のない非難をすることで世界保健機関(WHO)と中国に汚名を着せ、ウイルスの発生源に関する陰謀論を流布している。

米国のポンペオ国務長官は先ごろ、理由もなく中国に「情報が不透明」というレッテルを貼り、その矛先を武漢ウイルス研究所に向け、研究所にウイルス発生源に関する立ち入り調査を行うべきだとし、虚偽の情報という「政治ウイルス」をまき散らした。

こうした陰謀論は国際社会の共通認識に逆行しており、すでに世界各国の科学者が間違いを指摘し、反論している。3月に国際的に権威ある科学誌「ネイチャー・メディシン」に掲載された研究によると、新型コロナウイルスは自然界で発生したもので、実験室で生まれたものではない。WHOも、「現在ある全ての証拠が、このウイルスは動物が起源であり、実験室やその他の場所で人が操作して作られたものではないことを示している」としている。

この生死存亡にかかわる世界的な衛生上の危機においては、医学の常識が極めて重要だ。まさに中国外交部(外務省)の耿爽報道官が述べたように、我々は事実を尊重し、科学を尊重し、他人を尊重するべきだ。最も重要なのは、自分を尊重することである。「科学が当面到達できないところにも、文明は到達することができる」のだ。

米国国民の生命の安全と身体の健康のため、そして国際社会と団結・協力して感染症と闘うためにも、米国の政治家たちは新型コロナウイルスの常識を学ぶべきだ。(提供/人民網日本語版・編集AK)

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