新型コロナウイルス肺炎の中国に関するデマとその真相(上)

人民網日本語版    2020年4月27日(月) 13時50分

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現在、新型コロナウイルス感染が世界で拡大している。

現在、新型コロナウイルス感染が世界で拡大している。新型コロナウイルスの発生源や伝播などに関する報道と議論には、事実に合致しないものが数多く混ざっている。こうしたことを広めようとする者にはそれぞれ動機があり、政治的・体制的なライバルを誹謗中傷する意図を持つ者もいれば、なかには特定の国や民族、宗教に打撃を与え、罪をなすりつけようとする者までいる。中国はとりわけこうした「情報流行病」の打撃を受けている。本記事では、新型コロナウイルス肺炎についてよく見られる中国に関するデマを整理し、科学的知識と事実に基づいて論証し、一つずつ批判と反論を行う。これによって、事実に基づき真実を求める態度や私心をはさまず誠意を尽くす精神で関連する議論が行われるようになることを願っている。

【デマ1】新型コロナウイルスは中国の実験室で培養された。

【真相】現在ある全ての証拠が、新型コロナウイルスは自然界で発生したことを裏付けている。

△新型コロナウイルスはこの数十年間で知られているコロナウイルスのうち一種の新型ウイルスだ。世界保健機関(WHO)は、「現在あるすべての証拠が、新型コロナウイルスは自然界で発生したものであり、人工的に合成されたものではないことを裏付けている」と指摘している。現在、科学界はまだ新型コロナウイルスの具体的な自然発生源をつきとめておらず、このウイルスがコウモリやセンザンコウと関係があると推測する段階にとどまっている。

△ ベルリンのシャリテ大学病院ウイルス研究所所長のクリスチャン・ドロステン教授とその他26人の国際的に著名な科学者が今年2月、医学誌「ランセット」で、新型コロナウイルスが非自然起源であるとする陰謀論を非難する声明を発表した。

△3月中旬、スウェーデンの微生物学教授であるクリスティアン・アンデルセン氏をはじめとする科学研究者数名が、医学誌「ネイチャー・メディシン」で新型コロナウイルスの起源に関する論文を発表。研究者らは論文で、新型コロナウイルスの実験室起源論は信憑性がないと指摘し、さらに同ウイルスは人工合成物ではないと強調した。

【デマ2】新型コロナウイルスは中国の武漢ウイルス研究所の実験室のアクシデントによって外部に流出した。

【真相】武漢ウイルス研究所と新型コロナウイルスの起源とはなんの関係もない。

△ 中国科学院武漢ウイルス研究所の国家生物安全実験室は認証を取得済みのP4防護レベル(欧州ではBSL-4と呼ばれ、ベルリンのロベルト・コッホ研究所のS4高安全性実験室の防護レベルと同じ)を持っており、世界で最も致命性の高い病原体を処理することができる。同実験室は武漢市の中心部から約30キロ離れており、ウイルスがこのような高い安全性レベルを持つ実験室から流出することはあり得ない。

米国ニューヨークに本部を持つ非営利団体「エコヘルス・アライアンス」の代表であるピーター・ダザック博士は、世界で新たに発生した伝染病の研究を行っており、武漢ウイルス研究所との協力関係は15年の長きに及ぶ。ダザック博士は2020年4月16日に米国のニュースサイト「Democracy Now」の取材に応じ、「新型コロナウイルスが実験室から流出したという説は全くのでたらめだ。武漢ウイルス研究所の実験室内で新型コロナウイルスと関連するウイルスは培養されておらず、言われているような実験室から流出するようなことは絶対にあり得ない」と述べた。

【デマ3】中国は2019年11月中旬にすでに感染症発生の情報を得ていたが、関連情報を45日間隠蔽した。

【真相】中国の関連当局は2019年12月27日に初めて原因不明の肺炎の症例報告を受けており、さらに2019年12月31日に最初の感染症に関する通告を発表している。

△ 2019年12月27日、湖北省中西医結合病院呼吸内科主任の張継先医師が武漢市江漢区疾病予防管理センターに3例の原因不明の肺炎症例を報告した。これは中国の関連当局が初めて得た新型コロナウイルス肺炎に関する情報だった。張医師は先ごろ取材に対し、上記の報告経緯と感染症状況に関する情報について述べている。

△ 疫学調査を展開して3日後、武漢市衛生健康委員会は2019年12月31日に「現在の当市における肺炎状況に関する状況通告」を発表し、外出時にはマスクを着用するよう注意を喚起した。同日、原因不明の肺炎症例が累計27人見つかっており、うち7人は重症だった。

△冬は風邪やインフルエンザ、肺炎が多い季節であり、新型コロナウイルス肺炎は症状がインフルエンザとよく似た新型伝染病だ。また武漢市には1100万人の住民がおり、このような状況下で感染を発見し、迅速に患者を特定するのはたやすいことではない。そのため、WHOのテドロス事務局長とチーフサイエンティストのスワミナサン氏は「ランセット」誌に、中国の医師と衛生当局がインフルエンザの流行する季節に迅速に新型コロナウイルスを発見したことを高く評価する文章を寄せた。

【デマ4】中国は長期間にわたって新型コロナウイルス感染拡大の真相を隠蔽し、そのせいで世界的な感染拡大という事態を招いた。

【真相】中国は迅速に自国民と世界の人々に感染状況を知らせ、最も短い期間で最も厳格な予防・抑制措置を講じ、世界の他の地域が感染症対策に備えるために少なくとも6週間の時間を稼いだ。

△ 中国は極めて早い時期にWHOへの新たな感染症発生報告義務を履行していた。

Ø 2019年12月31日、中国はWHOの中国事務所に武漢で発生した原因不明の肺炎の状況を報告。

Ø 2020年1月3日から、中国はWHOと、米国を含む関係国、中国香港・澳門(マカオ)・台湾地区に対し迅速かつ自発的に感染状況関連情報を定期的に報告。

Ø 2020年1月8日、国家衛生健康委員会専門家評価グループが、新型コロナウイルスが今回の肺炎の病原であるとひとまず確定。

Ø 1月12日、中国はWHOに新型コロナウイルス遺伝子配列情報を提出。世界のインフルエンザウイルス遺伝子データベース(GISAID)上で新型コロナウイルス5株の完全な遺伝子配列を発表し、世界的に共有。

Ø 1月16日、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)診断式試薬の最適化を完了。

Ø 1月20日、国家衛生健康委員会ハイレベル専門家グループが、確かな疫学研究に基づき、新型コロナウイルスのヒト・ヒト感染が裏付けられたと発表。

WHOは4月8日、その公式ウェブサイトで上記のタイムラインを確認した。

(編集AK)

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