中国がGDPマイナス成長でも経済発展に自信がある理由は?―中国メディア

人民網日本語版    2020年4月28日(火) 6時30分

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新型コロナウイルスの打撃を受けて、今年第1四半期(1-3月)の中国の国内総生産(GDP)は20兆6504億元となり、不変価格に基づく計算では前年同期比6.8%減少した。写真は北京。

新型コロナウイルスの打撃を受けて、今年第1四半期(1-3月)の中国の国内総生産(GDP)は20兆6504億元(約309兆7560億円)となり、不変価格に基づく計算では前年同期比6.8%減少した。国民生活をみると、生産や生活の秩序が次第に回復するにつれ、雇用情勢は全体として安定をみせ、全国的に大規模なリストラは行われていない。同期の全国都市部の新規雇用者数は229万人だった。3月の都市部の調査失業率は5.9%で、2月より0.3ポイント低下した。(文:屈暁東・陝西省社会科学院副研究員、西北大学公共管理学院博士課程在学中。経済日報に掲載)

客観的にみて、感染症の流行中にこうした数字を達成することは決して簡単なことではない。経済成長率は低下したものの、産業チェーンは全体として打撃を耐え抜き、14億人の基本的生活は力強く保障された。

感染症が発生し、食料の安全保障をめぐる複雑な情勢に直面して、中央政府は相次いで的を絞った政策措置を打ち出し、春の耕作シーズンへの感染症の影響を最大限軽減し、今春の穀物作付面積が全体的に安定し、農業用物資の供給が全体として保障されるよう確保した。同期の農業(作物栽培業)の付加価値額は同3.5%増加した。現在、全国の主要農業エリアは全体として農業に適した気候条件になり、春の耕作は順調に行われ、冬小麦の生育状況は全体として前年と通年を上回り、夏季収穫穀物は豊作が期待できる。

感染症の打撃を受けて、経済は下ぶれ圧力が増大し、多くの企業や業界の経営発展がこれまでに経験したことがない困難に見舞われた。現在、各地域の各当局が一連の政策措置を打ち出すのにともなって、全国的に企業活動と生産活動の再開が加速的に推進されている。4月15日現在、全国の中小企業業務再開率は84%に達した。業界別にみると、第二次産業の再開率は生産型サービス業を上回り、生産型サービス業の再開率は生活型サービス業を上回った。地域別にみると、各地域の業務再開率は同時進行の状況となり、25省(自治区、直轄市)で再開率が80%を超え、湖北省も急上昇の勢いをみせる。企業のタイプ別にみると、「専門性が高く、技術力が高く、独特で、イノベーション型の」中小企業は再開率が中小企業全体の水準を上回った。

経済発展が直面する困難が大きければ大きいほど、新しい原動力の育成を重視する必要がある。感染症発生後、テレワークが業務再開を支え、クラウドビジネスやクラウドサービスが社会生活に便利さをもたらし、スマート製造は発展が加速し、こうしたことはすべて「新インフラ整備」の力強いバックアップと切り離せない。

「新インフラ整備」とは、通常は5G、人工知能(AI)、産業のインターネット、モノのインターネット(IoT)を代表とする新しいタイプのインフラを指し、本質的に言えば情報がデジタル化されたインフラのことだ。長年にわたる大規模な投資を経て、従来のインフラのストックは基数が高くなり、その一方で「新インフラ整備」は初期段階にあって、広い発展の可能性がある。関連機関の試算では、2025年になると、中国の5Gネットワーク建設投資は累計1兆2000億元(約18兆円)に上る見込みだ。20-25年には、5G商用化が直接もたらす経済効果が10兆6000億元(約159兆円)に達するとみられる。一方で巨大な投資とニーズをつなぎ、また一方で高度化を続ける消費市場をつないでいる。「新インフラ整備」は感染症がもたらしたマイナス影響を払拭するのにプラスで、経済の下ぶれ圧力に効果的に対応するための重要な支えを提供することになる。

企業の生産スタイルをみると、デジタル化モデル転換は企業の質の高い発展にエネルギーを与えることができる。感染症の流行中に、宝山鋼鉄集団は自身の幅広く掘り下げて実施したデジタル化モデル転換を基礎とし、ビッグデータとAIの遠隔操作技術を利用して、宝山基地の冷間圧延溶融亜鉛めっきのスマート生産現場を、24時間操業で多くの人手の監視を必要としない「無灯工場」に作り替えた。富士康の「無灯工場」は産業のインターネット、スマート製造を導入して、完全自動化を実現し、人がいなくても生産を行うことができる。富士康も宝鋼も、緊急事態の中で流れに逆らって進むことができたのは、デジタル化モデル転換があってこそのものだ。関連機関の試算では、中国企業のデジタル化モデル転換の割合は約25%で、欧州の46%や米国の54%を大きく下回り、今後の発展の可能性は大きい。

全体として言えることは、感染症が中国経済に与えた影響は受けとめることができる範囲のものであり、中国経済の長期的に好調さを維持するという基本面に変わりはない。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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