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中国の第17回全国国民読書調査報告の主な内容が20日、発表された。そのうち、あるデータが注目されている。
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中国の第17回全国国民読書調査報告の主な内容が20日、発表された。そのうち、あるデータが注目されている。それは0-8歳児がいる家庭のうち、7割の家庭で子供と一緒に本を読む習慣があり、その割合は2018年より1.3ポイント高くなっていた点だ。中国新聞網が伝えた。
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これについて専門家は、「この結果は近年『親子読書』が重視されていることを1つの側面から裏付けている。子供の幼少期に書店へ行き、一緒に本を読むことを、多くの保護者が当たり前のこととして選択している」という見方を示している。
0-8歳児1人あたりの平均読書量は増加傾向
報告データの未成年の読書率を見てみると、2019年、0-8歳児の読書率は70.6%で、2018年の68.0%より2.6ポイント高くなった。また9-13歳の児童の読書率は97.9%と、2018年の96.3%より1.6ポイント高くなった。
このほか、14-17歳の青少年の読書率は89.1%で、2018年の86.4%より2.7ポイント上がった。2019年、中国の0-17歳の未成年全体の読書率は82.9%で、2018年の80.4%より2.5ポイント高くなった。
未成年の読書量を分析してみると、2019年に授業以外で読んだ本の冊数では、14-17歳が12.79冊と最も多く、2018年の11.56冊より1.23冊増えたことが分かった。
9-13歳の平均読書量は9.33冊で、2018年の9.49冊より若干少なかった。また、0-8歳の平均読書量は9.54冊で、2018年の7.10冊より2.44冊増えた。
中国新聞出版研究院国民閲読研究・促進センターの徐昇国主任は、「子供たちはもともと学習段階にあり、多くの本を読む。また、多くの児童書は内容が比較的簡単で分かりやすく、それほど長くないので、比較的読みやすい」と分析している。
7割の家庭に子供と一緒に本を読む習慣
実のところ、子供1人あたりの平均読書量が増えただけでなく、書店に行く回数も増えている。
報告データによると、2019年、中国の0-8歳の子供の保護者は年間平均で2.92回子供を連れて書店に行っており、2018年の2.87回をやや上回った。
0-8歳の子供を持つ保護者の4割近く(37.1%)は、半年間で少なくとも1回は子供を連れて書店に行っており、うち3割以上(32.7%)の保護者は1-3カ月に1回子供を連れて書店に行っていた。
しかも、親と子供による早期読書行動を分析した結果、2019年、中国の0-8歳児がいる家庭のうち、普段から子供と一緒に読書をする習慣のある家庭が70.0%を占め、その割合は2018年の68.7%より1.3ポイント高くなったことが分かった。
また、0-8歳で読書をする習慣のある子供がいる家庭のうち、普段子供と一緒に読書をする習慣のある家庭は94.3%を占め、その割合は2018年の93.4%より0.9ポイント高かった。こうした家庭では、保護者は1日平均24.98分を子供と一緒に読書をする時間に割いており、その時間は2018年の22.61分より2.37分長くなった。
親子読書はなぜ注目されるのか
北京市の読書推奨者として活動する李峥[山栄]氏は、「実際のところ、上述のデータは、親子読書が近年ますます重視されていることの証明だ」との見方を示している。
李氏は、「親子読書というのは、保護者と子供とが一緒に本を読むという読書方法のことだ。年齢的には、通常は子供が乳幼児から10歳までで、小学校中学年までということになる」と説明する。
李氏は、「まず、全国民読書に関する各キャンペーンが展開されており、親子読書もその影響を受けた。次に、今の若い両親は学歴が比較的高く、読書の重要性を理解しており、意識的に子供に本をたくさん読ませようとしている」と指摘。さらに、「出版界のほうも商機をとらえて、各種児童向け読み物を次々と打ち出している。それによって親の選択の余地も広がった」と分析した。
しかし注目すべきは、親子読書の本当の目的が子供に読書の楽しさを感じてもらい、認知能力を徐々に育てることであり、詰込み式の「スキル式」学習ではない点だ。
そのため李氏は、「親子読書で大切なのは、一緒に本を読む時の質。必ずしも図書館に行って本を読むのではなく、ただ単に時間を使えばいいというものでもない。誠意をもって子供とコミュニケーションを取り、個性や特徴を尊重し、子供に自分なりの意見を言う余地を与えることが大切だ」と指摘している。(編集AK)